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猫と“良き飼い主”をつなぐ「保護猫カフェ」の取り組み

駅義則・元時事通信記者
東京キャットガーディアンの保護猫カフェの大部屋=東京都豊島区で2017年3月6日、駅義則撮影
東京キャットガーディアンの保護猫カフェの大部屋=東京都豊島区で2017年3月6日、駅義則撮影

 「保護猫カフェ」という店がある。猫を集客に使う従来型の「猫カフェ」とは一線を画し、捨てられるなどして行き場を失った後に保護された猫の、飼い主探しを目的とする。この「保護猫カフェ」をめぐるエピソードを紹介する。

池袋マルイ最上階を“占拠”

 2月25~28日、東京・池袋にある百貨店「マルイ」最上階の7階のほぼ全スペースで、猫関連グッズの物販展が行われた。主催者で「保護猫カフェ」運営会社のネコリパブリック(2014年設立)は、会場の一角で猫と飼い主のお見合いイベント「譲渡会」を開いた。衛生面などに厳しい百貨店で譲渡会が開かれるのは非常に珍しい。

 この譲渡会は、気に入った猫がいれば「トライアル」として飼い主候補の自宅に一定期間お試しで滞在させ、相性を確認したうえで正式譲渡する。虐待や飼育放棄を避けるための飼い主審査もある。

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元時事通信記者

1965年、山口県生まれ。88年に時事通信社に入社。金融や電機・通信などの業界取材を担当した。2006年、米通信社ブルームバーグ・ニュースに移り、IT関連の記者・エディターなどを務めた。また、飼い主のいない猫の保護や不妊化にも携わっている。