インタビュー◎ガイドライン作成委員会委員長の津川毅氏に聞く「小児消化管感染症診療ガイドライン」が初登場、注目のポイントは?国内事情踏まえ、整腸薬投与やホスホマイシン使用などは海外と異なる推奨 2024年11月、「小児消化管感染症診療ガイドライン2024」が日本小児感染症学会と、日本小児消化管感染症・免疫アレルギー研究会より発表された。日本の子どもに多い消化管感染症を紹介して、その治療法についてそれぞれ推奨度を提示。疫学や診断などについても解説した国内初の指針となる。同ガイ…2024/12/25小児科
Gastroenterology誌から米国で潰瘍性大腸炎の新ガイドラインが発表中等度から重度の外来患者対象、最新の生物学的製剤を紹介 大腸の粘膜に慢性の炎症が生じ、粘膜にびらんや潰瘍が生じる原因不明の炎症性疾患である潰瘍性大腸炎。代表的な症状は下痢や血便、腹痛で、症状の強い活動期には薬物療法が治療の主体となる。米国消化器学会(The American Gastroenterological Association)は、Gastroenterology誌12月号で、中…2024/12/24消化器
学会トピック◎第15回日本炎症性腸疾患学会学術集会潰瘍性大腸炎の新規バイオマーカーPGE-MUM、3カ月以内の臨床的再燃も予測できる可能性再燃予測のカットオフ値は22.5 μg/gCr、病態把握目的の30.2 μg/gCrより低く 潰瘍性大腸炎(UC)の病態把握の補助を目的として、2024年1月に保険収載された新規バイオマーカーの尿中プロスタグランジンE主要代謝産物(prostaglandin E-major urinary metabolite:PGE-MUM)が、測定後3カ月以内の臨床的再燃について、より低いカットオフ値で予測できる可能性があることが明…2024/12/19消化器
インタビュー◎広島大学総合内科・総合診療科教授の伊藤公訓氏に聞く8年ぶりに改訂されたH. pyloriガイドラインのポイントは除菌率を最優先し、あえて保険適用外の推奨も 2024年11月、日本ヘリコバクター学会による「H. pylori感染の診断と治療のガイドライン2024改訂版」(以下、本ガイドライン)が発行された。若年層でのヘリコバクター・ピロリ(以下、ピロリ菌)感染率の低下が以前から指摘される一方、耐性菌の増加で除菌に難渋するケースも少なくない。胃がん予…2024/12/06消化器
“アリ”の手術も判断基準は臨機応変 消化器外科の手術適応の決定に当たっては、何らかのエビデンスや診断基準、ガイドラインなどの基準に従い判断します。ですが、緊急手術時などの意思決定には、心の迷いが生じることも。それでも、上記の基準や場合によっては経験に基づいて、治療方針を決定します。 例えば、虫垂炎への治療には…2024/11/27外科医師・医学生限定コンテンツ
第9回 実際の使い方(静注薬編)アミオダロンの静注を2日でなく4日まで引っ張る理由 不整脈治療医にとっては「無くてはならない薬」だが、使い方や副作用の発現パターンが特殊なことから敬遠されがちなのが、抗不整脈薬アミオダロンである。アミオダロンの実際の使い方について、薬剤の導入法や用量の調整など、薬理作用や薬物動態などを踏まえて解説していく。 前回の経口薬とし…2024/11/26循環器
Am J Gastroenterol誌からオピオイド誘発性便秘はなぜ起こる?発症機序と末梢性オピオイド受容体拮抗薬の有用性をレビュー オピオイドは、癌やその他の疾患に伴う慢性疼痛を緩和する目的で投与される。しかし、オピオイドによる消化管障害としてオピオイド誘発性便秘が生じ得る。市販の緩下薬は効果がないか、最初は効果があっても時間経過に伴い効果が減弱することが課題だ。オピオイド誘発性便秘の機序と末梢性オピオ…2024/11/22消化器
【CME Week 2024アーカイブ配信】慢性便秘症の病態に応じた治療 ―便秘に対してここまでできる―患者さんがしばしば訴える便秘の訴えに対して、どこまで本気で向き合えていますか?「刺激性下剤には習慣性がある」なんて、今も信じています?慢性便秘症診療ガイドラインの作成にかかわった味村俊樹氏が、便秘薬の基本的な使い方はもちろん、大腸通過時間検査、排便造影検査、バイオフィードバッ…2024/11/19消化器
