【専門家監修】一軒家のリフォーム値段相場は?最低限のリフォーム方法
近年、中古一軒家を購入してリフォームする方が多くなっています。中古物件を購入するときのポイント、最低限行わなければならない、リフォーム値段相場を紹介します。また、簡単な壁紙やカーテンなどは、費用を抑えるために自分でDIYするのもよいでしょう。
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中古一戸建てが選ばれる理由は?
日本人の新築信仰に陰りが
「夢のマイホームは新築で!」というのが当たり前の時代だったのは昔の話。ここ数年でこの辺りの事情は一気に変わってきました。
誰もができることなら新築の家に住みたいと思うのが本音でしょう。しかし、建築資材の高騰や職人不足の影響で工事費用が高くなったことや、好条件の土地が出にくくなってきたことなどの要因から新築案件に手が出にくくなってきました。
深刻な空き家問題
さらに、政府が危機感を持っているのが空き家問題。世帯数の減少などによって、今後は膨大な空き家物件が全国にあふれかえってきます。
しかし、中古案件が増えるということは値段が下がることを意味します。つまり、丹念に中古物件を探せば掘り出し物といえる家に巡り合う可能性も増すのです。中古一戸建て住宅が選ばれる理由の一つです。
中古一戸建てのデメリットや失敗事例は?
失敗から学べることはたくさんありますよね! ここでは、中古一戸建てを購入したさいの失敗談をいくつかご紹介します。
失敗事例1. 壁体内の断熱材がとんでもないことに
このように中古一戸建ては供給数が激増するので買う側にとってはメリットだらけに感じますが、慌てて購入すると後で大きく後悔することにもなりかねないので注意をしましょう。
代表的なデメリットは建物の内部状況がわからないことにつきます。実際にあった事例では、「築35年の中古住宅を12月に購入して住み始めたのですが、暖房をいくら焚いても寒くて寒くて仕方がない」という話がありました。
専門家に相談して外壁の中を調べてもらったのですが、本来はあるべきグラスウールという断熱材が壁体内で大きく下にずり落ちていて、正常な能力を発揮できない状態になっていたのです。
失敗事例1. 震度5強でねじれが発生
築23年の中古一戸建てを購入した直後に震度5強の地震に見舞われました。この程度の地震だと周囲の家を含めて外観上は何も問題が見当たりません。
しかし、この方の家にはある異変が発生。地震直後から部屋の中の引き戸が軋んだり閉まらなくなってしまったのです。
通常では考えられないことなのですが、おそらくは新築当初の問題であった可能性が否定できません。もちろん、こちらの事例も実話です。
中古一戸建ては外観より中身をチェック
この例からもいえるように、中古住宅購入の際には見える部分より見えない部分のチェックが重要なのです。建物の外壁や内装の綺麗さ、または新しいキッチンが入っているなどということは見ればわかります。
しかし、壁の中の断熱材の施工レベルなどは、外からの目視では絶対にわかりません。多少の費用は掛かりますが、もっとも有効な対策は物件購入前に専門家へ依頼して調査をしてもらうことでしょう。そして、こうした調査をしてもらうことで、入居前のリフォームもスムーズになります。
もし、中古住宅を購入後にキッチンを新しいものに変えるリフォームを考えたとします……
古い小さなキッチンを新しいより大きなキッチンへリフォームする場合には、その重さに床が耐えられるかを検討しなくてはなりませんが、専門家にチェックしてもらえればしっかりしたアドバイスがもらえます。
中古一戸建てをフルリフォームするのにかかる費用は?
ごく一般的な30坪~35坪の中古住宅をフルリフォームするときの費用を考えていきましょう。
ただ、いわゆるリノベーションと原状回復を目的としたリフォームでは、その目安が大きく異なります。
中古住宅をフルリフォームして、ほぼ新築同然の姿に戻すことを念頭に置くとその予算は1000万円を超えるとみるべきでしょう。ただ、部分的なリフォームやクロスの交換といった比較的簡単にできるリフォームを中心に考えるならば、300万円以内で十分可能です。
中古一戸建てなら部分リフォームがおススメ
できることならばお金をふんだんにかけたフルリフォームをしたいのですが、予算があまりに高くなると新築購入との差がなくなり、中古住宅を買ったメリットが薄れてしまいます。
こう考えると、部分リフォームを行って予算を抑えることが賢明ですよね。
たとえばキッチン。中古住宅を購入してキッチンをリフォームする人は非常に多いのですが、料理がものすごく好きでなおかつ腕に自信のある奥様なら、予算を上げてでもキッチンリフォームのグレードを上げるべきでしょう。
そのかわりに、本来予定していたハイグレードの壁紙の質をワンランク下げるなどの対応をとればよいのです。総予算を変えずに、こだわりたいところに予算を集中させた方が暮らしの満足度は必ず上がると断言できます。
最低限必要な中古一戸建てのリフォーム箇所とその費用
絶対必要なわけではないですが、壁紙リフォームもおすすめ!
