2006年 09月 11日
Leadershipを科学する? 1 |
研修でDallasの空港ホテルに缶詰中。
ホテルは空港ターミナルから2分、というか空港の一部、部屋の窓からは煌々とLong Term Parkingの灯りが真下に見える。便利だけど、空港ホテルってなんていうかどこに泊まっても全く印象が一緒で、情緒なし。
けれど、空港を降り立ってシャトルを待っている間のむんむんとした暑さと湿気で、Texasだなぁーとしみじみ。ちょうど1年前もDallasに来た故、なんとなくなじみがある暑さなのです。暗くなってからもむっとするこういう暑さって西海岸の沿岸部では決して経験しないもので、なんとなく東京が思い出されます。
研修中はかなり早い時間に開放されることで、読みたかった本と、山ほどの仕事を持ってきてしまいました。というか、リモートで仕事しないとどう考えても今やっている仕事が追いつかないし、すでにこの1週間の研修の「夜」は、仕事のキャッチアップのためのバッファとして考慮に入れてしまってました。まあ、適当に飲みに行ったりして、普段ここのエンゲージメントで散り散りの同僚ともキャッチアップしながら、あいだ見てちょこちょこBlogもアップしたいと思います。それにしても7月8月、仕事している形跡のあるエントリーが全然ありませんね。夏の割りに結構忙しかったのになぜだろう。。。
さて、現在、先週全く手をつけられなかった研修のPre-Workを仕上げている途中。今回の研修科目の中に、Becoming a more effective leaderというワークショップがあって、その中で「自分がどういうタイプのリーダーであるか、どのように自分のリーダーシップを向上することができるか」というフィードバックをもらうことになるんだけれど、そのための事前準備として、いかなるシチュエーションで、どのような対応を自分がするか?という、質問集みたいなものをWeb上で完成させておかなければいけないのですね。
大上段に構えたリーダーシップ論ではなく、これはマネジャーとしてプロジェクトを率いるレベルでのモノといいましょうか、きわめて現実風味。これで自分が「どういったリーダーか」と評価されるのかはちょっと興味あり。
Your task force has been working hard to complete its division-wide report. A new member has joined the group. He must present cost figures at the end of next week, but he knows nothing about the report requirements and format. He is eager to learn more about his role in the group. You would ...
A) Tell him exactly what is needed. Specifiy the requirements and format. Introduce him to other task force members. Check with him frequently during the week to monitor progress and to specify corrections.
B) Ask him if there is anything you can do to help. Introduce him to other task force members. Explore his ideas for "getting up to speed" on the report. Check with him during the week to see how he is doing.
C) Specify the report format and required information and solicit his ideas. Introduce him to each task force member. Check with him frequently during the week to see how the report is progressing and to help with any modifications.
D) Welcome him and introduce him to members of the task force who could help him. Ask him to check back if he has any problems.
これがたとえばCが正しい、と自分が思ったとして、理想的な形で助言をしたりできるかは又別。というのはあるにせよ、自分のやり方の性向というのはでるし、「心理テスト」と同様、どういうフィードバックが自分にくるのかもちょっと検討がついて苦笑い。
自覚症状として、私は下のスタッフに仕事をDelegateするのが上手でなく、説明しにくいことは自分でまる抱えしてきた期間が長い。アメリカに来てその傾向は顕著になり、そもそも何をすべきかがクリアでないと他人に説明して何かをきちんとやらせる、しかも英語でというのがなかなか難しいことだったため、自分でやったほうが早いと逃げてしまってきた。
ただ、それで仕事量的にものすごくしんどい羽目に数回陥り、以降意識して部下に「ちぎって投げ」をするようにしてきた。「まる投げ」まではまだできない。
それもまたしんどい。向こうが勘違いしてきちんと仕上げてこなかったとき、「自分の説明が悪くて伝わらなかったかしら」と思ってしまうと強く出れず結局尻拭いを全部やったり。。。けれど、かなり細かくOutlineを作って、「ここまでできたらいったん私にメールで送って見せてね」とか言うことを繰り返していると、エンゲージメントを完成させていく過程で向こうの理解力も飛躍的に上がるのも感じ、そうすると、最初は遠回りに感じても結果この方が早いな、と思うにいたったわけで、今の私のやり方はかなり細かいインストラクション与え、細かくレビューをすることで回っている。やっぱり時間はかかるけど。
というわけで、いくつかの質問で、よしあしを別として私はなんでも「なにが自分がほしいかというStepを細かく説明して、Frequentlyにチェックして。。」という回答をした。おそらく、もう少し部下にDelegateしないと彼らをMotivateできないとかいうフィードバックをもらうことだろう。が、まあ、リーダーもまた成長過程にあるわけで、さらに大枠での部下管理がアメリカの風土の中でできるようになるのには、私はもう少し時間がかかりそう。
日本では、リーダーシップって人柄で語られることが多く、こうやって細かく指示を出す私みたいなタイプって「リーダーの器じゃない」といわれてしまって、それ以上の議論がないだろうな、と思う。
まあ、マネジメントレベルだと確かにそうかもしれない。会社を率いるというのはリーダーシップの「テクニック」だけではない「何か」が確実に必要だと思う。ただ、それより下のレベルでは、結構、「テクニック」と「意識」でさらに効果的なリーダーになる術もあると思う。
けれど、日本では「現場主任者」レベルで、こうやったら合理的ではないか、あなたはこういう管理をするけれどさらに効果的な管理方法があるんではないか、という議論はあまりされていない気がする。ちょっと代替するのはお酒の席でのトークで「あの部下の仕事の進め方はどうかと思う」「あのボスのやり方は気に食わない、俺ならこうやる」とかいうもの、なんだけれど、そういうのって吐き出される一方で、もしかしたら有益な議論の土台になりうるものも全て新橋あたりの上空に吸い込まれてしまっている。。。ような気もする。
吐き出すことで日々の鬱憤を晴らすという意味はわかるんだけれど、「吐き出す」ことに非常に多くの自分の時間を使っているのに、相手が同じレベルの同僚だけで、「うまくいかないならじゃあ自分はどうすべきか」という議論はあまり無く「その場で愚痴って気を楽にしてまたストレスフルな職場で同じことを繰り返す」という対処療法的な対応になっていること、そして、「俺ならこうやる」があっても、何も会社の上や下に対する何かのアクションを起こさないという姿は、日本にいたころから非常に違和感があったのでした。。。まあ、こういうこといっていると、「君はもう日本で働くの無理」って言われちゃうかも知れませんけれど(苦笑)
そういう部分までたたき出して議論にあげるのはアメリカっぽいと私は感じ、研修をたかだか2時間やったら何が変わるとかいうわけではないけれど、まあ、せっかくなので面白い議論になると良いな。
それ以外の研修のほとんどは新しい監査用のツールの使い方とか新しい会計監査IssueのUPDATEで、たまには会計ネタもUPしたいですね(いちおう会計系Blogのはずなんだし、これ。)
by lat37n
| 2006-09-11 11:06
| Work in America