BMJ誌からGLP-1薬使用者は上部消化管内視鏡の中止が多い検査当日と翌日の誤嚥リスクには有意差なし 米国Harvard大学医学部のWajd Alkabbani氏らは、上部消化管内視鏡検査を受けた2型糖尿病の成人患者の誤嚥リスクを、GLP-1受容体作動薬とSGLT2阻害薬の使用者で比較するコホート研究を行い、検査日または翌日の誤嚥リスクに差はなかったが、検査中止は前者の方が有意に多く、胃内容物の残留が原因…2024/11/18検査
第8回 実際の使い方(経口薬編)アミオダロン経口薬使用のコツは「効果判定を急がない」 不整脈治療医にとっては「無くてはならない薬」だが、使い方や副作用の発現パターンが特殊なことから敬遠されがちなのが、抗不整脈薬アミオダロンである。アミオダロンの特徴について、これまで、薬理作用、薬物動態、副作用の面から概説してきた。これからはそれらを踏まえた上で、実際にアミオ…2024/11/12循環器
教えて!ラパコレ術後の観察項目や清拭の目的看護学生です。実習でラパコレ(腹腔鏡下胆嚢摘出術)を見学しました。見学後に術後合併症や観察項目を教科書などで調べましたが、病棟での実際の様子を知りたくて質問しました。ラパコレを実施した場合の術後1日目の観察項目や、患者さんの清拭を行う目的を教えてください。…2024/10/28看護師
萎縮性胃炎に効く漢方(2)ちょっとしたストレスで痛みだす萎縮性胃炎 前回の症例1に引き続き、萎縮性胃炎によく見られる証と漢方処方について、症例と共に解説します。 ピロリ菌の検査をしましたが、検出されませんでした。プロトンポンンプ阻害薬(PPI)を処方され、服用すると症状は改善しますが、治ったと思って服用をやめると再発するのを繰り返しています。胃…2024/10/25東洋医学
萎縮性胃炎に効く漢方(1)萎縮性胃炎の考え方と漢方処方 萎縮性胃炎は、胃炎が慢性化し、胃の粘膜が薄くなる疾患です。炎症が続き、胃液を分泌する組織が減少することにより、胃粘膜が収縮します。放っておくと病態が進行して胃の粘膜が腸の細胞のように変化し(腸上皮化生)、胃がんになるリスクが高まります。 よく見られる症状は、上腹部不快感、胃…2024/10/24東洋医学
インタビュー◎米で販売「ダビンチ5」は手技時間を20%削減手術支援ロボット、次の舞台は「良性疾患」に米インテュイティブサージカルCEOのGary Guthart氏に聞く 「da Vinciシリーズ」(ダビンチ)に代表される手術支援ロボットを次々と開発し、世界的に高いシェアを誇る米インテュイティブサージカル。既に米国では同社の最新機器「ダビンチ5」を販売しており、日本でも2024年2月に改良医療機器として承認されている。また2019年には、これまでの手術支援ロ…2024/10/18外科
Am J Gastroenterol誌からピロリ菌除菌の診療GLを米国消化器病学会発表4剤併用療法を優先、クラリスロマイシン・レボフロキサシンの使用は慎重に 米国消化器病学会(American College of Gastroenterology)が、ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)感染者の治療に関する診療ガイドラインを発表した。詳細はThe American journal of gastroenterology誌9月号に掲載された。このガイドラインは、未治療または治療経験のある18歳以上の活動性ピロ…2024/10/18消化器
【新薬】タスルグラチニブ(タスフィゴ)FGFR2融合遺伝子陽性の胆道癌に3剤目の経口薬 2024年9月24日、抗悪性腫瘍薬タスルグラチニブコハク酸塩(商品名タスフィゴ錠35mg)の製造販売が承認された。適応は「がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道癌」、用法用量は「成人に1日1回140mgを空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する」となっ…2024/10/11消化器
第15回復職できたが完治を求めて納得しない難治IBS+ASD患者、どう対応? 様々な消化器系のテーマを取り上げ、総合診療医が消化器内科医と総合診療科から消化器内科に転身した医師に疑問をぶつける本連載。第15回は、第13回から引き続き、精神科医をゲストとして招き、薬剤が無効な難治性の過敏性腸症候群(IBS)への対処法を症例ベースで検討していきます。今回は応用編…2024/10/03消化器
