Nature Medicine誌よりSARS-CoV-2 mRNAワクチン接種は、長寿命形質細胞を効率的に誘導しない 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)mRNAワクチンは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症化予防への有効性が示されている。しかし、ワクチンの接種後に特異的な形質細胞(plasma cells)が骨髄内に認められるにもかかわらず、抗体は急速に減少する。本研究では、このパラドックスを解明す…2024/11/29感染症
BMC Infectious Diseases誌からCOVID-19は大学生でも心血管系に長期的な悪影響を及ぼす 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が心血管系に悪影響を及ぼすことは知られているが、大学生のような若年層においてその影響がどの程度持続するかは不明である。本研究では、COVID-19に罹患してから2カ月以上が経過した大学生(18~25歳)37人を対象とし、内皮機能と動脈硬化、血圧に対するCO…2024/09/20感染症
Nature Medicine誌からコロナ後遺症リスクは感染から3年後も残存 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染は、多くの臓器系に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の急性期後後遺症(PASC:post-acute sequelae of coronavirus disease 2019)を引き起こすが、これらの後遺症のリスクに関する長期の追跡調査のデータは限られている。本研究では、SARS-CoV-2の感…2024/07/26感染症
Scientific Reports誌から呼気SARS-CoV-2エアロゾルは数分で室内感染させ得る 呼気中の、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を含むエアロゾルは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の急速かつ大規模な伝播をもたらした。しかし、このようなエアロゾルの感染力に関する定量的な実験データは不足している。本研究では、COVID-19患者の呼気エアロゾルを採取して感染性ウイル…2024/05/15感染症
PLoS Medicine誌から学校でのマスク着用で新型コロナ感染リスク低下 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染拡大には、エアロゾルと呼ばれる小さな粒子を介した感染が重要な役割を果たしているとのエビデンスが増えつつある。しかし、SARS-CoV-2感染に学校の生徒がどのように寄与しているかは不明なままである。本論文では、呼吸器感染症への感染と学校での感染対…2023/09/22感染症
Nature Medicine誌から新型コロナ再感染で死亡・後遺症リスクが増加 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の初感染は、肺を含む様々な臓器系における急性期および急性期後の死亡や後遺症のリスク上昇につながることを示す多くのエビデンスがある。世界中の多くの人々がSARS-CoV-2に再感染しているが、これまでの再感染に関する疫学研究は、再感染に至るリスクの調査や…2023/02/03感染症
PNAS誌より呼気中のエアロゾル、高強度の運動で大幅に増加 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のような空気中を浮遊する病原体の多くは、屋内でエアロゾル粒子を介して感染する。肺の換気は運動中、10倍以上に増加するため、運動者はエアロゾルを含んだ呼気を大量に吐き出すことになる。しかし、運動が呼気中のエアロゾルの濃度や放出量にどのような影響を…2022/08/26感染症
PNAS誌より地域でのマスク着用がSARS-CoV-2感染を減らす 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するマスク着用の有効性についての相反する結果を解決した、意義ある論文が発表された。これまでの多くの研究はマスク着用義務に注目していたが、本研究はマスク着用そのものの効果を直接的に調べた。その結果、地域社会でのマスク着用は新型コロナウイ…2022/07/20感染症
SCIENCE TRANSLATIONAL MEDICINE誌よりワクチンが変異型コロナウイルスにも有効な機序を考える これまでにいくつかの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン開発が成功し、ワクチン接種が進んだ地域で罹患率と死亡率が大幅に減少した。しかし、ワクチンによって誘導される中和抗体を回避するウイルス変異株の出現に伴い、実際のワクチン効果は、承認された2つのmRNAワクチン(BNT162…2022/04/20感染症
Nature Medicine誌からCOVID-19ワクチン接種後の心筋炎リスク、COVID-19感染例と比べると?新型コロナウイルス(COVID-19)ワクチンの臨床試験では、心筋炎と心膜炎は有害事象として観察されなかったが、一般の人々を対象にワクチンを接種したところ、心筋炎、心膜炎の疑い症例が多数報告されている。2020年12月1日から2021年8月24日までの間に英国でCOVID-19のワクチン接種を受けた16歳以…2021/12/28感染症
Emerging Microbes & Infections誌からCOVID-19回復者の血清はオミクロンに対して中和活性が減弱 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の「懸念すべき変異株(VOC)」であるオミクロン株の疑似ウイルス(偽ウイルス)を使った実験で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)から回復した人の血清は、これまでのアルファ株、ベータ株、ガンマ株、デルタ株に対する中和活性に比べてオミクロン株に対す…2021/12/22感染症
