【専門家監修】壁を作る・撤去する!室内リフォームの費用やポイントなど事例を紹介

壁を作ったり、撤去したりすることもリフォームの1つです! とくに家族構成の変化があった場合には、部屋数が足りなくなったり余ったりするため、部屋を有効に活用するためにも重要なリフォームとなります。壁を作ったり、撤去したりするときにかかる費用や注意点をご紹介します。

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このアイデアの監修者

森住宅コンサルタント株式会社 代表取締役 森雅樹

名古屋生まれ。法政大学卒業後、大手ハウスメーカーに就職し戸建て住宅営業を経験。
退職後は都内の零細工務店において戸建て営業とリフォーム営業に従事。その後、森住
宅コンサルタント㈱を興して独立。現在は住宅会社と消費者向けの講演、執筆、コンサ
ルティング活動を行う。買う側、売る側双方の立場を熟知したうえでのアドバイスを行
っている。住宅購入者向け、住宅販売者向けの単行本20冊以上。

森住宅コンサルタント(株)
http://mori-consultant.com/

壁を作ったり、撤去したりするリフォームとは?

一人っ子ならばいいのですが、2人以上の子供がいる家庭が必ず突き当たる壁があります。

小さなときは一部屋を2人で使わせておけばいいのですが、子どもが大きくなるとそうもいきません。この問題への対応策は壁を作ることしかないでしょう。

この逆に壁を撤去するケースとはどんな場合が考えられるでしょうか? 

例えば30代前後の夫婦で子どもがいない世帯を想定します。ごく一般的な間取りの中古マンションを数年前に購入したものの、中途半端に仕切られた部屋の使い勝手がなんとも悪いということをよく耳にします。

こういう時は要らない壁を撤去するのが最良の策。建物の構造に関わる壁は撤去できませんが、構造壁でなければ自由に撤去できるのです。

壁を作るリフォーム

壁を作るリフォームの施工内容

壁を作ることによって部屋が増えることになります。単なる仕切りをつくり壁にするケースもありますが、その多くの理由は子どもの成長によるものです。

私は子どものころ4歳下の弟と家を離れるまで同じ部屋で過ごしました。6畳一間では分けようがありませんし、それ以前に賃貸住宅だったので工事をするわけにはいきませんからね。

しかし、持ち家であり共通して使っている部屋が8畳程度以上あれば壁を作るリフォームは検討できます。

ところで壁を作るリフォームは比較的簡単な工事です。図面の確認が欠かせませんが、まずはどこに壁を作るかを決めます。その際に気を付けるのは、新たに設置するドアをどこに設けるかの検討です。工期は1日で十分です。

壁を作るリフォームの費用

最大で10万円も見れば十分。場合によってはその半額に近いような金額で受ける工務店もあるかもしれません。ただ、実際に例を見てみると、壁を単に作るだけではなくコンセントの増設をする人が多いようです。

そんなコンセント増設工事ですが、もっとも安価なケースであれば1か所につき2万円以下です。これは延長コードと同じ理論で、既存のコンセントから少しコードを引っ張ってきた感覚になります。

壁を作るリフォームの失敗事例

私が実際に見た事例はエアコンの風ですね。もともと12畳あった兄弟の部屋を二つに分けたのですが、工事が完成してそれぞれの部屋の子どもがエアコンをつけたら問題が発生しました。

お兄ちゃんの部屋は問題なし。部屋が狭い分エアコンの効きも良くなり快調そのもの。ところが弟の部屋のエアコンに不具合が起こったのです。

ただし、不具合と言ってもエアコン本体の問題ではありません。壁を作ったことにより、エアコンの冷気の流れが大きく変わり、ベッドで夜寝ていると風をまともに受けて寒いと弟は訴えます。

かといってスイッチを切れば暑くていられないし、最小限でつけても直撃を受けて寒いというのです。

ベッドの位置を変えたところあっさりこの問題は解決したのですが、壁を付ける工事をする際には、こんなところまで注意を払ってほしいということです。

壁を作るリフォームの気をつけたいポイント

10畳の洋室があったとしましょう。この洋室に間に壁を作って二部屋にすることを考える際、気を付けてほしいことがあります。

些細なことかもしれませんが、壁の中に下地を打つことを私はいつも皆さんにお勧めしています。構造上は必要なくても、壁を作った直後に「ここに棚を取り付けたいな」と思ってDIYをしようと考えたとします。