外科医が注目する大腸癌治療ガイドラインの改訂のポイントは、やはり“あれ” 7月17日、「大腸癌治療ガイドライン医師用 2024年版」が発刊されました。前の版が2022年なので2年ぶりの改訂となります。なんだか少し分厚いな~と思ったら20ページほど増えていましたが、値段も本体価格800円の値上げでした。う~ん、勤務医の場合、経費にはならないですよねえ……。 既に日経…2024/09/25消化器医師・医学生限定コンテンツ
Am J Gastroenterol誌からIBD患者はRSウイルス感染による入院リスク高い特に3カ月以内のステロイド使用歴は要注意 炎症性腸疾患(IBD)患者がRSウイルス(RSV)に感染した場合、IBDではない人と比べて入院リスクが高いことが報告された。結果は8月1日、The American journal of gastroenterology誌に掲載された。IBD患者はインフルエンザや肺炎球菌などの感染症における重症化リスクが高いことが以前から知られ…2024/09/20消化器
リポート◎【動画あり】ICG蛍光法と組み合わせ切除部位が明確にAIによる脈管強調表示で肝切除術中ナビゲーションが進化 もしも手術中に、「これは触ってはいけない血管です」と教えてくれるシステムがあれば、外科手術はより確実に実施できるのではないか──。こうしたコンセプトの下、昭和大学医学部外科学講座消化器・一般外科学部門主任教授の青木武士氏らの研究グループは、肝臓内に存在する脈管をAI(人工知能…2024/09/20外科
9月2~8日の話題になった論文膵嚢胞の研究論文レビュー若者のスクリーン使用時間と睡眠障害 本コラムでは、Googleが提供する学術雑誌のインパクト指標「h5-index」から、各領域10誌を抽出。それを元に世界中で最も多くツイートされた論文を紹介する。 9月2~8日に最もツイート数が多かったのは、NEJM誌の論文「Pancreatic Cysts」(膵嚢胞の研究論文レビュー)で438件だった。…2024/09/17消化器
第14回業務中の腹痛を恐れて復職できない難治IBSのタクシー運転手、「曝露」がカギに? 様々な消化器系のテーマを取り上げ、総合診療医が消化器内科医と総合診療科から消化器内科に転身した医師に疑問をぶつける本連載。第14回は、前回から引き続き、精神科医をゲストとして招き、薬剤が無効な難治性の過敏性腸症候群(IBS)への対処法を症例ベースで検討していきます。茂木(総合診療…2024/09/10消化器
第92回そんなにいるの!?カンピロバクター毎日、細菌性胃腸炎の患者さんがやって来る。下痢、発熱、頭痛があって、具合が悪い。「バイキンかも」と説明すると……。「カンピロバクター?」と聞かれます。「それかも」と返事をするけど、自信がない。なので、カンピロバクターを勉強してみました。カンピロバクターはまれか「飲食店でカンピ…2024/09/02感染症
学会トピック◎第40回日本小児臨床アレルギー学会学術大会卵黄が原因の食物蛋白誘発胃腸炎患者、卵白は食べてもいい?卵白経口負荷試験陰性確認後、約1年で全例が鶏卵1個分の卵白摂取可能に 食物蛋白誘発胃腸炎(Food protein-induced enterocolitis syndrome;FPIES)は、主に乳幼児に発症するIgE非依存性の消化管アレルギーで、近年、患者数が急増している。即時型アレルギーのように皮膚症状や呼吸器症状を呈さず、嘔吐や下痢といった消化器症状を呈するのが特徴だ。FPIESの治療は、…2024/08/29小児科
NEWS◎MASLDは「代謝機能障害関連脂肪性肝疾患」にMASLD/MASHなどの脂肪性肝疾患の日本語病名が決定 日本消化器病学会と日本肝臓学会は2024年8月22日、Metabolic Dysfunction Associated Steatotic Liver Disease(MASLD)、Metabolic Dysfunction Associated Steatotohepatitis(MASH)をはじめとする脂肪性肝疾患(Steatotic Liver Disease:SLD)の日本語病名を決定した(関連リンク)。MASLDの…2024/08/23消化器
JGH Open誌からALT 30 IU/L超、MASLD拾い上げ基準として有用2023年の奈良宣言を受けた岐阜大学の横断研究 岐阜大学で行われた横断研究から、ALT値がMASLD(metabolic dysfunction-associated steatotic liver disease)を効率よく拾い上げるための有用な手段となることが示された。結果は6月17日、An open access Journal of Gastroenterology and Hepatology(JGH Open)誌オンライン版に掲載された。…2024/08/23消化器
