日本のがん治療を本で学ぶ

丸山ワクチンを使った治療を試みようとすると どんな問題が発生するのか それをどのように解決すればいいのかを 前回お話ししました。

皆さんからの質問は 「丸山ワクチンを手にいれるには どうすればいいのか?」というのですから 前回書いた回答で間違ってはいないと思うのですが、なにかもう一つ 肝心なことが 抜けているような気がして すっきりしません。

そこで いろいろ考えたのですが 「日本のがん治療の現在の実態」を判っていないと 私の話は 理解できないのだ、ということに気づきました。 
丸山ワクチンを使う治療を選ぶのはいいのですが 丸山ワクチンを使う治療は がん治療の 応用編ですから まずは がん治療の基礎編、「日本のがん治療の常識」を学ばなければなりません。
「日本のがん治療の常識」は 本、インターネット、などで学ぶことができますから まず 本を 五、六冊読んでください。

「本」 は大きく分けて 三種類の著者によって書かれています。

第一は 専門のお医者さんによって書かれた本です。

これはまた二つに分かれ 抗がん剤の専門家によって書かれたものと 放射線の専門家によって書かれたものがあります。
抗がん剤の専門家(内科医)と 放射線の専門医は 外科のがん手術医がいかに無意味な手術をしているのかを 告発しています。
勿論 大部分の手術は 必要があるのでしょうが 不必要な手術もかなりあるようなのです。
「いい加減にしろ、そんな手術はするな。このがんだったら 手術より 抗がん剤治療か
放射線治療のほうが 有効だから こちらに任せろ。」と 抗がん剤の専門医と放射線の門医が 病院のなかで 外科のお医者さんに文句を言っても 外科のお医者さんのほうが 病院内では パワーがあるから 気にもしないで 相変わらず どんどん手術をしているようなのです。
抗がん剤の専門家(内科)や放射線の専門家は 病院内では人数も少ないし パワーがないので 自分たちの主張が通らないから 頭にきて 外部に訴えるしかありません。
それで 本を書きます。 
そんなわけで 抗がん剤の専門家と 放射線の専門家が 書いた本を読むことは出来るのですが 外科の専門家の 本を見ることはありません。
外科の専門家は 本など書かなくても 手術の患者はたくさんいるのです。 
 
それだけなら 判りやすいのですが 抗がん剤専門医(内科医)は放射線治療を 放射線専門医は 抗がん剤治療の問題点を それぞれに厳しく非難していますから 読んでいる私たちは 何がなにやらわからなくなります。

がんの治療は とても長い年月 外科手術が 唯一の確実な治療法として認められていて 抗がん剤や放射線治療などは 外科手術の補助を担う程度の治療だという考え方が 病院や お医者さんにありました。
しかし外科手術の限界が明らかになり 抗がん剤や放射線治療のほうが成績のよいケースのあることもはっきりし始めて来ているのに まだ外科手術中心主義がどの病院にもあるのは問題だというのは そのとおりだとおもいます。
しかし 抗がん剤治療にも 放射線治療にも それぞれに大きな問題点があることも 判りますから まずは読んでください。
がん治療には これが王道といったものはないのです。
それぞれのお医者さんが 自分の貧しい経験をベースにして 治療計画を立ててくれているので それが最善だとは とても言えないのですが 今は ほかに方法はないのです。
したがって 治療計画をお医者さんに任せてしまうのは 極めて危険だと 思うべきでしょう。
それだから セカンドオピニオンを求めることが 許容されているのです。
ということは 「結果の責任は 患者側にありますよ。」と病院や医者に言われているのです。 
「素人に 責任を押し付けるなんて ずいぶんじゃないか?」とは思うのですが 自分で勉強して 病院やお医者さんのがん治療計画を 承認するのか しないのかを 決めなければなりません。
ですから 「日本のがん治療の常識」を患者が知っておかなければならないのです。
さあー、それでは本を読んで 勉強を始めましょう。

専門のお医者さんの書いた本で 私のお勧めを ここにあげます。

患者よ、がんと闘うな (文春文庫)

患者よ、がんと闘うな (文春文庫)

なぜ、ぼくはがん治療医になったのか

なぜ、ぼくはがん治療医になったのか

がんになったらすぐ読む本 (朝日文庫)

がんになったらすぐ読む本 (朝日文庫)

最良のがん治療 道案内 より適正な判断を導くためのヒント集

最良のがん治療 道案内 より適正な判断を導くためのヒント集

抗癌剤―知らずに亡くなる年間30万人 (祥伝社新書 (001))

抗癌剤―知らずに亡くなる年間30万人 (祥伝社新書 (001))

がんをどう考えるか―放射線治療医からの提言 (新潮新書)

がんをどう考えるか―放射線治療医からの提言 (新潮新書)


第二は 医療ジャーナリストによって書かれた本です。
 
取材をした専門医の影響を受けていますが ジャーナリストが書いているので 比較的公平な立場で問題点を指摘していますから 参考になります。

希望のがん治療 (集英社新書)

希望のがん治療 (集英社新書)


第三は 患者が書いた本です。

普通の人の書いた本だと がん患者になって気付いた 家族への愛とか 感謝とか 生きる意味とかという話になります。
それはそれで 意味のある本ですが がん治療の勉強という目的にはあいませんから そういう本はパスします。
しかし がんになったお医者さん、 がんになったジャーナリストが書いた本は がん治療の実態を報告するドキュメンタリーですから 参考になります。

百万回の永訣―がん再発日記

百万回の永訣―がん再発日記

がん六回 人生全快 (講談社文庫)

がん六回 人生全快 (講談社文庫)

医者が癌にかかったとき (文春文庫)

医者が癌にかかったとき (文春文庫)

臨床瑣談

臨床瑣談


ニュートリノ観測で ノーベル賞を確実視されていた物理学者が最期の11ヵ月に綴った観察の記録は 医者ではないけれど 科学者の記録として 参考になります

がんと闘った科学者の記録

がんと闘った科学者の記録


最後に がん治療を 別の角度から考えているお医者さんの本もご紹介しておきます。

ガン医療のスキマ30の可能性―大病院はなぜか教えてくれない

ガン医療のスキマ30の可能性―大病院はなぜか教えてくれない


本屋に行けば がんに関する本は他にも たくさん出ていますから 私がここにあげた本でなくても 良い本があります。
何冊かの本を読んで 「日本のがん治療の常識、実態」を頭に入れて がん治療の基礎編を マスターしてください。 
そうすれば 応用編の「丸山ワクチンによるがん治療」の理解が 容易にできるようになります。