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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

骨法、サンボ…『闘翔ボーイ』(竜崎遼児)が全巻11円!80年代格闘技の最後のピース/Benjanetという電書出版社のセールらしい

※11円セールは2024年12月16日現在の話です。いつまで続くかは不明です


1巻1場面ずつ、切り取って紹介しましょう。

闘翔ボーイ


闘翔ボーイ


闘翔ボーイ


闘翔ボーイ


闘翔ボーイ


闘翔ボーイ


闘翔ボーイ


闘翔ボーイ


闘翔ボーイ


いまこうやって切り張りしてるだけで、懐かしいものがよみがえって万感せまる。
調べてみると、「少年サンデー」で1986年45号から1988年27号まで連載。そういえば作中に登場するのは「ソ連」だったよ。


当時の少年サンデーをある意味で象徴する「機動警察パトレイバー」は1988年(昭和63年)17号 - 1994年(平成6年)23号の連載で、ちょっと同期生だった時代もあったんだな。
格闘技漫画でいうと「帯をギュッとね!」「うっちゃれ五所瓦」も1988年の連載陣だった。サンデーなのに微妙に汗臭いラインナップでした(笑)


でだ、そんな1980年代中盤、後半の少年サンデーでそれなりに連載されていたのだから、メジャーリーグ選手じゃないですか。それが、1巻11円というセールに入ることはめったにないでしょ?

「あの当時」の空気感に触れるだけでも価値がある。

と同時にこの作品が重要なのは……要は「UWF」「シュートボクシング」等々を経てはいるが、まだ「UFC」も「K-1」もなかった、いわゆる”シュート革命前夜”の価値観、格闘技観が「冷凍保存」されている、ということだ。
そうでなきゃ、骨法にこれだけ破格の扱いがあるわけがない(爆笑)。

ホネを直せば万病治る。



サンボも実にどうにも、神秘かつ最強の格闘技扱いだ。

いや実際不思議なものなんだけど、これを真似っこしてるというレベルのささやかな「ガチンコ」を同世代の中学生レベルでやってると、その後実戦性に大きな「?」がついた骨法のワザマエが本当に使えたりしたのよ、当時(知らない相手への初見の技は決まる、とはまさにこういうことなんだろうな)。


この数年後、ペドロ・オタービオや和術慧舟會によって喧嘩芸骨法のステータスが大きく落ちたり、シュートボクシングやサンボの存在感もブラジリアン柔術やK-1によって下がったり、プロレス最強論も次々と現実によって否定されたり……
当事者のひとり中川カ~ル氏がnoteでつづっている「1985年の俺」やDropkick骨法記事も必読
note.com

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ただ、繰り返すが、そういう革命、現実が襲ってくる前の作品だからこそ描けた世界観がある。

それはなかなかに面白かったものだし、今は現実という名の怪物が邪魔して描けない。


あ、あともうひとつ!!フィクションの中の「猪木風キャラクター史」の中で、猪木が純度100%正統派のヒーローから「その一方で、えぐくて残酷、”裏の強さ、悪の強さ”を持っている」というキャラクターに変わる時代でもありました。
これは実際に猪木が肉体の衰えからヒール風のファイトを行うようにもなったこと、UWFという「正統派の敵」からの視点での描かれ方もあったこと(現実の猪木vs藤原喜明の試合への論評がそうでした)
夢枕獏「餓狼伝」は1985年開始で「グレート巽」が登場するのは3巻ぐらいからだっけか?すると、どっちが先なのかな…


たしか当時「闘龍伝」という作品もあり、こちらでも悪役風の猪木キャラが登場してたか。




どんなに現実の格闘技との齟齬があっても……いやだからこそ「されど われらが日々」の象徴としてこの作品は再読され、また1冊11円であるこのセールを奇貨として、kindleの片隅に保存しておくといいのではないでしょうか。


今回の「Benjanet」11円セールを読む

闘翔ボーイの作者・竜崎遼児氏は、かなり多作のひとらしい。結構知らない作品名が並ぶ

※11円セール対象外もあることに注意
www.amazon.co.jp

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