若田部昌澄教授の「日本は復興できる」

3月28日のモーニングサテライトに早稲田大学の若田部昌澄教授が日本の復興の条件を政策提言していた。
(http://www.tv-tokyo.co.jp/nms/shincyouryu/post_1000.html)


主張は、復興財源の確保として増税に反対し日銀引き受けを行う。
その効果として円安とデフレ脱却し、景気が回復することによって財政再建にもなるというものである。
以下詳細を紹介する。

―――まず動いたのは日銀で、量とスピードは十分だったのか

金融システムを安定させる、金融不安を起こさないという意味では十分であり、迅速だったと思う。

―――ただ結果的に円高になった

そこが問題。どうしていま円高になっているのかというのが実は問題で、やはりそれは金融の緩和というところ。資金の供給ではなく、金融の緩和ということが足りないのじゃないか。メッセージとして外国人にも受け取られていると。

―――復興税は

税金は基本的に適切ではない。税金というのは基本的に政府がやっているサービスがいつも続いていると、それに対してどういう風にお金をつけるかということ。だけども今回は1000年に一度か、100年に一度かわかりませんけど、すごい大災害が起きている。一時的に支出が増えるということで、そうすると一時的に税金を増やすのかというと、問題なのは現状だと不況になる可能性がある。

―――海外の専門家も景気を軌道に乗せることが復活への近道だと言っている

IMFの対日調査団長のプラダン氏がやっぱり言っているのですけれども、やはりいま重要なのは中長期的に財政を再建するためにも、日本の経済が悪いとダメだということ。日本の経済を復興させるためには、財政支出も出すべきというのが海外の専門家のメッセージです。

―――いまの日本でどういう政策がいいのか

一番大事なのは財政政策を出すと同時に金融政策も出すということ。財政だけを出すと円高に振れていく可能性がある。円高になると被災地を含めて追い打ちをかけるようにひどいことになる。税金ではなく、公債を出せばいい。ただ公債を出すだけではなく、その資金の調達を日銀のマネーを出すことでやる、日銀直接引き受け。あわせ技。

―――効果としては

関東大震災の時と同じような効果。ここで言っていることは、関東大震災の時に行ったような政策をできるだけ良い部分も学んで現在もやればいいということ。そういうことをすると、円安によるデフレ緩和、復興需要で景気後退は軽微になるということが見込める。復興に対して力強い援軍が必要。それをマクロ経済で援軍を出していくことが大事で、それがここで言っていること。

―――国の借金が大きくなるので規律を設けなければいけない

出口の議論は非常に大事で、その事の議論をきちんとやらないといけない。例えば、インフレになることを懸念するのであれば、インフレ目標をつけるということもあり得ますし、そういう知恵はいくらでも出しようがある。