医師8703人に聞いた「肝線維化スコアリング指標FIB-4 indexの使用実態」肝線維化スコアリング指標のFIB-4 index、「知らない」が半数を超える 日本国内の患者数は約3000万人とも推計される脂肪肝。肝線維化が進行すると肝硬変や肝癌に至る可能性があるため、適切な評価が欠かせない。肝線維化を簡便に予測できる指標としては、FIB-4 indexが挙げられる。AST、ALT、血小板数、年齢の4項目を組み合わせて計算可能で、「NAFLD/NASH診療ガイド…2024/08/22消化器
JAMA Neurology誌から便移植でパーキンソン病患者の症状改善見られずフィンランドのランダム化比較試験でプラセボ群と有意差なし フィンランドHelsinki大学病院のFilip Scheperjans氏らは、パーキンソン病(PD)患者を対象に、ドナー便を用いた便細菌叢移植(FMT)の安全性と有効性を評価する臨床試験を行い、腸内細菌叢の変化は誘導できたが、統一パーキンソン病評価スケール(UPDRS)のスコア変化は有意ではなかったと報告し…2024/08/20精神・神経
潰瘍性大腸炎に効く漢方(2)潰瘍性大腸炎によく見られる証と漢方処方 前回の症例1に引き続き、潰瘍性大腸炎によく見られる証と漢方処方について、症例と共に解説します。 便に血が混じることがあります。食欲はあまりなく、疲れやすく、おなかが冷えます。疲れると、よく口内炎ができます。夕方になると微熱が出ることがあります。舌は淡紅色です。 この患者さん…2024/08/19東洋医学
直観的診断ばかりにとらわれず鑑別しきるには? 1年目初期研修医と指導医の2人が、その日に出会った患者さんを通じて、明日からの診断力アップにつながる診断のポイントを対話形式で紹介していきます。今回は、「いつもと様子が違う」と家族に指摘されて受診した70歳女性の症例です。…2024/08/16医師のキャリア医師・医学生限定コンテンツ
潰瘍性大腸炎に効く漢方(1)潰瘍性大腸炎の考え方と漢方処方 潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に炎症が生じて下痢や血便などの症状が表れる疾患です。炎症が直腸だけに見られるものから、炎症が大腸全体に広がっているものまであります。再発しやすく、多くの場合、症状が強く表れる活動期と、症状が落ち着いている寛解期とを繰り返します。近年、増加傾向にある…2024/08/16東洋医学
研修医が責任を問われた事例も、腹痛への対応を巡る裁判のポイント 6月17日に名古屋第二日赤病院に救急搬送された16歳の男性が上腸間膜動脈(SMA)症候群により亡くなったとの報道がありました。各種メディアでは、本件に対応した研修医がSMA症候群に気付かず、急性胃腸炎と「誤診」したことが取り沙汰されました。この件は医療機関が医療事故調査を行い、その検証…2024/08/15消化器
NEWS◎2024年度改定で病変検出支援プログラムに加算8月からエルピクセル製の大腸内視鏡診断支援AIが3製品目の加算対象に 6月に施行された2024年度診療報酬改定で、内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術を行った場合に「病変検出支援プログラム加算(60点)」が追加されたことを受け、対応製品が相次いで登場している。改定の6月には大腸内視鏡診断支援AIシステムとしてオリンパス(東京都八王子市)の「EndoBRAIN-EYE(エ…2024/08/13消化器
慢性便秘症治療薬◇第4回調査慢性便秘症治療薬は酸化マグネシウムが依然として一番人気1位は酸化マグネシウム、2位はエロビキシバット、3位はルビプロストン 日経メディカル Onlineの医師会員を対象に、慢性便秘症治療薬のうち最も処方頻度の高いものを聞いたところ、51.8%の医師が酸化マグネシウム(商品名酸化マグネシウム、重質酸化マグネシウム他)と回答した。 第2位のエロビキシバット水和物(グーフィス)は14.0%、第3位のルビプロストン(アミ…2024/08/10消化器
