ITメモ

ITのこと学習中

Business Centralのフィールドを簡単に追加する

Dynamics 365 Business Centralで、フィールドの追加や変更を行う方法を2つ紹介。

1.Personalize機能で個別にフィールドの変更・削除をする。

右上の歯車マークをクリックし、パーソナライズをクリックします。すると、フィールドを追加したり、フィールドの並び順を自分の好きなように変更できます。

パーソナライズ

パーソナライズ

2.ロールごとにUIやフィールドの追加・削除をする。
各ロールごとに、フィールドの並び順や表示フィールドを変更できます。この機能は管理者権限を持つユーザーが行います。
Profile (Roles) で検索しProfile (Roles)リストを開いて、Profile IDを選択し、Customize pagesをクリックして別ウィンドウを開きます。

Search Profiles (Roles) Page

Profiles (Roles)

 

例として今回はAccountantを選択してCustomize pagesをクリックし、新しいウィンドウを表示します。

フィールドを追加・変更するページまで進みます。General Journalにフィールドを追加します。

Select Accountant and click Custome pages

Profiles (Roles)リスト

Accountant Role Center

Accountant

 

General Journalsに進み、「+フィールド」をクリックします。すると右側に追加できるフィールドが表示されます。左のフィールド一覧から追加するフィールドを選択し追加します。今回はTransaction Informationを追加しました。追加・変更が終わったら左上の「完了」をクリックして適用し終了します。

Select Transaction Infomation to add it to General Journals

General Journals

元のページに戻り、追加したフィールドを確認しましょう。General Journalを開いてみます。先ほど追加したフィールド「Transaction Information」がありません。これはProfile (Roles) が異なるためです。My 設定より、Roleを「Accountant」へ変更します。先ほど追加したTransaction Informationフィールドが追加されています。

Check General Journal and the fileld "Transaction Information" was added


これはRoleベースでフィールドの追加や変更を行う方法です。部署ごとなどまとまったユーザー数分を一括で変更できます。パーソナライズで1ユーザーずつ変更するよりも短い時間で変更することができ便利です。

 

 

Dynamics 365 Business Centralの開始残登録 2 - Item(在庫品)の開始残

在庫品の開始残高登録について。こちらの内容は、

usedynamics.com

を基にして作成しています。

Item Journalを開き、各ItemをLocationごとに数量を登録します。
LocationはBusiness Centralでは、在庫品を保管するところ全般を指します。倉庫だけではなく、オフィス内の在庫品を保管・管理しているような場合にも、Locationを利用して管理できます。規模が小さな企業だと、よくオフィスに商品を置いて(管理して)、注文が入った場合にそのまま出荷する、といった場合もあります。
日付を前月末、Entry TypeはPositive Adjustment、Document No.を開始残高用とし、各Itemを場所ごとに数量を登録していきます。Unit Costには、原価金額を登録します。登録が終わったら、Postをクリックし、在庫品を計上します。

Opening Entries for Items in Business Central

成功するとItem Ledger Entries、Value Entries、General Journalが作成され、各Itemの数量が登録されます。
次に、勘定科目の残高を0円にします。
Chart of Accounts(勘定科目表)を開き、先ほどのItem JournalをPostしたときに計上された勘定科目と金額を確認します。

Check Net Change amount in Chart of Account on Business Central

今回の例では、勘定科目:2110 Resale Itemsと7170 Inventory Adjmt., Retailで仕訳ます。
Item JournalをPostしたとき
 2110 Resale Items 21,543.6/ 7170 Inventory Adjmt., Retail 21,543.6
で仕訳されたので
 7170 Inventory Adjmt., Retail 21,543.6 / 2110 Resale Items 21,543.6
となるようにGeneral Journalで登録し、Postをします。

