三浦春馬ら芸能人連続不審死の”点と線”: 「紙の爆弾」より (2)
(このブログの前ページからの続き)
神田沙也加転落死事件で見えた芸能人連続不審死の”点と線”
取材・文 三川和成
紙の爆弾 2022年3月号 p76、78、79 鹿砦社
p78 の続き
同時に、メディア、特にテレビ局に対して危険なまでに大きな影響力を持っている芸能界に対し、警察組織は彼らの暴力団との蜜月を容認することで、癒着してきた。だが、芸能界と暴力団の関係がネットの普及で多くの人に知られるようになると、警察内部では芸能界利用の手法を一新しようという動きが出たという。
一説には、三浦春馬に内閣府の警察官僚が接触しようとしていたという話が伝わっている。
「三浦や同時期に亡くなった竹内結子・芦名星・藤木孝らは俳優組合の結成に関わっていたといいます。この俳優組合を自民党や体制支持派の翼賛組織にする目論見があったのではないか」(前出の芸能ライター)
だが、この工作は上手くいかなかったとされる。三浦には愛国的なところもあったが、政治的野心とは無縁だっ
p79
たからだ。
三浦が亡くなる直前の二〇年春、官邸は、検察庁法改正案をめぐる”大炎上”に見舞われた。この時、世論の反対を主導したのが、宮本亜門や小泉今日子、きゃりーぱみゅぱみゅなどの、人気芸能人たちだった。また同年のアメリカ大統領選挙で、マドンナやレディー・ガガといったスターたちの反トランプ運動が帰趨を決したことに、官邸は衝撃を受けていたという。 「アメリカでは一九三三年に結成された映画俳優組合(SAG)が、ルーズベルト政権を支持し、第二次世界大戦の戦争プロパガンダに協力する見返りに勢力を拡大した。日本の警察もそのひそみに倣おうとしたが、上手くいかなかったわけです。結局、芸能界と闇社会、警察、メディアの癒着は従前のまま放置されている」(同前)
つくられる”自殺”報道
相次ぐ芸能人の”自殺”は、いずれもこれといった理由が見当たらないことで共通する。それゆえ、他殺説を信じるファンも少なくない。所属事務所や警視庁前で抗議するファンもいる。
しかしながら、有名芸能人を次々と自殺に見せかけて殺せる”殺し屋”は、日本国内にいそうにないというのが実感だ。もっとも、オウム真理教事件でも、滑稽なお面を被って踊っていた信者たちが、サリンやVXガスを製造するテロ集団になっていたとは、多くの人が気付かなかった。
ちなみにオウム真理教がテロ集団化した時期の警察庁長官は、”警察のヒトラー”と呼ばれた警察官僚だ。オウム事件で警察は予算も人員も増えたので、今でもヒトラーを崇拝する警察官がいる。彼らのお目こぼしの下で、殺人技術を磨く暗殺グループが現在も存在しないとは言い切れない。
昨年十一月には半グレ集団・関東連合のリーダーの一人とされる工藤明男こと柴田大輔が、メッタ刺しの遺体で発見されながら、自殺と報道された。芸能界の闇に踏み込んでいた彼は、芸能人の相次ぐ死の真相について勘づいたために殺されたという説もある。
それにしても、芸能人が次々に不審な死に方をしても、警察が事件性はないとし、メディアに自殺を印象付ける情報が流される。果たしてこれは偶然なのだろうか。
「こうしたことが続けば、今後政府を追及する政治家や知識人が不審死しても、警察は説明せずに、御用メディアは自殺報道。そういう前例が作られつつある」(警察ジャーナリスト)
今この国の民主主義は岐路に立たされている。ここで踏み止まらなければ、特高警察に怯えた暗い時代の日本に逆戻りだ。(本文中敬称略)
三川和成(みつかわかずなり)
フリーライター・事件取材を中心に、幅広く活動中。
以上、Google 書籍プレビューからの引用でした。
少し長めの引用でしたが、著作権には問題のない範囲ですので、ご了承ください。
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