木走日記

場末の時事評論

左傾化著しい韓国教育界とある日本人教育者が残念な件

 今回は北朝鮮より米国を憎む韓国人の心理について取り上げたいのです。
 
 米トランプ大統領の訪韓時、韓国で激しい反米デモが繰り広げられたことは記憶に新しいです。

 実はこのとき、米国ネットユーザーが同盟国韓国の反米デモに怒りの声を上げていました。

 事の発端は、米海軍所属とみられる女性がフェイスブックで公開した「訪韓を歓迎してくれてありがとう(Thanks for the welcome South Korea)」と題する30秒ほどの短い動画です。

 在韓米海軍司令部の主催で同軍関係者らのパーティーが開かれていた釜山(プサン)のホテル近くで撮影されたとみられる動画には、韓国人の女性が米軍兵士に殴り掛かろうと手を出し、あらゆる暴言を吐く様子が映っていました。

 また、動画と共に「US TROOPS GO HOME(米軍は帰れ)!」と書かれたビラの画像も掲載されました。

 このビラには「韓国人はトランプを軽蔑し、トランプの手下であるあなたたちも嫌悪している」「よって韓国はあなたたちにとって安全ではあり得ず、武器を持ちすぐに立ち去ることがあなたたちを生かす唯一の方法だ」といった脅迫めいた内容が、米兵向けに英語で書かれていました。

(関連記事)

「韓国人は恩知らず」「米軍撤収して放っておこう」=韓国の反米軍デモに米国人がブチ切れ
レコードチャイナ 2017年10月25日 20時20分 (2017年10月28日 00時00分 更新)
https://www.excite.co.jp/News/chn_soc/20171025/Recordchina_20171025067.html

 この動画は100万回以上も再生され、この投稿は米国人の大きな反響を呼び、「米国の助けがなければ韓国は今ごろ金正恩(キム・ジョンウン)の統治下にあったはずなのに、ありがたいとも思わないのか」「北朝鮮がそのまま韓国を手に入れるように放っておこう」「韓国人は恩知らずだ」など韓国への批判が殺到していました。

 このような過激な反米デモが発生したのは、韓国進歩連帯、全国民主労働組合総連盟(民主労総)など220余りの団体でつくる「NOトランプ共同行動」という巨大な団体が、この反米デモのためだけに組織されたからです。

(関連記事)

韓国で「トランプ氏訪韓反対」大規模集会、220余団体がソウルに集結―米華字メディア
Record china配信日時:2017年11月5日(日) 11時50分
http://www.recordchina.co.jp/b202767-s0-c10.html

 この220余りの反米団体ですが、すべて文在寅(ムン・ジェイン)大統領の有力支持団体でありますから、根は深いわけです。

 支持団体の中でも全国民主労働組合総連盟(民主労総)は、韓国の労働組合のナショナルセンターであります、世界的にも有数の戦闘的労働組合として知られています。

全国民主労働組合総連盟

全国民主労働組合総連盟(ぜんこくみんしゅろうどうくみあいそうれんめい)とは、韓国の労働組合のナショナルセンターである。世界的にも有数の戦闘的労働組合として知られている。略称は民主労総。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%A8%E5%9B%BD%E6%B0%91%E4%B8%BB%E5%8A%B4%E5%83%8D%E7%B5%84%E5%90%88%E7%B7%8F%E9%80%A3%E7%9B%9F

 さてこの過激な全国民主労働組合総連盟の中でも、一際過激な組合に全国教職員労働組合(略称:全教組)があります、日本で言えば日教組に当たります。

全国教職員労働組合(略称:全教組)

全国教職員労働組合(ぜんこくきょうしょくいんろうどうくみあい・全教組)は、韓国の教職員組合の一つ。民主労働組合総連盟の主要な加盟団体。委員長はビョンソンホ。
盧泰愚政権下の1989年5月28日、真の教育(民族教育、民主教育、人間化教育)実現と教職員の労働基本権補償を求め、2万人余りの教職員の参加で設立された。しかし、法律の制約と政権による弾圧で1500名余りの教師が解職され、全教組の活動は厳しい制約を受けた。その後、合法化闘争を展開し、金大中政権下の1999年7月1日に合法化され現在に至っている。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%A8%E5%9B%BD%E6%95%99%E8%81%B7%E5%93%A1%E5%8A%B4%E5%83%8D%E7%B5%84%E5%90%88

 この全教組が思い切り左傾化しています。

 半島統一を目標に掲げ、親北朝鮮、反米・反日の過激な団体なのであります。

 韓国に左寄りの教科書が多いのは、この全教組が教科書を書くほどの力を有しているからであり、その内容は、大韓民国を米国追従の「失敗した歴史」の観点で眺め、一方、北朝鮮政権に対しては友好的な見方に徹しています、その惨状を保守メディアの東亜日報が社説にまで批判したことがあります。