Reverse Journal Entries in General Journal For Inventory Opening Balance

これで、在庫の数量と原価の計上が行われ、勘定科目上の残高は0円のままとなります。

Check Inventory in Item List on Business Central

Check Chart of Accounts on Business Central

上記と

Dynamics 365 Business Centralで開始残高の登録:CustomerとVendor - ITメモ

を行った後、General Journalを利用して、これまでの帳簿や前システムに登録されていた勘定科目の残高をGeneral Journalを使って、Business Centralへ登録します。すべての勘定科目の貸借の金額を入れてPostすれば終了です。
動画はこちらです。

usedynamics.com

銀行口座もありますが、銀行口座はCustomer・Vendorと同様の処理です。これで、Customer(売掛金)、Vendor(買掛金)、Item(在庫原価と数量)の補助帳簿に開始残高データを登録し、勘定科目に残高を登録すると完了です。

 

 

Dynamics 365 Business Centralで開始残高の登録:CustomerとVendor

Customer(得意先)の開始残(売掛残)登録について、方法の1つとして。
usedynamics.comの動画を参考にしています。

usedynamics.com

General Journalを開き、Customerごとに売掛残を登録します。
Document TypeをInvoiceに設定し、Document No.をCustomerごとに変更します。今回はAR20241231-001~AR20241231-004にしています。
それぞれの売掛残を登録したら、Bal. Account No.(相手勘定科目)に売掛金勘定科目を指定します。これは、Customer Posting Groupで設定している勘定科目です。
相手勘定科目を設定し、必要に応じてDimension Codeなどを設定します。

General JournalにCustomerの開始残高を登録

Postをクリックし、Business Centralに計上します。eneral Ledger Entriesを確認すると、明細ができているのがわかります。Customer Ledger Entriesを確認すると、各Customerに売掛残が登録されているのがわかります。

You can confirm the entries in General Ledger Entries and Customer Ledger Entries

Vendor(仕入先)側も同様に開始残高を登録できます。同様にusedynamics.comの開始残高の登録方法を参考にしています。

usedynamics.com

General Journalに金額を登録するとき、Amountのフィールドに入力する値はマイナスになります。これはBusiness Centralで貸方の値を入力する場合、マイナスとするルールがあるためです。金額入力について、設定で変更することが可能です。導入時にどのようにするか検討できます。

Vendor Opening Balance on Business Central Go-Live

 

 

Business CentralとDataverseの簡単な連携法

最近のBusiness CentralはDataverse(Power Platform)とデータの連携をさせるのが以前と比べてとても簡単になりました。連携にはVirtual Tableを使います。

1)Power AppsのSolution(ソリューション)をインストールします。「Business Central Virtual Table」で検索し、Business Central Virtual TableをPower Platformの環境へインストールします。インストールする環境を選択できるので、Business Centralと連携する環境を選択し、同意事項にチェックを入れてインストールを開始します。インストールは数分で完了します。

Business Central Virtual Table in AppSource

Business Central Virtual Table

Business Central Virtual Table Installation Process on Power Platform

2)Business CentralのDataverse接続・連携についての設定を行います。Assisted Setupより、Dataverse Connection Setupを行います。Enable virtual tables and evnets にチェックを入れて設定します。その途中でも「Business Central Virtual Table」をインストールができます。管理者ユーザーでDataverse(Power Platform)側との認証を行い、接続設定を終わります。

Dataverse Connection Setup on Business Central

3)続いて、Microsoft Entra Applicationsを設定します。Microsoft Entra Application カードを開き、Dynamics 365 Business Central for Virtual Tablesを有効化します。

State Enabled in Dynamics 365 Business Central for Virtual Table on Business Central

4)Power Apps(https://make.powerapps.com/)を開きます。必要な場合、Business Centralと連携する環境に変更します。左手のメニュー「アプリ」を開くと、「Business Central Configuration」があるので、再生ボタンで実行します。ない場合、別の環境にインストールしている可能性があります。Business Central の標準APIを利用して接続しているテーブル一覧が表示されます。これでBusiness Central とDataverseがVirtual Tableで連携されています。VisibleがNoになっているのは隠されていることを示しているので、Dataverseのテーブルリストに表示したい場合、この項目をYesに変更します。