【新薬】精製Vi多糖体腸チフスワクチン(タイフィムブイアイ)2歳以上が対象の腸チフスワクチン、筋肉内・皮下に接種 2024年6月24日、細菌ワクチン類精製Vi多糖体腸チフスワクチン(商品名タイフィムブイアイ注シリンジ)の製造販売が承認された。適応は「腸チフスの予防」、用法用量は「1回0.5mL(1シリンジ)を注射する。通常、筋肉内に接種するが、皮下にも接種可能」となっている。 腸チフスは、非常に強毒か…2024/08/09感染症
eBioMedicine誌から放射線治療での消化管毒性、腸内細菌叢の組成が関連 イタリアMilano国立癌センターのJacopo Iacovacci氏らは、放射線治療を受けた前立腺癌患者に起こりやすい消化管毒性(直腸炎、下痢、直腸出血、腹痛など)と、患者の腸内細菌叢の関連について調べ、治療開始前の腸内細菌叢分析により消化管毒性リスクを層別化するための臨床意思決定ツリーを作成…2024/08/08癌
Am J Gastroenterol誌から食料不安がある低所得世帯の青少年はMASLDリスクが高い米国で12~18歳を対象に解析 米国の12~18歳の青少年を対象に、社会経済的要因およびMASLD(metabolic dysfunction-associated steatotic liver disease)との関連を探る横断研究が行われ、食料不安がある低所得世帯の青少年はMASLDのリスクが3倍に上ることが示唆された。結果は、The American journal of gastroenterology誌…2024/07/25消化器
学会トピック◎第60回日本肝臓学会総会Fontan術後肝合併症の診療手引き作成に向け、診断基準案が示される Fontan術後肝合併症(Fontan-associated liver disease[FALD])の日本版診療の手引き作成に向けた議論が進んでいる。第60回日本肝臓学会総会(6月13~14日、開催地:熊本市)の日本肝臓学会・日本成人先天性心疾患学会・日本小児循環器学会合同シンポジウムで、国立国際医療研究センター肝炎・…2024/07/24消化器
Open Forum Infectious Diseases誌から知られざる「縦隔炎」の致死率縦隔炎あるいは縦隔洞炎(mediastinitis)というのは、肺と心臓に挟まれた縦隔領域に軟部組織炎を起こす病態であり、抗菌薬到達と菌ドレナージが不良になるため、基本的に予後不良とされています。縦隔炎は、膿胸や壊死性筋膜炎のように、ドレナージ経路を作ることで予後の改善が見込まれる感染症で…2024/07/22呼吸器
2024年7月19日号一歩進んだ直腸癌の臓器機能温存 便失禁を減らす!あの手この手 直腸癌の治療後、患者のQOLを大きく低下させるのが、ストーマ(人工肛門)造設や重度の排便障害です。最近、それらを回避するため、術前に強力な化学療法と放射線療法を行うTotal NeoadjuvantTherapy(TNT)やロボット支援手術など、様々な低侵襲の治療が試みられています。また、直腸癌手術後の…2024/07/19癌
よりぬきメディクイズ●腹部X線◎2016年8月号掲載45歳男性。消炎鎮痛薬無効の発熱、右腰痛、右大腿前面痛 Cadetto.jpの医師会員の皆様に、『日経メディカル』読者に高い評価を得た「日経メディクイズ」を厳選して紹介します。今回のクイズは『日経メディカル』2016年8月号に掲載された腹部X線のクイズです。 患者は45歳男性。2週間前に右腰痛と鼠径部痛を主訴に前医を受診。消炎鎮痛薬と筋弛緩薬を処…2024/07/19消化器医師・医学生限定コンテンツ
180.日経メディカル 聴く論文(2024.07.16-07.19)運動・リラグルチド併用は減量と骨密度維持に役立つ 他 2024年7月19日に公開したポッドキャスト配信「日経メディカル 聴く論文」のアーカイブです。ご興味のある方は是非ご登録ください。2024/07/19代謝・内分泌
学会トピック◎第60回日本肝臓学会総会ICIによる肝障害、リスク因子は治療開始時のALTや好酸球数高値などと報告 現在、国内では8剤が承認され、様々な癌種の治療選択肢として広がっている免疫チェックポイント阻害薬(ICI)。同薬の投与で生じる免疫関連有害事象(irAE)への対応は重要性が増している。中でもICIによる肝障害は発症率が高く、その発生を予想するリスク因子の同定が課題となっている。 岡山大…2024/07/18消化器
