夏生まれは近視になりやすい
2007年1月6日付エントリー『早生まれは損』において、1月〜3月に生まれる早生まれは、幼少期において体格・体力や学力における同年代との差が原因で、スポーツ選手として大成しにくいというデータを紹介した。Jリーグの選手構成において顕著な差が出ているが、サッカー以外にも多くのスポーツにおいて同様の傾向が報告されているので、子供の将来を考えるのならば、5月〜6月を狙って生まれるように調整した方が良いとした。
ところが、共同通信が伝えたところによると、6月〜7月生まれは近視になりやすいとの調査結果が最近明らかになった。生後間もない期間に自然光に晒される時間の長短が近視と関連しているらしい。
同大の研究班は16〜23歳のイスラエル人約30万人を対象に、近視と生まれ月の関係について調査を実施、相関関係が判明した。6月、7月生まれに強度の近視が最も多く、最も少なかった12月、1月生まれより、近視になる確率が24%高かった。研究班は夏生まれに近視が多い傾向は世界共通とみている。
研究論文の共同執筆者の1人、ミハエル・ベルキン教授によると、生後間もない時期に光に当たる時間が長いと、体内時計に関係するメラトニンというホルモンの分泌が抑制される。これに他の要因が重なると、眼球の前後直径が伸び、近視になると考えられている。
ひよこを使った研究では、光に長時間さらされると眼球が長くなるメカニズムがあることが示されているという。
http://www.nikkansports.com/general/f-gn-tp0-20070827-247707.html
近視になる確率が24%上昇するというのは無視できない数値である。光の照射時間がホルモン分泌に影響するのならば、夏に赤ん坊が生まれた場合などには遮光カーテンなどで、光への暴露量とその時間を調整する必要がありそうだ。近視になるリスクを抑えるには、出産時期は夏を避けて冬を選ぶという選択肢もある。
もっとも近視はめがねやコンタクトレンズなどで矯正可能だし、レーシック(LASIK:Laser in Situ Keratomileusis)手術によって、外科的に治療することも可能なので、それほど致命的な欠点ではない。それよりは年度の境界により発生する、同年代の子供たちとの体格差・学力差のほうが子供の人格形成や能力開発などに大きく影響し、ひいては将来の可能性を左右することになりかねないので、やはり早生まれは避けて4〜6月ぐらいをターゲットとすることがベストだろう。
ことは子供の将来に関わる確率だ。少しでも良い値を与えようと思うのは自然な考えだと思う。