All Business Central Tables in Business Central Configuration

Business Central Configuration

これで、Business Centralに連携しているVirtual TableがTable一覧で確認できるようになります。

Business Central Virtual Tables in Table on Power Apps/Dataverse

Power AppsのテーブルでVirtual Tableを表示

Virtual Tableを開いて、データの登録や更新し、その内容がBusiness Central側に反映、またBusiness Central側から当該データを更新しVirtual Tableで反映が確認できれば、連携されています。

(参考)

Microsoft Power Platform integration with Business Central via virtual tables - Business Central | Microsoft Learn

Integrating with Microsoft Dataverse - Business Central | Microsoft Learn

 

Dynamics 365 Business CentralのカスタムAPI

Dynamics 365 Business CentralにはAPIがあって、外部から連携することができるようになってます。APIのURLは

Endpoints for the APIs for Microsoft Dynamics 365 Business Central - Business Central | Microsoft Learn

API (v2.0) for Dynamics 365 Business Central - Business Central | Microsoft Learn

に公式情報があるので参考になります。

ところで、開発などしてAPIを作成した場合も同じようにAPIのエンドポイントを公開できます。

Developing a custom API - Business Central | Microsoft Learn

Custom APIのページを作成して公開すると、API連携が可能になります。Business CentralにはWeb ServiceというOData(JSON)連携もあるのだけれど、処理速度やシステムへの負荷を考えるとAPIを利用するほうが良いとのこと。

Custom APIを作成すると、エンドポイント(URL)が標準のAPIとは異なります。どうなるかというと、

https://api.businesscentral.dynamics.com/v2.0/ < user domain name > / < Environmnent Name > /api/ < API publisher > / < API group > / < API version > /companies( < company id > )/ <EntitySetName>

となります。

<user domain name>:Domainを指定していればXXXX.comなどを設定するし、そうでなければEntra IDを設定します。

<Environment Name>:環境名。大体ProductionとかSandboxとかついてたりします。

<API publisher>、<Api version>:開発で作成したときに設定します。

companies(<id>):<id>にはカンパニーのID。名前じゃないので間違えやすい。

<EntitySetName>:これも開発で作成時に設定します。

Business Central Custom API作成サンプル

で作成すると、URLは

Business Central Custom URL

となります。標準のAPIで用意されているURLとはかなり異なります。取得できるでーたは、

ODataで取得したBusiness Centralのデータ

Postmanを利用して取得したデータ

このURLにアクセスして、GETやPOSTのメソッドを適宜利用してBusiness Centralの外部からデータのアップデートや更新を行えます。便利ですね。

 

 

Dynamics 365 Business CentralのデータをDataverseへ連携(BC→Dataverse)

Business CentralのデータをDataverseへ連携方法。Youtubeで見かけたのでやってみました。今回は試しにBusiness CentralのResourceをDataverseに連携(Business Central→Dataverse)します。

1.Dataverseにテーブルを追加し、カラムを作成します。Power Appsのテーブルから作成し、テーブル名:D365BVResourceで作成、カラムを追加。Unit CostとUnit PriceはDecimal、それら以外はTextで作成。

追加カラム:Number、Name、Type、Base Unit of Mesure、Unit Cost、Unit Price、Job Title

2.Importをクリックして、連携するデータ元を登録。

DataverseのメニューでImportをクリックする

3.データソースを選択します。Business Centralからデータをインポートするため、今回はODataを選択。もしかしたらWeb APIでも行けるかも(未確認)。

OData選択

Data Source選択

4.今回はBusiness CentralのWeb Serviceページに作成したResourceページのURLを登録します。Web ServiceにResourceが無い場合、登録してください。URLとCredential情報を登録(認証をする)したら、次へ進みます。

Connect to Data SourceにURLとCredentialを登録する

Connect to Data Source

5.Power Queryなので、データが取得できればプレビューで確認します。確認し問題なければフィールドのマッピングを行います。マッピングができれば次へ進みます。