インタビュー◎帝京大学ちば総合医療センター外科教授の幸田圭史氏に聞く今秋改訂予定の「便失禁診療ガイドライン2024年版」のポイントは 2024年10月、7年ぶりに「便失禁診療ガイドライン」(日本大腸肛門病学会)が改訂される。便失禁は、高齢や肥満などの身体的条件や、糖尿病、過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(IBD)といった併存疾患が発症リスクとなる。また、直腸癌の肛門温存術後にも、低位前方切除術後症候群(LARS)と呼…2024/07/17消化器
JAMA Internal Medicine誌から薬剤性急性肝障害が高リスクの薬はどれ?米国の退役軍人局の処方データに基づくランキング 米国Pennsylvania大学のJessie Torgersen氏らは、退役軍人局(VA)の医療データベースを利用して、リアルワールドの処方データに基づく薬剤性の急性肝障害(ALI)の発症率を推定し、薬剤別のALI発症率は従来の症例報告数に基づくリスク分類と異なっていたと報告した。結果は2024年6月24日のJAMA I…2024/07/17消化器
学会トピック◎第49回日本外科系連合学会学術集会直腸癌の術前化学放射線療法、完全奏効には適切な症例選びがカギ 下部進行直腸癌に対し、国内の専門医療機関では、直腸切除術(直腸間膜全切除または部分切除+側方郭清)が標準治療とされ、術前に行う化学放射線療法に関しては、2024年7月に改訂された「大腸癌治療ガイドライン医師用2024年版」(大腸癌研究会編)でも「弱い推奨」である。従来の術前化学放射線…2024/07/16消化器
【新薬】ゾルベツキシマブ(ビロイ)HER2陰性・CLDN18.2陽性の胃癌に抗体薬 2024年6月12日、抗悪性腫瘍薬ゾルベツキシマブ(遺伝子組換え)(商品名ビロイ点滴静注用100mg)が発売された。同薬は3月26日に製造販売が承認され、5月22日に薬価収載されていた。適応は「CLDN18.2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃癌」、用法用量は「他の抗悪性腫瘍薬との併用において、成人…2024/07/12癌
NEJM誌からICUでの侵襲的換気患者、PPIの利益と害は?死亡リスクには影響せず上部消化管出血リスクは減少 カナダMcMaster大学のDeborah Cook氏らは、集中治療室(ICU)で侵襲的換気を受けている重症患者に、ストレス潰瘍予防目的でプロトンポンプ阻害薬(PPI)のpantoprazoleを投与することの利益と害を確認するためのランダム化比較試験を行い、pantoprazoleはプラセボに比べ90日後までの総死亡率に差…2024/07/10救急医療・集中治療
どこかで起きていてもおかしくないエラー症例(Case No.37)後医は名医? 始めは急性腸炎と診断されていたが…症例は71歳女性です。39℃台の発熱と嘔吐のため近医を受診。白血球高値、血小板減少、肝逸脱酵素上昇、CRP高値で、腹部単純CTにより小腸壁肥厚の所見を認めたことから腸炎の診断で入院に。治療を続けるも症状改善が乏しく第7病日に救急病院に転院。その後も発熱が持続し、原因精査加療目的で第13病…2024/07/10消化器
第7回これもアミオダロンが原因? 気付かれにくい副作用6選 アミオダロンの副作用についてはこれまで、頻度の高い肺毒性(関連記事:注意すべき「アミオダロンの肺毒性」を防ぐには)、甲状腺障害(関連記事:アミオダロンは「甲状腺」抜きでは語れない)、肝障害(関連記事:アミオダロンによる肝障害、どこまで許容する?)の3つについて述べてきた。 こ…2024/07/09循環器
我々はSMA症候群を疑えるようスキルアップするしかない腹部単純X線写真の「異常」はどこか まずはこの腹部単純X線写真をご覧ください(写真1)。10歳代のやせ形の女性が、主に食事後に出現する腹痛と嘔吐を訴えて外来受診した際に撮影したものです。この写真が「異常」であることが分かるでしょうか。 日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院で、上腸間膜動脈(SMA)症候群に関連し…2024/07/01消化器
非肥満体型のMASLD患者は骨密度低下に注意 2023年に従来の非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)に替わって定義されたMASLD(metabolic dysfunction-associated steatotic liver disease)患者の健康診断データを解析したところ、非肥満体型の方が骨密度低下リスクが高いことが分かった。名古屋大学医学部附属病院消化器内科助教の横山晋也…2024/06/25消化器
