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三浦春馬の光と影:ドラマには影の部分もある(関連作品を紹介)

俳優の三浦春馬さんが2020年7月18日に死去して、1年以上が経過しました。
その間、たまに三浦春馬さんの自殺を嘲笑しているのが明らかなテレビドラマが散見されました。
今回、ここでご紹介するのは、三浦春馬さんに関係ありそうだけど、特に好意的には見えない、という作品です。



『オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ』(NHK、2021年9~10月)

警察犬ハンドラーとその相棒犬が織りなす可笑しなサスペンス
NHK公式ページ

Goshオリバー1

2021年10月1日の夜にNHKで最終回を放送しました。

「Gosh」というのは、おや!とか、えっ!とか、思わず口に出る言葉。
「God」の遠回しな言い方です。
本作で脚本・演出を担当したオダギリジョーさんはアメリカの大学に留学した帰国子女ですから、いかにもな感じの作品名ですね。

『オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ』
というこのドラマ、出てくるインテリアも、どこかアメリカンテイストでした。
オダギリジョーさんご自身がお好きなテイストで決めたのでしょうか?


さて、『オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ』。
どこが、故・三浦春馬さんに関係あるのか、というと、
登場人物の一人が、「三浦」という名前
なんです。
岡山天音(おかやま・あまね)という役者さんが演じています。

この三浦というキャラ、ただ苗字が同じだけでは?
と思われるかもしれませんが、
演じた岡山さんは、三浦春馬さんが『太陽の子』で共演した有村架純さんと夫婦役を演じたことがあるんです。

出演作がとても多い役者さんですので、三浦春馬さんとも共演したことがあるかもしれませんが、たぶん『太陽の子』つながりで起用されたのではないかと思います。


彼の役「三浦」は、
『オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ』では、
殺人事件の捜査を担う警察の一員として登場
します。

ただ、有村架純さんとの共演ドラマ『そして、生きる』の役に通じる、少しやる気が無さげで、人をだます感じの、後ろ暗いイメージですね。
全く、いい人そうな好青年とはかけ離れた雰囲気の男の役です。

彼の役、作品の本筋には必要ないチョイ役なのに、登場する場面が少し多いかなと感じました。
たまにしか出てこないけど、実につまらなそうな演技なんですね。
そこが見どころなんで。
それが一番、この作品で描きたかったのかなと思ってしまう。

彼の役は、今どきの若い子、という設定らしい。
それを裏付けるように、割り切ってて自己中心的で薄情そうな「三浦」君を、「現代人だ」と評する場面が出てきます。
それも、脚本・演出を兼ねるオダギリジョー自身が着ぐるみで演じる「犬のオリバー」が、しつこく連呼するんです。
感心してるのか、イヤミで言ってるのか?


春馬さんは、芸能界の先輩がたには、そういう感じの男に見えたのかも、しれないですね。


この『オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ』というドラマ、
警察やヤクザという組織の、一種のピラミッド型タテ社会を描いていて、
その中でも、犬のオリバー君たちの役が、人間よりもさらに下で、最下層の役です。
人間の世界ではカースト、不可触賤民、部落民、などというものが存在しますが、それより下です。

オダギリジョーさんにしてみれば、
一番底辺の犬を敢えて演じてる自分が、より上の階層の役をイジるのはOKだろう
というか?
一種の権利の行使……免罪符、みたいな感覚なのかもしれないですね。


犬が中心となる作品で思いつくのは、アメリカ映画『犬ヶ島』。
このドラマ、もしかすると『犬ヶ島』が最大の元ネタかも、しれません。
『犬ヶ島』はアニメ映画なんですが、犬の役は、アメリカの有名俳優たちが声優として出演しています。
人間の役は、ほぼ全員が日本人。
オダギリジョーさんは、アメリカ帰りですから、『犬ヶ島』の犬たちに立場は近いですね。
似た感覚で作ったのかもしれないですね。


『犬ヶ島』でも、実は、犬と人間の区別はあまり無いんですが、
『オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ』というドラマも、犬と人間の境界があいまいな作品でした。
脚本・演出を担当したオダギリジョーさん自身が犬の役を演じたのは、その象徴かもしれません。

『犬ヶ島』の監督ウェス・アンダーソンは映画ヲタクで映画に詳しい人で、同じく映画監督もやるオダギリジョーさんも負けてしまうほど。
なんとなく、『犬ヶ島』をよく知ってるのか知らないのか、苦笑してしまうようなドラマでしたね。

アメリカの映画には元ネタになっている映画が厳然とありますので、ヘタに真似をすると、痛い目に遭います。
オダギリジョーさんは、この先も映画監督をするんでしょうから、慎重に制作してほしいですね。


とりあえず、
『オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ』では、
警察犬のハンドラーである警察部隊も、犬っぽい。

そして、その一員として描かれているのが、「三浦」という若い男性。
誰でも見抜けるようなウソを、しらじらしく言ってしまう彼。
どういう意図で、そういう役を作ったのかは、製作者しか知らないわけですが。


重要なのは、誰が主導権を握ってこのドラマを制作したか、ということです。
このテレビドラマは、公共放送NHK制作。
NHK側のオファーで作られた作品なのかもしれません。
企画発案などすべてオダギリジョーさんたちの責なのかは不明です。


このドラマ、大した作品ではないだけに、さほど騒がれないとは思いますが、
「犬の三浦春馬くん」みたいなイメージを全面に出している以上、目ざとい人には、見抜かれると思います。

この先も、似たような作品は出てくる可能性はあります。
この程度なら大丈夫だろう、みたいな雰囲気が、ありありと出てるドラマでしたからね。
まったくテレビや映画の製作者は、そういう感覚の人が多そうですから。
そういう日本人を笑うハリウッド映画なんかも、あちこちにあります。
お互い様、という感じですけどね。
誰が悪いのか、とかいう次元の問題ではない気がしますが、
何とも言いようのない。


三浦春馬さんも、芸能界に就職してなければ、死んでない気がしますし、
彼もNHKとか出来れば避けたかったんではないかと思うのは、筆者の気のせいでしょうか。


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