壁紙のリフォームは必ずしなくてはならないという場所ではありません。しかし、もっとも安価かつ気分を一新できるので、気軽にできるリフォームとしてとてもおすすめです。
6畳ならば5万円もみれば十分に可能ですので、ぜひ検討してみてみてくださいね。
防犯リフォーム
物件にもよりますが築20年以上の一戸建て中古住宅を購入した場合、防犯面に気を使った仕様が施されていることはあまりないと思われます。
ドアフォンがない住宅であれば新規購入したほうがいいでしょう。配線工事込みでも5万円で十分設置できます。
また、泣き砂利を購入して撒くのも防犯リフォームの一つです。泣き砂利を敷くだけなら業者に頼まなくても自分でできます。1kgあたり2000円前後で購入できるので、泥棒が侵入しそうな場所にピンポイントで撒けばコストも抑えられます。
結露対策
住宅の大敵は結露。これは誰しもが認める原理原則。つまり、一戸建て中古住宅を購入した際には必ずチェックすべきことの一つでもあります。
ただ、購入した段階では居住していないので、実際に結露が起きるかどうかはわかりません。ワンシーズンを過ごしてみて、サッシに結露の発生を確認したらすぐにサッシの交換リフォームをしてください。
リビングによくみられる幅1軒の掃き出し窓であれば、断熱効果の高いLowーE(ローイー)複層ガラスを使った場合でも30万円まではいかないはずです。
1か所だけでこの値段だと家全体のサッシを変えるとかなりの金額になるため、すべてリフォームをというわけにはいかないでしょう。そういう場合は、リビングや寝室などを優先してリフォームを検討してください。
中古一戸建てなら「耐震リフォーム」は優先度高め! その費用は?
費用と時間がかかるリフォームの代表格ですが、住宅で最も大事なことは【命を守る】ことです。この視点で考えると昭和56年度以前に建築された旧耐震仕様の中古住宅を購入した方は、耐震リフォームは喫緊の課題です。
また、昭和56年度以降の住宅の場合、震度6弱の揺れで建物が崩壊する確率は極めて低いと推測されますが、それでも早めのリフォームをお勧めします。
昭和56年以降の建物であれば150万円以内で収まると思いますが、それより古い物件では直す箇所も増えるため200万円近くになるでしょう。
DIYしてもいい中古一戸建てリフォーム箇所とその費用
中古一戸建て物件を自分でDIYしてリフォームすることもできます。業者に頼むよりも値段を安く抑えることができ、自分の好みに仕上げることができるのでDIYの経験がない人も、これを機に挑戦してみるのもいいでしょう。手軽に取り組めるおすすめリフォーム箇所をご紹介します。
壁紙
住宅業者に任せても大きな金額にならないのですが、DIYレベルでも十分にできますので、楽しみながらそのうえ安く上げるにはもってこいでしょう。
6畳程度であれば予算は3万円。もう少し足せば業者にも頼めますが、部屋数が増えると結構な金額になるのと、すべての部屋を一気にやらなくても自分のペースで模様替えをできることが魅力です。
カーテン
部屋の雰囲気を劇的に変化させるのがカーテン。中古一戸建てを購入した場合、各居室のカーテンレールはごく一般的な高さに取り付けられているはずです。これを天井から直に吊るす仕様にリフォームするのです。
工事自体は比較的簡単で、カーテンボックスを新たに購入して天井に取り付ければいいだけです。やはり天井からカーテンがかかっていると見た目がゴージャスになります。
カーテンボックスやその他の費用は3万円もあれば大丈夫。問題となるのはカーテン生地。これに関してはピンキリなのでお好きなものを選んでください。
良質な中古一戸建て住宅のリフォームがおすすめ!
いかがでしょうか。新築住宅を購入することが一般的だと思われてきた日本ですが、ここ数年で考え方は劇的に変化しています。良質な中古一戸建て住宅が激増しているので、これを購入してリフォームすることが当たり前の時代になってきていますよ。
このアイデアの監修者
森住宅コンサルタント株式会社 代表取締役 森雅樹
名古屋生まれ。法政大学卒業後、大手ハウスメーカーに就職し戸建て住宅営業を経験。
退職後は都内の零細工務店において戸建て営業とリフォーム営業に従事。その後、森住
宅コンサルタント㈱を興して独立。現在は住宅会社と消費者向けの講演、執筆、コンサ
ルティング活動を行う。買う側、売る側双方の立場を熟知したうえでのアドバイスを行
っている。住宅購入者向け、住宅販売者向けの単行本20冊以上。
森住宅コンサルタント(株)
http://mori-consultant.com/
※賃貸物件の場合、退去の際に原状回復を行う義務があり、修繕費用が必要となる場合があります。必ず賃貸借契約書を確認の上で、家主や管理会社の許可を取ってから作業を行いましょう。
※本記事で紹介した作業を行う際には危険を伴う可能性があるため、怪我や事故などに十分ご注意の上で作業を行いましょう。
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