フィールドのマッピングを行う

Column mapping - Choose destination settings

6.更新方法を選択する画面になります。自動的に更新したい場合、タイマー設定が可能。

更新設定

Refresh Settings

今回は手動で設定します。

7.Dataverse画面に戻るので、編集をクリックし、テーブルの詳細画面に進んでから「Refresh」をクリックすると、Business Centralからデータがインポートされデータの同期ができます。

Dataverseのテーブル「D365BCResource」にBusiness CentralのResourceデータを同期

Dataverse Table

以上の方法で、Business CentralからDataverseへデータを連携することができます。

PS. Power Platform関連は、Copilotがあるためか名称や機能がポコポコ変わるので、Refresh?Reload?Publish?とかわからなくなります。実務で使う場合、テストして確認してからのほうがいいです。ドキュメント作成してから変わることもありますね。。。

 

Directions EMEA 2024参加

2024/11/6 - 8に開催されたDirections EMEA 2024に参加してきました。Directions EMEAとは、Dynamics 365 のパートナーが集まり、主にDynamics 365 Business CentralとPower Platformの情報を中心に、最新の技術やビジネス戦略を共有する国際的なカンファレンスです。現在、Dynamics 365 Business Centralを利用している企業は、40,000社と発表がありました。

Welcome to Directions EMEA 2024 in Vienna

Welcome to Directions EMEA 2024

Directions EMEA 2024

このDirections EMEAは、毎年開催場所が異なり、今年はオーストリアのウィーンで開催されました。Share the futureということで、今回のDirections EMEA では、AIとCopilot、そしてCopilot Agentsが中心だった印象が強く感じられました。AIとCopilotは1年前からすでにM365やAzureでも導入が進められており、新しくAgentsというユーザーの代わりに処理を進めてくれる機能が来る、ということです。すでに、プレビュー機能として、Excel向けにCopilot for Finance やOutlook向けのCopilot Agents機能があります。

Key Note 1 at Directions EMEA 2024

Key Note 1 at Directions EMEA 2024

Business CentralにもAgents機能が搭載されていく予定で、ユーザーの代わりにメールを理解し、Sales Orderを自動で作成してメールへの返信機能を作ってくれる、といったデモが行われました。ユーザーは、Business CentralのAgentによって作成されたSales Orderを確認し、メールの返信内容を確認して、Sales Order Confirmationを作成して添付まで行ってくれます。あとは相手側へメールを返信する行為をユーザーが行います。今までメールを見ながら作成していたSales Orderのドキュメントは全てCopilot Sales Agentが、受け取ったメールを解析して全て進めてくれます。ユーザーは、確認が必要な作業となります。これはすごい。問い合わせのメールに、見積が欲しいと書かれていれば、Sales Orderではなく、Sales Quoteを作成し、返信メールを作成し、BCに作成したSales Qoutesを添付してくれます。2025年中に、対応言語は英語のみですが、これらの機能をBusiness Centralに追加される予定です。単純な受注業務、見積業務が捗ってくれそうで、複雑な案件に注力できる時間を確保するのに役立ちそうです。
日本語の対応は、英語版よりも少し遅れてしまいますが今後楽しみな機能です。

Copilot Sales Agents - Sales to Cash on Business Central

Copilot Agents (Sales to Cash)

Sales to Cash - Copilot Sales Agent

Sales Order Agent

 

他にはWordのレポートレイアウト機能強化や、温室効果ガスの排出量計算やレポートが作成できるサステナビリティ機能対応、Power BIレポートの追加など新しい機能や導入方法の紹介、Power Platformの開発・連携についてのセッションがありました。

2025年にはDirections Asia 2025がタイのバンコクで、Directions EMEA 2025がポーランドのポズナンで開催されます。ポーランド開催は、7、8年ぶりだとか。

Directions Event in 2025

2025年のDirectionsイベント

この時期の外気温が2〜10℃でしたが、会場は活気にあふれていました。写真はスマートフォンフォのカメラで撮りましたが、5、6年前のスマートフォンなので、あまりよく撮れず。。。このようなカンファレンスに参加できたことはとても嬉しく、機会があれば次回も是非参加したいです。

ウィーン街中

 

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