ワクチンを接種したのに入院したCOVID-19患者の特徴─イスラエルからClinical Microbiology and Infection誌より 新型コロナウイルスワクチンは、症候性の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)およびそれによる入院、重症化、死亡に対して高い予防効果を示している。にもかかわらず、ワクチン接種者の中に少数ではあるが新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染し、重篤化する可能性がある。ワクチン接種後の…2021/09/06感染症
腎移植・透析患者のBNT162bワクチンへの反応性は低いScience Immunology誌より腎不全患者はSARS-CoV-2感染のリスクが高く、効果的なワクチン接種が必要とされている。透析患者(DP)や腎移植患者(KTR)において、mRNAワクチンが健常対照者と比較して、どの程度B細胞や形質細胞の反応を誘導するかは明らかになっていない。…2021/09/01腎・泌尿器
角膜共焦点顕微鏡で見るLong-COVID例の角膜神経線維の減少British Journal of Ophthalmology誌よりLong-COVIDは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染から回復した人の少なくとも10%が発症するとされる、消耗性の様々な症状を特徴とする後遺症だ。本研究は、Long-COVID患者の角膜下層神経叢の形態と樹状細胞(DC)密度を定量化して報告したものである。…2021/08/26感染症
中和抗体の産生遅延はCOVID-19の死亡率と相関Nature Medicine誌より最近の研究で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)における自然免疫と獲得免疫の動態に関する知見が徐々に明らかになってきた。しかし、COVID-19の転帰に関わる抗体反応の正確な特徴はまだ不明である。本報告は、無症候性、軽症、中等症、重症の各COVID-19患者226人の液性免疫反応を経時的に解析…2021/08/02感染症
COVID-19患者における多様な自己抗体Nature誌より新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する液性免疫は、一方で中和抗体として感染から防御するために働くが、もう一方でCOVID-19患者において自己免疫疾患における自己抗体のような自己抗体活性が検出されたという報告が相次いでいる。こうした自己抗体が病態の進行に与える影響についてはあまり明…2021/07/15感染症
SARS-CoV-2に対するmRNAワクチン接種後の死亡例の検討Legal Medicine誌より ドイツでは2020年12月27日から、ドイツBioNTech社/米Pfizer社のmRNAワクチン(BNT162b、製品名コミナティ)の接種が始まっている。ドイツにあるワクチンおよび生物製剤に関する連邦研究所には、2021年3月12日時点で、ワクチンを接種して1時間から40日の間で死亡したドイツ人286例の情報が登録され…2021/07/07感染症
COVID-19 mRNAワクチン接種後の心筋炎Vaccine誌よりBNT162b2ワクチン接種後早期に起きた6例の心筋炎に関するイスラエルからの報告である。イスラエルでは、2回投与BNT162b2ワクチン接種プログラムの全国展開が2020年12月に開始され、16歳以上の人が対象となった。…2021/06/09感染症
COVID-19急性期後の後遺症に関する検討Nature誌より米国退役軍人省の電子医療データベースを活用して、COVID-19と診断された後、少なくとも30日間を生き延びた人における6カ月間に発生した後遺症について、診断、薬物治療内容、検査値異常などの観点から検討した結果を報告したものである。…2021/05/27感染症
mRNAワクチン接種後、数分以内に起こったIII度高血圧の症例報告Hypertension誌よりIII度高血圧とは、収縮期血圧が180mmHg以上、かつ/または、拡張期血圧が110mmHg以上である。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチンの接種後数分以内にIII度高血圧が認められた9例の報告である。…2021/05/20感染症
地域の新型コロナウイルスのほとんどは2%の無症状陽性者が保有するPNAS誌より米国の2020年秋における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック対策のデータを分析した報告である。米コロラド大学の寄宿舎の居住者を対象に7万2500件以上の唾液サンプルを、qRT-PCR(定量的RT-PCR)を用いて検査したデータを検討した。すべてのサンプルは、採取日にCOVID-19に関連する…2021/05/19感染症
日本人におけるSARS-CoV-2抗体価の変動は?EClinicalMedicine誌より新規ウイルス病原体に対する効果的なワクチンを開発するには、最初の感染に対する抗体反応の推移を理解することが重要である。2021/04/07感染症
Cli Infect Dis誌米国医療従事者のCOVID-19 ワクチン接種に対する意向調査医療従事者の職種、臨床・非臨床で差あり 米国医療従事者のCOVID-19 ワクチン接種に対する意向を評価した結果が、Cli Infect Dis誌電子版に1月25日掲載された。COVID-19 のワクチン接種に対する姿勢は、医療従事者の病院における役割によって異なり、最も高い受け入れの意向を示したのは医師と研究者・科学者だった。…2021/03/04感染症
