『アベンジャーズ/エンドゲーム』を観たの

こんつわ。MCUの単位取り立てほやほや、にわかマーベルファンです。周りから漏れ聞こえてくるエンドゲームの評判が頗るよろしいので俄然興味がわいたんですけど、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)シリーズのうち、たった7作品しか観ていない自分には充分楽しめるわけがないと思い、ゴールデンウィーク中に、『キャプテン・マーベル』を除くMCU全20作品を一気鑑賞してエンドゲームに備えました。キャプテン・マーベルはつい先月末まで公開してたばっかりなので、Blu-rayも配信もまだ観られません。残念。観たかったー。

 

MCUという発明

エンドゲーム観終わって、すごいカタルシスを得ました。これって、21もある大量の作品群がクロスオーバーしてるからこそ得られるカタルシスであって、タイトルに「アベンジャーズ」って付いてる作品(4作品ある)だけ観ても、やっぱ全然ダメなんですよね。この辺、近いなと思ったのが、『24』から日本でも大流行した海外ドラマの鑑賞感でした。

 

24は1シーズン24話で、それ全部観てやっとひとつの作品ですよね。 なので、『クリミナル・マインド』とかの方がもっと近いかもしれない。基本、1話完結で、たまに2~3話を費やして完結したりしながらも、シーズン通してずっと追い続けるぶっとい柱(超大物の犯人)があるというタイプですね。これを観た感じにすごく近い。シーズンまたぎでは驚愕の展開があって、次もまた観たくなってしまうっていう、いわゆるクリフハンガーという手法もちょっと似てる。インフィニティ・ウォーからエンドゲームは正にそれでしたよね。

 

それを映画で、しかも単体でも充分やってける各ヒーローの映画でまとめあげてくのは、すげえ仕掛けだなと、当たり前すぎる感想がまずひとつ。でもこれ、1作品といえどもすっ飛ばしちゃうとストーリーについていけなくなっちゃうので、観る側の参入障壁とも言える。他社が真似してもそう簡単にはいかない。

 

そう簡単にはいかない試みで、歴代興行収入ぶっちぎりのNo.1をとってるのは単純にすげえなと思いました。実際すごすぎる。3話完結シリーズとか作ってきた今までの作品世界では到底太刀打ちできないスよこんなん。散漫になりすぎるのが目に見える。実際、ウルトロンあたりではそんな雰囲気になってましたし。それを最後、エンドゲームでまとめ上げるには脚本で相当な力業が必要。すげえなと思います。

 

ほいでね、特に自分の場合は『マイティ・ソー』のキャラクターたちに対して顕著だったんですけど、最初めっちゃ文句たらたらだったんですね。でもエンドゲームまで見続けると、もうなんか愛着湧いちゃってて、許せちゃってるんですよ 笑。これね、『24』の初期シーズンにおける、大統領の妻とか、ジャックの妻とか娘の役割なんですよね。「もー、あいつらマジ要らないわー。ストレスだわー。さっさと死んで物語から退場してほしいわー」とか思うんだけど、そういう反感自体、友達との愚痴り大会自体がコンテンツになってて、なんか逆に、それなしでは物足りなくなってくるっていうね。

 

21作品観たら軽く45時間くらいかかるけど、ゲームにハマって200時間とか普通にあることだし、海外ドラマも10シーズン200時間とかありますからね。「映画にはそういうのは求めてない!」みたいな先入観をぶっ壊してくれた、ハリウッドの発明だなーと思いました。

 

【警告】

自分はどこまでがネタバレで、どこまでがネタバレではないとかの感覚がどうやら常人とだいぶ違うっぽいので、これからMCUシリーズを観ようとしてたり、エンドゲームだけまだ観てなかったりの人は、以下の文章は読まない方がいいと思います。危険です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エンドゲームは何回鳥肌立ったかわかんない

序盤はインフィニティ・ウォーの大惨事を引きずってて、やたらシリアスで重かったでしょ。まあ、ソーやガーディアンズの小ネタでちょこちょこ緩和してくれてたとこもあるけど。

 

で、どうやってこの重苦しい雰囲気を挽回するのかなーて、インフィニティ・ウォーを観た直後は「時間を巻き戻す緑の石でなかったことにするのかな」もしくは、「アントマンの量子世界でタイムトラベルして、チャラにするのかな」て思ってたんですよね。結果的に後者が近かったんですけど、チャラには出来ないのね。これすっごい重要な事ですよね。

 

その辺の理屈は、あんまり理解できてないんですけど(笑)、バナーが言ってた、「過去に戻っても、その過去に戻った人間の主観ではそこは未来なんだ(意訳)」っていう話で無理矢理納得させられた 笑。つまり、指パッチンで死んだ宇宙の半分の命は、死んだことが無しになるのではなく、時間を遡って石を集めて石のパワーで5年後の世界に復活させると。言ってておれもわけわからんけど、とにかく今までのSFであったタイムトラベルの概念とは違うのだということが、提示されて、そのせいでめっちゃ最後の戦いの意味が大きくなって、手に汗握る展開になるんスよねえ〜。

 