ホームセンターで木材を買って加工すれば簡単な話なのですが、その棚を付けるにも、壁に下地がなければくぎを打てません。ですから、壁を作る前には必ず「この壁に下地を作る必要はないかな?」と考えることが大事なのです。

あわせて一緒にしたいリフォーム

このように間仕切り壁を作るだけならば、費用も掛からないし工期も1日仕事で十分。とても簡単なのですが、せっかくの機会なので、この際に次のようなリフォームをするのも要検討です。

まず頭に浮かぶのは防音。実際にはもっとしっかりしたものを付けるのですが、薄いべニア板で仕切っても間仕切りといえます。いくら兄弟姉妹であっても隣室の息遣いが聞こえるようではいただけませんからね。

それと可能ならば断熱材も入れたいところです。両方の部屋に同時に人がいればよいのですが、片方しかいないときに冷暖房を付けても、断熱材が入っていないと冷暖気が壁の向こうにどんどんと抜けていってしまいます。

壁を撤去するリフォーム

壁を撤去するリフォームの施工内容

室内の壁を撤去するときですが、まずは養生から。他の部位が壊れないように保護をします。そのうえで既存の壁を取り壊していきます。

大きさにもよりますが、工期は通常1日で終了。ただ、気を付けていても解体に伴い埃などが出てしまうので注意をしてください。

壁を撤去するリフォームの費用

ただ単に壁を撤去するならば5万円前後で大丈夫だと思いますが、それに伴う電気工事が発生する場合では、プラスで2~3万円を見てください。専門の電気業者が来ないと対応ができないためです。

壁を撤去するリフォームの失敗事例

こちらもエアコン絡みの実例です。壁を撤去して4畳半と6畳の部屋を合体させました。6畳にはエアコンをつけていたものの、4畳半の和室は開かずの間ということもあり、それらの設備は未設置でした。

いざ部屋は広くなったのは良いのですが、もともと6畳部屋に設置していたエアコンが夏場にまったく効かないのです。仕様上は【10畳までの対応】とあったのですが、購入してからすでに8年経過してパワーが明らかに落ちていたこともあったようです。

結局耐え切れずに、すぐにエアコンを購入したのですが、季節は7月の終わりの猛暑。工事予定日は購入後から10日先だったとのことで、その部屋をしばらく使えなかったそうです。

壁を撤去するリフォームの気をつけたいポイント

事例として出したように、壁の撤去後は空間が一気に広がることを認識しましょう。やはり、空調の効きが大きく予想を裏切るケースがあります。

また、当時の設計図がない場合ですが、撤去をあまりおすすめめできない壁や撤去自体がダメな壁が存在します。誠実な業者であればいいですが、そうではない業者が適当に処理する危険性は若干あると思います。

壁を作る・壁を撤去するリフォームを少しでも安くするなら

壁を作る

【壁】を作ろうとするのでそれなりの値段がするわけですが、【壁のようなもの】あるいは【壁と同じような効果を持つもの】を作れば安くなるでしょう。

例えばアコーデオンカーテンの類です。これならばDIYでもできるでしょう。

撤去する

あまりに膨大な量では無理ですが、撤去によって排出される壁や木材を自分で処理する手もあります。通常は撤去によって排出されたものは産業廃棄物となりますので、業者はその処理代金も見積もりに計上してきます。

それを自分で処理すればよいのです。問題がなければ自分でトラックを借りてそのまま搬入すれば、間違いなく安くなりますが、事前に各自治体の大型ごみ処理施設に連絡をし必ず確認をしてからにしてくださいね。

壁のリフォームで部屋を有効活用しよう!

リフォームと聞くとキッチンを取り換えたり、風呂を取り換えたりということを連想しますが、壁を作ったり撤去するのもリフォームです。

とくに家族構成の変化があった場合には、部屋数が足りなくなったり余ったりすることでしょう。

こうした環境変化があったら、部屋を有効に活用するためにも壁を作るリフォーム、そしてその逆の壁を撤去するリフォームを積極的に検討しましょう。

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