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「1000円ランチ」女子高生をたたく日本人の貧困観

藤田孝典・NPO法人ほっとプラス理事
女子高生へのバッシングに抗議するため東京都内で開かれたデモ=JR新宿駅前で2016年8月27日、戸嶋誠司撮影
女子高生へのバッシングに抗議するため東京都内で開かれたデモ=JR新宿駅前で2016年8月27日、戸嶋誠司撮影

貧困バッシング(1)

 貧困について語り、NHKニュースで取り上げられた女子高生に対するバッシングが止まりません。ネットやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)には「貧困をたたいてるんじゃない、貧困のふりをしてることをたたいているんだ!」「映画やランチを楽しんでいるのに貧困? 支援? ふざけるな」「NHKは捏造(ねつぞう)をやめろ」といった声があふれています。

 18日放送のニュースで女子生徒は、母子家庭の経済事情で専門学校進学をあきらめたことを明かしました。

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NPO法人ほっとプラス理事

1982年生まれ。NPO法人ほっとプラス理事。ソーシャルワーカーとして現場で生活困窮者支援をしながら、生活保護や貧困問題への対策を積極的に提言している。著書に「貧困クライシス 国民総『最底辺』社会」(毎日新聞出版)「下流老人 一億総老後崩壊の衝撃」「ひとりも殺させない」「貧困世代 社会の監獄に閉じ込められた若者たち」など。