2023.08/02 [Wed]
映画「オッペンハイマー (Oppenheimer)」ネタバレ・レビュー
久々の映画レビューです。
まだ日本では上映が決定していない、原子爆弾を開発した「原爆の父」として知られる理論物理学者のロバート・オッペンハイマーの生涯を描いた「オッペンハイマー (Oppenheimer)」のネタバレ・レビューになります。
個人評価:★★☆☆☆
監督はクリストファー・ノーラン、オッペンハイマーを演じるのはキリアン・マーフィー。
その他、マット・デイモン、ロバート・ダウニー・Jr.など豪華キャスト。
この映画は、ノーラン監督の最新作ということで話題でしたが、同じく話題の「バービー」と同じ上映日ということもあって、さらに話題になっていました。
「バービー」と「オッペンハイマー」を合体した言葉で「バーベンハイマー」をいう造語ができるほどの盛り上がり。
さて、どちらの映画が興行収入ランキングで上位に行くのか?が注目され、どちらもプロモーションに力を注いでることが伺えました。
そのかいあって、どちらもコロナパンデミック以前の集客数を誇るまでになり、私の周りでも「見に行く~」って話題で持ち切り。
私はそもそもノーラン監督作品が大好きなので、絶対見に行くしかない!
ただ、彼の作品で好きなのはSFとアクション。
今回の映画は1人の科学者の伝記を元にしたストーリー。
以前「ダンケルク」で史実を元にした映画を撮りましたが、戦争映画なのでアクションはあった。
いったいどのような映画になるのか想像ができなかった。
そして、その科学者は原爆を開発した人。
原爆を落とされた国の人間が見て、どう思うのか?が気になるところであった。
しかも日本ではまだ上映されるかどうか決定していない。
だから、今回はレビューを書くことにした。
見に行ったのはイギリス最大の映画館BFI IMAX。
クリストファー・ノーランはIMAX映画にこだわっている監督なので、ここで見るのが一番。
上映時間はなんと3時間。
ここからネタバレになります。
-----------------------------------------------------------
内容は、オッペンハイマーの大学時代からの生涯と、冷戦時代スパイ容疑で核兵器技術など機密情報の漏洩を疑われ、公聴会で追及を受けるストーリーの2つが交互に展開される。
そしてカラーとモノクロのシーンがあり、カラーはオッペンハイマーからの視点、モノクロは客観的視点となっている。
で、いきなり感想ですが、面白くなかった。
ほとんどが会話。
そして難しい。
物理や政治的内容が主なトピックで、それが永遠3時間続くのである。
難しい英語を3時間聞き続けるのは苦痛でしょうがない。
良かった点はキリアン・マーフィーの演技。
そして緊張感のある会話劇。
それをノーラン監督ならではの、迫りくる音楽、そしてサブリミナル効果のような映像で表現されている。
悪かった点は、原爆の爆破実験「トリニティ実験」の表現。
日本人として、原爆の被害は子供の頃から習っていた。
「ピカドン」と表現され、凄まじい閃光と爆風で原爆の威力を教わってきた。
その威力がうまく表現されていないと感じた。
あえて音を消して吐息だけが流れるシーンになる。
もちろん実験なので、みな爆破地点からかなりの距離で観測していたが、それでも閃光と爆風は相当なものだったはずだ。
その表現が弱すぎた。
そして日本に投下された原爆の映像は出てこない。
この点はオッペンハイマーの視点なので、彼が直接見てはないので納得する。
ただ、原爆投下後の広島、長崎の写真をオッペンハイマーが見て目を背けるシーンがある。
この写真も出てこない。
まぁこちらに関しては日本人として賛否両論かもしれない。
被害を受けた方は、その内容を少しでも知って欲しいと思ってしまう。
あともう1点、日本のどこに落とすか議論するシーンで、「京都は俺がハネムーンで行ったところだからやめとこうぜ、ハハハ」というセリフがある。
これも人によっては不愉快と感じるかもしれない。
で、この映画を日本で公開すべきか否かですが、私はどちらとも言えないです。
やはり不愉快に感じる人がいっぱいいるだろうことは確か。
慎重になるのはわかる。
劇場公開せずにストリーミングのみになるかもですね。
ただ言えることは、この映画がきっかけで原爆を開発した人の事、そしてその開発者が後悔の念にさいなまれ、その後核兵器開発に反対し、英雄どころかスパイ容疑にかけられたということを知れてよかったと思う。
彼がずーっと英雄として崇められ、後悔しないまま生きていなかったのが少しもの救いである。
それよりもSNSで「バービー」と「オッペンハイマー」のイメージを重ね合わせたネタ画像が広がっていて、それを「バービー」の公式SNSがそのうちの画像、バービーとキノコ雲を合成させたような原爆を想起させる画像に好意的な反応を示したことで、批判の声が殺到。
配慮がなさ過ぎて呆れてしまいます。
米ワーナー・ブラザースは正式な声明文で謝罪したそうですが。。。
余談ですが、会社の同僚が「バービー」を見に行って、私が「オッペンハイマー」を見に行って、今日お互い感想を言い合ったのですが、どちらも見た映画が面白くなかったという感想でした。
こんなに盛り上がってるのに、どっちも面白くないんかい!