[社説]全教組の教師が書いた教科書、父兄は歓迎するか
http://japanese.donga.com/List/3/all/27/413272/1

 このような偏向左翼集団が牛耳っているために、韓国では今も教育現場では反日と共に反米教育が盛んであり、そのような過激集団が大統領支持団体として、大手を振って激しい反米デモを繰り広げているわけです。

 北朝鮮より米国を憎む韓国人の心理は、このように教育現場から育まれています。

 全教組による教科書の左傾化はとどまるところを知りません。

 最近では朝鮮戦争時の韓国系兵士の話が、教科書から削除されたそうです、理由は「キム・ヨンオクが米国市民権を持つ人物で、米軍の将校として6・25に参戦したことが問題」だそうです、北朝鮮を打倒したことが削除理由なのだそうです。

 保守系メディアの朝鮮日報記事より該当箇所を抜粋、ご紹介。

【萬物相】名前を記憶する国、忘れる国

(前略)

 米国ロサンゼルスには「キム・ヨンオク中学校」という公立中学校がある。第2次大戦時に欧州戦線で戦功を立て、6・25にも参戦した韓国系のキム・ヨンオク大佐をたたえて名付けられた。彼は孤児、乳幼児、高齢者、貧しい人々のために晩年をささげた。キム・ヨンオクの物語は2011年に韓国の小学校の国語教科書に載ったが、一昨年に削除された。キム・ヨンオクが米国市民権を持つ人物で、米軍の将校として6・25に参戦したことが問題にされたという。社会が誰かの名を呼び、記憶するのは、共同体に尽くしたその人物の精神を伝承しようとする行為だ。それは共同体を守る道だ。韓国にも多くの名前がある。にもかかわらず名前を忘れ、辱め、消し去っている。まだ残っている名前はどれほどあるだろうか。

金泰翼(キム・テイク)論説委員
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/11/17/2017111701914_2.html

 米トランプ大統領の訪韓時、韓国で激しい反米デモが繰り広げられたことは記憶に新しいです。

 一部の北朝鮮より米国を憎む韓国人の心理について、当ブログとしては韓国の教育現場の行き過ぎた左傾化に理由を求めましたが、いかがでしょうか?

 ・・・

 ・・・

 さて。

 読者のみなさん。

 このように左傾化する韓国教育現場を絶賛する、著名な日本人教育者がいることを我々は知らなければなりません。

 アエラ最新号の記事であります。

内田樹「日本の教育は手遅れだが、韓国はまだ…」
https://dot.asahi.com/aera/2017111600017.html?page=1

 韓国では教育長がリベラル派主流であると説明します。

 韓国は日本とはシステムが違い、教育長は首長による任命ではなく、公選制である。3年前の公選で17の教育区のうち13でリベラル派が選ばれ、以後各地で教育改革が進んでいる。公選された教育監の多くは教員出身で、中枢的な管理を抑制し、現場の自由裁量に委ねる方向に韓国の公教育は今動いている。

 「韓国でリベラル主導の教育改革が進んでいることを日本のメディアはほとんど報じない」と指摘します。

 日本とは向かっている方向が逆である。私のような人間が招聘(しょうへい)されることからもそれは知れる(日本には私を講師に招くような教育委員会は存在しない)。韓国でリベラル主導の教育改革が進んでいることを日本のメディアはほとんど報じないから、日本の教員たちはその事実を知らないだろう。

 日本の教育の失敗について手遅れであるとした上で、韓国はまだ間に合うとまとめられています。

 私のここでの仕事は韓国が日本の轍(てつ)を踏まないように日本の失敗の歴史と構造を吟味し、開示することである。

 日本ではもう手遅れだが、韓国にはまだ方向転換するだけの時間的余裕があると思うからである。

※AERA 2017年11月20日号

 内田樹氏によれば、親北朝鮮・反日・反米で凝り固まっている左傾化著しい韓国教育界は、日本教育界よりはるかにましなのであり、「リベラル主導の教育改革が進んでいる」と肯定評価しているのであります。

 読者のみなさん。

 フランス現代思想家であり神戸女学院大学名誉教授あられる内田樹氏にして、反米・反日で左傾化する韓国教育現場を絶賛しているのであります。

 「リベラル主導の教育改革」なのであります。

 本気で肯定評価されているようです、困りました。

 北朝鮮より米国を憎む韓国人の心理について取り上げたエントリーだったわけですが、北朝鮮より米国を憎む(のであろうと推測できる)日本人教育者にたどり着いたのであります。

 どうしちゃったのでしょうか?

 かつての深い洞察力はどこにいってしまわれたのでしょうか?

 そういえば、二年前当ブログは内田樹氏を取り上げて「残念な芸風になった」と痛烈批判しましたっけ。

2015-02-26 残念な芸風になった内田樹先生
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20150226

 ここ最近の内田樹氏の知的劣化が止まりません。

 まことに残念なことでございます。



(木走まさみず)