誰にでもいずれは訪れるのが厄年。
男性の場合は、数え年で25歳、42歳、61歳が本厄で、その前の年が前厄、後の年が後厄となります。
また、女性の場合は、数え年で19歳、33歳、37歳が本厄で、その前の年が前厄、後の年が後厄となります。
特に男性の42歳、女性の33歳は大厄と呼ばれ、災難に遭遇する確率が高いと昔からいわれています。
なので、大厄の時は、厄払いのために厄除けのご利益がある神社にしっかりとお参りしておきたいですね。
今回の記事では、京都にある比較的有名な厄除けのご利益を授けてくれる神社を11社紹介します。
1.八坂神社
京都で最も有名な厄除けのご利益を授けてくれる神社が、東山区に建つ八坂神社です。
祭神として祀られているのは、素戔嗚尊(すさのおのみこと)です。
素戔嗚尊は、疫病や水難などの災厄から守ってくれると信仰されています。
境内の東側に建つ悪王子社には、素戔嗚尊の荒魂(あらみたま)が祀られているので、こちらにも忘れずにお参りしておきたいですね。
八坂神社の夏の行事である祇園祭も疫病退散のために行われたのが、その起源とされています。
7月17日の神幸祭の後から、24日の還幸祭の前まで、四条寺町の御旅所に3基の神輿が置かれますが、そのうちの中御座の神輿には、素戔嗚尊が乗っているので、この期間は四条寺町の御旅所にお参りすると良いでしょう。
また、祇園祭の最後の日である7月31日には、境内にある疫神社(えきじんじゃ)で疫神社夏越祭が催され、参拝者は設置されている大茅輪(おおちのわ)をくぐると厄気を祓うことができると伝えられています。
なお、祇園祭の山鉾のうち以下の山鉾が厄除けのご利益があるとされています。
- 前祭
長刀鉾、蟷螂山(とうろうやま)、函谷鉾(かんこほこ)、伯牙山(はくがやま)、油天神山、鶏鉾、白楽天山、四条傘鉾、月鉾、山伏山、放下鉾(ほうかほこ) - 後祭
北観音山、南観音山
前祭は7月14日から16日まで、後祭は7月21日から23日までが宵山なので、この期間に上記山鉾を見に行き、お守りなどを授かるのも良いですね。
2.吉田神社
京都市左京区の吉田神社は、節分で有名な神社です。
厄年に当社の節分祭に参加すれば、厄払いできることまちがいなし。
節分祭の日には、八百万の神さまを祀る斎場所大元宮にも参拝でき、ここにお参りをしておけば日本全国の神々を参拝するのと同じくらいのご利益を授かれるといわれています。
節分の前日の夜に行われる追儺式(ついなしき)では、赤、青、黄の鬼が登場し、桃の弓に蘆の矢で鬼たちを追い払います。
また、節分の日の火炉祭(かろさい)では、神札や縁起物などを忌火で焼き、火の力で悪いものを追い払ってくれます。
貞観元年(859年)に平安京の守護神として創建されて以来、厄除けの神さまとして信仰されており、ご祈祷では厄除けのお祓いもしてもらえます。
3.上賀茂神社
京都市北区に鎮座する上賀茂神社は、正式には賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ)という京都で最も古い神社の一つで、祭神として賀茂別雷大神(かもわけいかづちのおおかみ)を祀っています。
賀茂別雷大神は、いかづちの御神威により、厄を祓いあらゆる災難を除いてくれる厄除明神として古くから信仰されています。
御所から見て表鬼門に当たる上賀茂神社は、都が平安京に遷されてから、王城鎮護の社として長い間、京都を守ってくれている神社なので、厄除けだけでなく方除けのご利益も大いに期待できそうですね。
もちろん厄除けのご祈祷もしてもらえます。
また、神代の昔に神さまが降臨した境内の背後の神山(こうやま)をかたちどったのが、細殿の前の一対の立砂(たてずな)で、鬼門に清めの砂をまくのは、この立砂の信仰が起源とされています。
上賀茂神社に厄除け祈願に参拝した際は、立砂も拝んでおきたいですね。
4.下鴨神社
上賀茂神社とくれば、左京区の下鴨神社も挙げておかなければなりませんね。
下鴨神社は、正式には賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)といい、その西殿に祀られている祭神の賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)は、導きの神さまとして厄除けのご神徳があると信仰されています。
平安遷都以降、朝廷の崇敬が厚く、やがて、王城鎮護の社として敬われるようになりました。
また、境内の御手洗社では、土用の丑の日に御手洗祭が行われ、御手洗池に足をつけると疫病を追い払えると伝えられています。
厄除けのご祈祷もしていただけるので、厄年の方の参拝におすすめです。
5.上御霊神社
京都市上京区の上御霊神社(かみごりょうじんじゃ)は、非業の死を遂げた人々を祭神として祀っています。
平安時代は、怨霊が疫病や天変地異を起こすと考えられていたため、恨みをもって非業の死を遂げた人々を神社に祀ると、災厄が去ると信仰されていました。
上御霊神社の本殿に祀られているのは、以下の八座です。
- 早良親王(さわらしんのう)
- 井上内親王(いのえないしんのう)
- 他戸親王(おさべしんのう)
- 藤原吉子(ふじわらのきっし)
- 橘逸勢(たちばなのはやなり)