ほいで、キャプテン・アメリカがあの武器を手に取ったシーン!! あそこでぶわーっ鳥肌立ったね。スーパーソルジャー化されてるとはいえ、ただの一地球人に過ぎないスティーブが、あれを自在に操ることの意味!  「ソー、おまえ能力インフレしすぎでズルいんだよ」感を帳消しにする、スティーブの大化け感。いやー、そりゃ相応しいわ。キャプテン・アメリカの男気、正義感を、丁寧に丁寧に何作も見せられて、心からファンになっていたからこそのカタルシスだよね。

 

だってさー、キャプテン・マーベル、いきなり出てきて強すぎじゃない? ソーどころじゃないインフレじゃん。いや、前作観てる人からしたらポッと出の新人じゃないのはわかるけど、じゃったらアイアンマンより先に公開しておいてもよくない? みたいな、ズル感あるんですよキャプテン・マーベル。顔も態度もえらそうだし 笑。初めから強いやつが強さ見せつけても、全然グッとこないんですよ。

 

その点、スティーブは、正義感や愛国心しかなくて、兵役検査にも落ちてしまうような、チビで運動できないガリガリのモヤシだったわけじゃないですか? あのスティーブがここまで! ここまできたか! っていうね。たまらないですよね。ここ最大の見せ場だったなー。

 

そこまできても、ヴィブラニウムの盾破壊されて、もうおしまいだーみたいな感じになったところでの、アベンジャーズ復活な。や、スタークが指パッチン完成させた時点で復活してくるのはわかってるわけで、あとはいつ来るかなってタイミングの問題だったわけですけど、あのモヤシのスティーブがあの武器ぶんぶんして、それでも勝てないっていう絶望からの大逆転。最高にグッとくるタイミングでの登場。わかってるわー。完全にわかってる人たちですわ。

 

あとはね、スタークとピーターのハグな。これ、ホームカミングで伏線張ってるじゃないですか? 車から降ろそうとして手を伸ばしたときに勘違いしたピーターに対して「ハグはまだ早い。そこまで親しくなってない」って言う笑いどころのやつ。あの冷たい感じからの、エンドゲームでのハグ。それも、あんなに若い有望な子を、自分のせいで失ってしまったという自責の念にかられていたスタークが、心からのハグをしたわけで……。うっうっ……。そりゃ泣けますよ。映画館でも周りの人たち嗚咽してたもん。

 

あと、ちょーっとあざとかったけど、最後の聖戦の中において突然出現する女子会な! ハリウッドは女性が輝ける社会を応援しています! みたいな、力強い、だがそれゆえにメッセージ色強すぎてちょっとあざとく感じちゃう女子大集合はかっこよかったですよね。特にペッパー・ポッツ。また来たかあんた!っていう 笑。なんだかんだ言っても強い女のかっこよさは、強い男の7割増しですから。大型バイク乗ってる女の人のかっこよさは、男のそれをはるかに凌駕する理論と同じです。あそこも鳥肌ポイントでした。

 

なんか、もう一回観て、もっと鳥肌ポイントを丹念に書き連ねたい。もっとたくさんあった。最後の戦い以降はもう数え切れないくらい。

 

でも基本、こういう鳥肌演出って、定型で簡単に作れるものではある。そこに白けることもあったりするけど、そう感じることなく、本当に感動で鳥肌が立ってしまうのは、キャラの掘り下げを追ってきて、充分に愛着が湧いていたからこそなんですよねえ。21作品で積み上げてきた、愛着! 哺乳類の特性! おっぱいが嫌いな哺乳類がいないように、何度も一緒に戦ってきた仲間には絶対愛着が湧いてしまうのが人類なわけで。や、観てるこっちは別に一緒には戦ってないけど、もう心の中では戦友じゃないですか。完全にね。

 

真のMCUファンから格の違いを見せつけられた

映画終わってね、ジーンとしてて、とてもじゃないけどすぐに席を立つ気にはならなくて、それだけじゃなく、MCU作品て、毎回必ずエンドクレジットの前後に、次の作品への繋がりを示すシーンや、ちょっとおちゃらけたおまけシーン入るじゃないですか? それもあるから、当然どっしりと構えてたんですよ。

 

そしたら、クレジット始まった瞬間、映画館の3割くらいが席を立って出て行ったの。「うわー! この人たち、MCU観たことないん? なんで最後のおまけ観ないん?」て唖然としたんだけど、エンドゲームに限っては、それが用意されてないんですよね! つまり、席を立った人たちはエンドゲームリピーターだったんですよ。「もう何もないからさっさと帰ろ。n回目だし」っていう。や、中には初見の人もいたかもしんないけど、多分アレはMCUマニアですね。なんか余裕あったもん。暗くてあんま見えなかったけど、おれはリピーターですよって顔してたもん。格の違いを見せつけられて、初心者のおれ、赤っ恥、みたいな感覚になりました。二回目観に行くことがあったら、颯爽と席を立ちたいと思います。

 

なんか他にもいろいろ書きたいことあったような気もするけど今日はこのくらいにしといたら。ほいじゃまた。ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…………