はじめに
哲学を専門としない人が哲学に関心が出てきたときに何を読むとよいだろうか。世には「入門書」と題されている本はあまたあるけれど、ぜんぜん入門書ではないケースも多いし、あんまり頼りにならない入門書も少なくない。
私は哲学を専門としている(とりわけ分析美学)。他の学問の専門家の人や実務家、アーティストと話す機会があったりするが「哲学ってよくわからないなあ」という感想をもらうと、「なかなか役に立ちますよ」と言いながら紹介したりしている本を紹介することにしよう。
勧めたい本は無数にあるが、えいやで各分野1冊にした。
おすすめブックリスト
すごく抽象的なことが気になる人→『ワードマップ 現代形而上学』新曜社
▶関心に合わせてトピックごとにつまみ読みがおすすめ。
科学とは何かが気になる人→『哲学がわかる 科学哲学』
▶短いし、小さくてかわいい。
「経験」を考えるのが好きな人→『ワードマップ 現代現象学』
▶具体的に現象学するとはどういうことかがよく分かる。
「知る」とは何か気になる人→『知識とは何だろうか:認識論入門』
▶認識論は個人的にはとっつきにくく思えるが、よく整理されていて苦手意識が克服された(難しいけど)。
「心」とは何かが気になる人→『ワードマップ 心の哲学』
▶これもアラカルトで楽しめる。
「政治」について深く考えたい人→『はじめての政治哲学』
▶身に迫るトピックが多く、じっくり考えられる
「法」について問い直したい人→『問いかける法哲学』
▶具体的なトピックごとでおもしろい。
「言葉」について考えたい人→『バッド・ランゲージ』
▶言葉の悪さから言語を考えることができる。
「道徳」を考えたい人→『ここからはじめる倫理学』
▶しっかりした入門で地道に学べる。
「美」と感性について考えたい人→『「美味しい」とは何か』
▶「美学」という学問があること、そのちょっと変わった考え方を味わえる。
おわりに
このどれか一冊を読むだけでも世界が開けてくると思うので、ピンときたらぜひ読んでいただきたい。哲学が役に立つという意味が分かられると思う。
宣伝であるが、もっと詳しく哲学や美学について学びたい、という方は、家庭教師もやっているので、ご贔屓に。