Clin Infect Dis誌COVID-19患者の静脈血栓塞栓症リスクはインフルエンザ患者と大差なしデンマークのレジストリ研究 SARS-CoV-2検査の陽性者における静脈血栓塞栓症(VTE)と大出血について、デンマークの全国民が登録するレジストリを調査し、発生リスクをSARS-CoV-2陰性者やインフルエンザ患者コホートと比較検討した。検査から30日以内の陽性者のVTEリスクは0.4%で、陰性者や過去のインフルエンザ患者と大差な…2021/01/26感染症
新型コロナウイルスに対する抗体産生は持続する?Science Immunology誌よりSARS-CoV-2に感染した北米の343例(93%が入院を必要とした)における症状発現後122日までのSARS-CoV-2のスパイク(S)蛋白質の受容体結合ドメイン(RBD)に対する血漿、血清抗体反応を、COVID-19パンデミック前に血液サンプルを採取した1548人の血漿、血清反応と比較した報告である。…2021/01/20感染症
Clin Infect Dis誌黄色ブドウ球菌による皮膚感染、米国3拠点での発生数は長期横ばいデータベースを使った後ろ向き研究 米国3都市の医療機関で記録された、黄色ブドウ球菌による皮膚・軟部組織感染の発生数は、長期にわたり変動が少なく、基礎疾患のない症例が多かった。感染者のうち、少なくとも6人に1人が初発イベントから1年以内に再発が認められた。この結果は、Clin Infect Dis誌11月17日号に掲載された。…2020/12/28感染症医師限定コンテンツ
Clin Infect Dis誌SARS-CoV-2の感染封じ込め策で他の呼吸器系ウイルスの伝播が低減米国2大都市で非薬剤的介入の効果を検証自宅待機令、学校や小売店の閉鎖、公共の場でのマスク着用、ソーシャルディスタンスや手指衛生といった非薬剤的介入(NPI:non-pharmaceutical intervention)の効果を検討するため、米国の2大都市における呼吸器系感染症の発生状況を今シーズンと過去のシーズンで比較したところ、新型コロナウイル…2020/11/25感染症
季節性コロナウイルスの防御免疫は持続しないNature Medicine誌より新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックにおける未解決の問題の1つは獲得免疫の持続期間である。4つの季節性ヒトコロナウイルスによる感染からの洞察は、すべてのヒトコロナウイルスに適用可能な共通の特徴を明らかにする可能性がある。健康な個人を35年以上追跡し、同じ季節性コロナ…2020/10/30感染症
抗菌薬ピラジナミド耐性と喀痰培養陰性化の関係多剤耐性結核患者の治療・隔離期間の短縮化に有用な検査法とは?Clin Infect Dis誌多剤耐性結核(MDR-TB)患者において、ピラジナミド(PZA)耐性の有無を早期に把握する方法として、表現型ではなく遺伝子型の薬剤感受性試験(DST)と、最小発育阻止濃度の測定試験(MIC)と組み合わせることを提案し、喀痰培養陰性化までの時間や治療転帰との関連を検討した。その結果、遺伝子型の…2020/10/23感染症
Clin Infect Dis誌香港33歳男性の新型コロナ2回目エピソードは「再感染」が濃厚遺伝子系統樹を含む各種分析結果より 2020年3月に新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染と回復を経験した香港在住の男性で、その後、8月に欧州渡航から戻った際の空港PCR検査でCOVID-19陽性が判明した症例の臨床経過とウイルス遺伝子検査を含む詳細な分析結果が、Clin Infect Dis誌電子版で8月25日に発表された。著者は、本症例の2回…2020/09/26感染症
COVID-19は古典的な免疫応答分類に疑問を投げかけるNature誌より重症新型コロナウイルス感染症(COVID-19)例の免疫反応の推移を検討した報告が、Nature誌7月27日号に掲載された2020/09/10感染症
COVID-19死亡率はACE1の遺伝子型と強く相関Gene誌より SARS-CoV-2によるCOVID-19パンデミックの顕著な特徴の一つは、特定の地域や民族に顕著な影響を与えていることである。特にヨーロッパでは、最初にウイルスが出現した東アジアと比較して、SARS-CoV-2は高い罹患率と死亡率をもたらした。これは,過去のインフルエンザ、SARS、MERSなどの世界的なウ…2020/08/24感染症
HPV16/18型ワクチンを接種した中国人女性を対象とした分析結果膣感染症とnonHPV16/18持続感染に関連性なしJ Infect Dis誌 HPV16/18型ワクチンの治験参加者のデータを利用して、細菌性膣症などの一般的な膣感染症が16型・18型以外のヒトパピローマウイルス(HPV)感染やその持続に与える影響について検討したところ、膣感染症とワクチン対象ではない型のHPV(non-HPV)感染の6カ月持続の間に有意な関連は認められなかっ…2020/07/21感染症
経口抗凝固薬を処方された心房細動患者を対象にしたコホート研究S.aureus菌血症はダビガトランのほうがXa阻害薬よりも少ない可能性Clin Infect Dis誌 Staphylococcus aureus(黄色ブドウ球菌、S.aureus)感染による菌血症を扱うデータベースを利用して、非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬(NOAC、直接経口抗凝固薬=DOACともいう)を処方した心房細動患者におけるS.aureus菌血症(以下、SAB)の発生率について、ダビガトランと活性化血液凝固第X因子(X…2020/06/23感染症
J Hosp Infect誌高齢肺炎治療時のC.difficile感染症リスクが低いのはペニシリン系+βラクタマーゼ阻害薬急性肺炎の高齢入院患者を対象にした観察研究 急性肺炎で入院した高齢患者をClostridioides(Clostridium)difficile感染の有無でケース群とコントロール群に分け、再入院率や死亡率を比較したところ、C.difficile感染症(以下、CDI)が発生した患者の方が予後不良だった。また各群への抗菌薬の投薬状況から、ペニシリン系薬+βラクタマーゼ…2020/06/02感染症