2005年 10月 08日
Happy Hour |
9月から10月にかけて、College Graduates、Busy Seasonを見越した中途採用、そして各国提携事務所からのExchange Programの参加者のいれかえ、ということでどっと人が増え、フロアも増えたこともあって誰が誰なのかわからないという状況に。ということで、週末にかけて頻繁にHappy Hourをおこなって若手の顔合わせをしていました。このところ忙しくて顔を出していなかったのですが、すでに古株に数えられるものの1名としてそれではまずいか。。。と腰を上げ、今週は参加。
Happy Hourといったら通常は、平日の5時から7時とか、早い時間にのみに行くとビール1杯$1とかいうお店のことを言うのですけども、うちの会社でHappy Hourというと、木曜か金曜の6時くらいにここのBARにいるよー、これる人はおいでよね。という気楽なかんじ。
アメリカの会社の飲み会は基本的にBarでスタンディング、つまみなし、ガールフレンドや家族、友達も連れてきてしまったりして非常に気軽な雰囲気。運転して帰らなくてはいけない人が多いこともあって皆そんなに飲まず、別に飲むことも強制はされないし、まあ、スタンディングなんでうろうろしながらいろんなひととおしゃべりします。
これになれちゃうと、日本の会社飲みに付き合うのは面倒になりそうだなあ。。。
昨日はGordon Biershという地ビールの飲めるビアホールで、オフィスから近いこともあってHappy Hourの定番。ここは、ガーリックフライと生ビールをGiantsのホームグランド、SBCパークにおろしている店でもあります。アメリカなジャンクフードとビールを楽しむのにはいいお店。
もともと移民の多い街で、さらに人手不足もあって今世界各国から人が集まっている私の事務所、今、非常に人種・出身地のDiversityが高い状態。
先日あるプロジェクトのキックオフをしたら、パートナー以外全員アメリカの外で生まれている7人ということがありました。
エンゲージメントマネジャー:米国に帰化したイギリス人、シニアアソシエイト:南アフリカからのExchange、日本人(わたし)、アソシエイト:中国系カナダ人、台湾系アメリカ人(生まれて3ヶ月でアメリカ来たからボクはABC:America Born Chineseだといっている)、グリーンカード保有のウクライナ人、インド系アメリカ人(パラオ生まれ)。このままGAPのコマーシャルになりそう。。。
私はこのごたまぜな雰囲気は好きですが、移民を多く受け入れているということはこの時勢会社にとっても大変なことで、年初にOffer Letterを出したサウジアラビアの男性、イミグレーションの許可がおりず半年間入社をまっているそうです。
そして、たまに思い出すこと、アメリカに行く前に、職場から数年、アメリカに赴任していた先輩が「アメリカでAuditorとか、Accounting Firmで働いているなんて、Big4とかなんとかいったって所詮は移民の仕事で、一流の仕事じゃないから。。。クライアントにも大事にされなくて嫌な思いすると思うし、そんなに優秀だと思う人にも俺は会えなかったね」と、とてもネガティブなことをいわれたこと。
それはある意味本当で、資格者というと表面的にしても先生とよんで非常に丁寧に接してくれる日本でだけ仕事をしてきた人が、「資格」というものに実質的な意味はほとんどもたないアメリカの監査法人で仕事をしたら、その差を埋めるのにかなりの部分、自分のアイデンティティを見直すことにはなるかなとは思います。
でも、アメリカの先輩である、その彼は一部しか見えなかったのかな。。。と思うのです。まず、カリフォルニアと東海岸の一部大都市では移民の仕事なのかもしれませんが、ひとたび全アメリカから人があつまれば、それは単純にアメリカの人種構成をある部分できった断面に過ぎない。。。圧倒的多数の白人(おそらくは200年以上はアメリカに住んでいるヨーロッパ系)と一握りのアジア系(この地での歴史が100年未満か)。アフリカ系とラテン系のPublic Accountantはほんとうに珍しい、とか。
この国は広いので、自分の住んでいるエリアだけ見て「アメリカは。。」という発言をするのは、結構気をつけたほうがいいなと常々思うしだい。
そして、自分も移民なんだ、この国では何の後ろ盾もないのだ、ということを、ビザのプロセスから、クレジットカードが最初一枚も作れないという事実から、アパートに入居するのに多額の保証金をもとめられることから、問われて大学名をいえば「そりゃどこの田舎の学校か」という顔をされることから、英語が下手なために子供扱いされたことから、ひしひしと感じてきましたけれども、日本にい続けたらしなかったであろう、マイノリティとなったときの自分の考え方、行動というものを知れて、私は貴重な体験だったと思っています。
そういうことも原因のひとつで、アメリカに住んで、アメリカ嫌いになってしまう日本の方も多いと思うのですが、それを、単に不愉快だった、と切り捨てるのではなく、自分の糧になったのであればと。
FOBという言葉があります。最初見たときは、Free On Board(本船渡し、荷主はその運送に責任を負わないことをあらわす語)の略しか思いつきませんでしたが、これにはFresh Off The Boat、魚くさい奴ら、という、特にアジア系の移民に対する蔑称でもあります。(Boatにのって流れ着いたばかりという揶揄なのでしょう)
だからどうなの?と私は思うんですけれどね。
それを恥じる気はさらさらない。FOB上等、私はここの暮らしは気に入っているけれど日本に誇りをもっているし、別に、無理にアメリカナイズされたいと思わないです。それでもちゃんと自分で稼いで自分の生活をここで築けてるわけだし。
移民だからどうだといえば、この国は歴史からして移民だけで成り立っているわけで、その差は「何年いるのか」ということだけ。
50年後には勤勉なアジア系に多くの一流企業が占拠されてしまう事態も考えられます。300年後には人種混合がすすんでアメリカ人=エキゾチック国籍不詳顔になっちゃったりするかも。面白いですよね。
なんてことを考えながらビールは2杯程度にとどめ、新人の可愛い男の子を、ウクライナ人のアソシエイト(茶目っ気のある性格だけど、すごい美人)と二人がかりでからかってすごしたあと、オフィスに戻ってしばし仕事。
・・・今週末は休日出勤確定なんだよなあ。。。とほほ。
by lat37n
| 2005-10-08 07:02
| Work in America