- 文屋宮田麿(ふんやのみやたまろ)
- 火雷神(からいしん)
- 吉備真備(きびのまきび)
7番目の火雷神は、6番目までの祭神の荒魂(あらみたま)で、北野天満宮の地に祀られていたことから菅原道真と結びつけて考えられています。
ちなみに上御霊神社は、応仁の乱の勃発地としても知られています。
上御霊神社に祀られている八座にお参りをしておけば、厄除けのご利益を授かることができるでしょう。
6.白峯神宮
京都御所から北西に少し歩いたあたりに建つ白峯神宮は、球技が上達する神社として知られていますが、厄除けのご利益も授けてくれます。
祭神として祀られているのは、崇徳天皇です。
崇徳天皇は保元の乱の後、讃岐に島流しとなり、かの地で非業の死を遂げ怨霊になりました。
上御霊神社と同様にその怨霊を鎮めることで、祟りがなくなると信じられ、明治に改元する直前に崇徳天皇の霊を京都に戻して当社に祀りました。
平安時代末期に亡くなった崇徳天皇の神霊を明治の直前になって京都に戻そうとしたのは、それだけ、崇徳天皇の祟りが人々に恐れられていたからと考えられます。
祟りが恐ろしければ恐ろしいほど、その神霊を神社に祀ることで、大いに厄除けのご利益が期待できそうですね。
7.北野天満宮
京都市上京区に建つ北野天満宮は、学問の神様の菅原道真を祀っていることから、学業成就のご利益で有名です。
菅原道真も藤原時平の讒言によって大宰府に左遷され、そこで無念の思いを抱きながら亡くなったことから、怨霊になったと伝えられています。
道真の死後、京都では皇太子2人が亡くなり、また御所の清涼殿への落雷で貴族が2人死亡するなど、様々な災厄が起こったため、彼の怨霊の仕業と噂されるようになります。
その怨霊を慰めるために道真の乳母と伝えられている多治比文子(たじひのあやこ)が小さな祠を建て、そこに道真の霊を祀ったのが北野天満宮の始まりとされています。
北野天満宮が建つ地は、農民が天神を祀っていた場所だったことから、菅原道真を天神として崇敬するようになったと言われています。
北野天満宮は、全国1万2千ある天満宮・天神社の宗祀ですから、北野天満宮にお参りをすれば、大いに厄除けのご利益を授かれそうですね。
厄年にあたる方のご祈祷もしてもらえます。
8.長岡天満宮
長岡京市の長岡天満宮にも菅原道真が祭神として祀られています。
道真が太宰府に左遷されるときにこの地に立ち寄り名残を惜しんだと伝えられており、彼の死後、家臣たちが聖廟を建てたのが当社の始まりとされています。
境内東の八条ヶ池はキリシマツツジの名所で、初夏に参道が真っ赤になることでも有名ですね。
北野天満宮と同じく厄除けのご祈祷をしてもらえます。
9.石清水八幡宮
八幡市の石清水八幡宮(いわしみずはちまんぐう)は、京都の裏鬼門を守る神さまとして信仰されており、伊勢神宮に次ぐ国家第二の宗廟として皇室の崇敬が特に篤く、また、清和源氏をはじめ全国の武士が尊崇してきた歴史ある神社です。
平将門の乱、藤原純友の乱、元寇などが起こるたびに朝廷より直々の祈願があり、八幡大神のご神威により速やかに平定されたといわれています。
そのため、石清水八幡宮は、全国屈指の厄除け参りの神社として信仰されており、様々な厄除けの祈願をすることができます。
天元2年(979年)の円融天皇の行幸をはじめ、240回以上も天皇の行幸や上皇の御幸があった石清水八幡宮ですから、そのご利益も大いに期待できることでしょう。
また、石清水八幡宮では、厄除けのご祈祷を受けることができ、その際には、石清水社のご神水もいただけますよ。
1月中旬に行われる厄除大祭の期間中に参拝すると、厄除けのご利益を大いに授かれそうですね。
10.日向大神宮
京都市山科区に建つ日向大神宮(ひむかいだいじんぐう)も、厄除けのご利益を授けてくれます。
明治維新までは、粟田口神明宮や恵美須谷神明宮とも呼ばれていました。
山の中の自然があふれる場所に鎮座しているので、参拝するだけで、心が晴れ晴れとした気持ちになりますよ。
内宮には天照大神が祀られ、また、天の岩戸くぐりをすると開運厄除けのご利益があるといわれており、節分に最も厄が抜けると伝えられています。
11.大原野神社
京都市西京区の大原野神社は、延暦3年(784年)の長岡京への遷都にあたり、桓武天皇の皇后の藤原乙牟漏(ふじわらのおとむろ)が、奈良の春日大社の分霊を遷し祀った神社です。
大原野神社は、平安時代に都の守護神とされ、また、藤原氏の氏神でもあったことから大いに栄えました。
神社では、厄払いのご祈祷を受けることができます。
以上が、比較的有名な厄除けのご利益を授けてくれる神社です。
京都市内で厄除けのお参りをするのなら、八坂神社が、交通の便が良いですね。
厄年は、人生の節目となりやすい年齢でもあるので、気持ちを新たにするためにも、神社に参拝すると良いのではないでしょうか。
なお、厄除けの贈り物をされる場合は、肌身離さず持てるもので、長いもの、うろこ模様のもの、7色のものが良いといわれています。
男性の場合だと、ネクタイやベルト、女性の場合だとマフラーやスカーフ、ネックレスなどのアクセサリーが厄除けの贈り物としては適していますね。また、うろこ模様のものだと、わに革の財布などが喜ばれるのではないでしょうか。