学会トピック◎第49回日本外科系連合学会学術集会直腸癌のロボット支援下手術、より進行例で有用な可能性 上部・下部消化管、肝胆膵など様々な領域で、精緻な手術操作が可能なロボット支援下手術(以下、ロボット手術)の保険適用が進んでいる。6月6~7日に東京都新宿区で開催された第49回日本外科系連合学会学術集会のシンポジウム「大腸癌に対するロボット手術の現況と将来展望」では、直腸癌に対する…2024/06/25消化器
造影しないと分からない胆管挿入困難例はこれだ 皆さん、こんにちは。本コラムではちょっとした気付きから、ローテクな方法を用いて診療を見直すことができる症例をご紹介しています。今回のテーマは内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP:endoscopic retrograde cholangiopancreatography)です。「どこがローテクだ」と思った方もいらっしゃるで…2024/06/20消化器
Am J Gastroenterol誌から小さな十二指腸腫瘍、内視鏡的切除術の選択は重視すべきは「完全切除」か「手術時間と出血量」か 表在性非乳頭部十二指腸上皮腫瘍(Superficial non-ampullary duodenal epithelial tumor:SNADET)の内視鏡的切除術として、浸水下内視鏡的粘膜切除術(underwater endoscopic mucosal resection:UEMR)とコールドスネアポリペクトミー(cold snare polypectomy:CSP)を比較した臨床試験の結果…2024/06/20消化器
【緊急寄稿】研修医を守らねばならない名古屋第二日赤の“誤診報道”、SMA症候群を救急外来で診断する必要はない 6月18日の朝刊を読んで目を疑い、渦中の日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院(以下「名古屋第二日赤病院」)のウェブサイトに掲載されている報告書(同院ウェブサイト)を読んでその「疑い」は「怒り」へと変わった。「上腸間膜動脈(SMA)症候群を救急外来で研修医が誤診して、それが理…2024/06/20救急医療・集中治療
学会トピック◎第60回日本肝臓学会総会FIB-4 indexを用いた肝癌ハイリスク患者拾い上げ、熊本市で開始熊本大学消化器内科学講座が熊本市医師会と「脂肪肝からの肝がん予防・早期診断に向けたパートナーシップ」を構築 2024年6月14日、熊本大学消化器内科学講座は熊本市医師会と「脂肪肝からの肝がん予防・早期診断に向けたパートナーシップ構築」に関する共同宣言式を開催した。パートナーシップ構築によって、肝線維化を評価するスコアリング指標であるFIB-4 indexを用いて肝癌リスクの高い患者を拾い上げ、適切…2024/06/17消化器
肝臓手術の前日になぜ下剤を使用するの?肝臓の手術(肝切除術など)を受ける患者さんが、前日に下剤(マグコロール)を内服するのはなぜですか? 術野に影響を与えないと思われ、肝臓を切除し消化経路が遮断されるためかなどと考えましたが、調べても明確な答えが見つかりません。肝臓の手術を行う前日に下剤を内服する理由を教えてくだ…2024/06/03看護師
どこかで起きていてもおかしくないエラー症例(Case No.36)胃腸炎様症状の発作を繰り返す若い女性患者中心の診断プロセスで明らかになった「胃腸炎」の正体優れた診断とは、癒やしや安心を求める患者のニーズを第一に考えることであり、そのためには時間をかけて患者さんを確実にフォローすることが必要といわれています。今回は原因不明の胃腸炎様症状の発作を繰り返す若年女性に対して、患者さんをDiagnostic Excellenceな診断プロセスに適切に巻き込み…2024/06/03消化器
外用痔治療薬◇第6回調査外用痔治療薬、大腸菌死菌・ヒドロコルチゾン支持が6割超2位はトリベノシド・リドカイン、3位はヒドロコルチゾン・フラジオマイシン配合剤 日経メディカル Onlineの医師会員を対象に、外用痔治療薬のうち最も処方頻度の高いものを聞いたところ、64.9%の医師が大腸菌死菌・ヒドロコルチゾン(商品名:強力ポステリザン他)と回答した。 第2位のトリベノシド・リドカイン(ボラザG)は15.8%、第3位のヒドロコルチゾン・フラジオマイシ…2024/06/01消化器