無論個人的意見です。
以上!
まだ日本では上映が決定していない、原子爆弾を開発した「原爆の父」として知られる理論物理学者のロバート・オッペンハイマーの生涯を描いた「オッペンハイマー (Oppenheimer)」のネタバレ・レビューになります。
個人評価:★★☆☆☆
監督はクリストファー・ノーラン、オッペンハイマーを演じるのはキリアン・マーフィー。
その他、マット・デイモン、ロバート・ダウニー・Jr.など豪華キャスト。
この映画は、ノーラン監督の最新作ということで話題でしたが、同じく話題の「バービー」と同じ上映日ということもあって、さらに話題になっていました。
「バービー」と「オッペンハイマー」を合体した言葉で「バーベンハイマー」をいう造語ができるほどの盛り上がり。
さて、どちらの映画が興行収入ランキングで上位に行くのか?が注目され、どちらもプロモーションに力を注いでることが伺えました。
そのかいあって、どちらもコロナパンデミック以前の集客数を誇るまでになり、私の周りでも「見に行く~」って話題で持ち切り。
私はそもそもノーラン監督作品が大好きなので、絶対見に行くしかない!
ただ、彼の作品で好きなのはSFとアクション。
今回の映画は1人の科学者の伝記を元にしたストーリー。
以前「ダンケルク」で史実を元にした映画を撮りましたが、戦争映画なのでアクションはあった。
いったいどのような映画になるのか想像ができなかった。
そして、その科学者は原爆を開発した人。
原爆を落とされた国の人間が見て、どう思うのか?が気になるところであった。
しかも日本ではまだ上映されるかどうか決定していない。
だから、今回はレビューを書くことにした。
見に行ったのはイギリス最大の映画館BFI IMAX。
クリストファー・ノーランはIMAX映画にこだわっている監督なので、ここで見るのが一番。
上映時間はなんと3時間。
ここからネタバレになります。
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内容は、オッペンハイマーの大学時代からの生涯と、冷戦時代スパイ容疑で核兵器技術など機密情報の漏洩を疑われ、公聴会で追及を受けるストーリーの2つが交互に展開される。
そしてカラーとモノクロのシーンがあり、カラーはオッペンハイマーからの視点、モノクロは客観的視点となっている。
で、いきなり感想ですが、面白くなかった。
ほとんどが会話。
そして難しい。
物理や政治的内容が主なトピックで、それが永遠3時間続くのである。
難しい英語を3時間聞き続けるのは苦痛でしょうがない。
良かった点はキリアン・マーフィーの演技。
そして緊張感のある会話劇。
それをノーラン監督ならではの、迫りくる音楽、そしてサブリミナル効果のような映像で表現されている。
悪かった点は、原爆の爆破実験「トリニティ実験」の表現。
日本人として、原爆の被害は子供の頃から習っていた。
「ピカドン」と表現され、凄まじい閃光と爆風で原爆の威力を教わってきた。
その威力がうまく表現されていないと感じた。
あえて音を消して吐息だけが流れるシーンになる。
もちろん実験なので、みな爆破地点からかなりの距離で観測していたが、それでも閃光と爆風は相当なものだったはずだ。
その表現が弱すぎた。
そして日本に投下された原爆の映像は出てこない。
この点はオッペンハイマーの視点なので、彼が直接見てはないので納得する。
ただ、原爆投下後の広島、長崎の写真をオッペンハイマーが見て目を背けるシーンがある。
この写真も出てこない。
まぁこちらに関しては日本人として賛否両論かもしれない。
被害を受けた方は、その内容を少しでも知って欲しいと思ってしまう。
あともう1点、日本のどこに落とすか議論するシーンで、「京都は俺がハネムーンで行ったところだからやめとこうぜ、ハハハ」というセリフがある。
これも人によっては不愉快と感じるかもしれない。
で、この映画を日本で公開すべきか否かですが、私はどちらとも言えないです。
やはり不愉快に感じる人がいっぱいいるだろうことは確か。
慎重になるのはわかる。
劇場公開せずにストリーミングのみになるかもですね。
ただ言えることは、この映画がきっかけで原爆を開発した人の事、そしてその開発者が後悔の念にさいなまれ、その後核兵器開発に反対し、英雄どころかスパイ容疑にかけられたということを知れてよかったと思う。
彼がずーっと英雄として崇められ、後悔しないまま生きていなかったのが少しもの救いである。
それよりもSNSで「バービー」と「オッペンハイマー」のイメージを重ね合わせたネタ画像が広がっていて、それを「バービー」の公式SNSがそのうちの画像、バービーとキノコ雲を合成させたような原爆を想起させる画像に好意的な反応を示したことで、批判の声が殺到。
配慮がなさ過ぎて呆れてしまいます。
米ワーナー・ブラザースは正式な声明文で謝罪したそうですが。。。
余談ですが、会社の同僚が「バービー」を見に行って、私が「オッペンハイマー」を見に行って、今日お互い感想を言い合ったのですが、どちらも見た映画が面白くなかったという感想でした。
こんなに盛り上がってるのに、どっちも面白くないんかい!
無論個人的意見です。
以上!
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