今年1年を振り返るに、一番ハマったものは「学園アイドルマスター」かなと思います。アイマスの新しいブランドが増えても今更一から追いかけるのもなんだし、シンデレラをライフワークの様に追いかけていれば良いと思っていたのですが、リリース前の一連のキャンペーンの中で面白お嬢様の匂いがする倉本千奈がだんだん気になるようになり、初めて見たらゲーム部分が思いのほかちゃんと面白く、やっているうちに遅効性の毒のように篠澤広が効いてきて、最終的には補習組推しに落ち着いたという顛末。
学マスの魅力としては、キャラクター、ゲーム性、楽曲が、最新の流行を押さえつつ高いレベルでバランスしているところだと思います。
どのキャラもこの子はこれ! という個性が強くて、それが一つ一つは短いコミュの中にぎゅぎゅっと詰まっているのが職人技だなと。初星コミュの手毬周りなんかに顕著ですが、どこかに必ずパンチラインがあって印象に残るし、かといってネタに走っている訳じゃなく、個人の親愛コミュでは適度な踏み込みで泣かせる話であったり、グッと刺さるような会話を持ってくるので、バランスが上手という印象を受けました。
それで倉本千奈なんですが、ちょっとアイドルになりたいと言ったら初星学園に入学できちゃったお嬢様で、合格者中最底辺の実力を持つという、それだけ聞くとなかなか難儀な子ではあります。ただですね、この子、愛嬌と根性があるんです。ポジティブに後ろ向きで、情けないことを自信満々に言うのが面白いのですが、初回プロデュースで当たり前のように敗退した後に、つんのめってこけながら諦めませんわ~~とじたばたしているのを見て、ああこの子はちゃんと頑張れる子なんだなと。情けないことは言うけれど、それがやらない理由にも逃げる理由にもならない。自分のちょっとした興味が大きな話になってしまって始めたアイドルにも、倉本というカンストした家柄パワーにも正面から向き合いながら、プロデューサーが導けば自分の足でしっかりと前に進める。そして面白お嬢様と満点の愛嬌と隠し切れない気品がしっかり共存して、誰からも好かれる魅力を生み出している。これ、バラエティアイドルとしては最上級だと思うんですよね。DAIGOになれる逸材ですよ。
そんな千奈のNIA編を最近クリアしたんですが、広千奈の圧倒的な濃度にひっくり返ったり、千奈の高潔さと後ろ暗いところを引き受けるPに主従萌えを感じたりと大変でした。エンディングで「Wonder Scale」が流れてボロボロ泣いたよね。
で、問題の篠澤広ですが、これはもうちょっと親愛10までやってくれとしか私に言えることはないです。ファム・ファタールですよ、こいつ。P広がちょっとね、こんな明るく健全な世界観のゲームの中で、背徳の匂いがしているんですよ。お互いに約束されていた明るい未来を袖にして、二人きりで堕ちていく感覚というか。補習組の3人でいると愉快な仲間たちって感じでこれはこれで大変魅力的なのですが、プロデューサーと二人になるとなんなんですかね、これ。少なくとも私はあまり他では知らない独特なキャラクター性で、じわじわと染み入るように浸食される感じがあります。怖い。
ゲームとしてはデッキ構築型のカードゲームで、適度な一周のプレイ時間と戦略性で普通にゲームとして面白いです。ソシャゲとしてはとにかくこれが偉い。アイドルごとの特色もあって、序盤はやる気型ロジックで無理矢理TRUE ENDに届かせるのが面白かったし、センスも理解できてくれば面白いです。最近では新シナリオも始まって、まだまだ楽しめそうと思います。
そして私は学マスをやることで、初めてアイマスがプロデュースするゲームだと体感しました。今までまともに触っていたのがシンデレラガールズだけなので、正直プロデュースしている感は薄かったというのもあるのですが、このゲームシステムだと最初の頃は勝てなくて、繰り返しプレイする中でいまいちなライブからだんだん上手くなって会場も大きくなってという過程を体験して、それがキャラクターへの愛着にこんなにも繋がるんだなと。
この間のアイマスEXPOのミニライブで「Wonder Scale」見た時に、ふと走馬灯のように体験としてのプロデュースの記憶が流れてグッときました。ああ765ASを初期から推してた人たちの熱量の一端はこういうことだったんだなと、今更ながらに感じられたというのも、学マスをやって面白かったことです。
そして楽曲も攻めているというか、今までのアイマスと比べて最近の流行りの音楽をそのままの形でアイドルに歌わせてお出しするという感じなので、同時代性に基づく実在性みたいなものがあって面白いなと。最初の「Fighting My Way」からしてどう聞いてもGigaだって感じでしたし、ハニワみたいなキャラがハニワ歌ってるが第一印象だった「世界一可愛い私」とか、そんな(身もふたもない)ことやっちゃっていいんだ! って思いましたけど、でもその後出てくる楽曲を聞いてるとこれが正解なんだろうなとしか言いようがない。
「光景」とか、長谷川白紙……!? ってなりますけど、その後に別の方が作った「コントラスト」「メクルメ」も含めて、篠澤広の世界観としてはもうこれしかないって思いましたもん。アーティスト性とそれを一つの世界観でまとめ上げるキャラクターが高いところでバランスしている感じ。キャラソンというか、アーティストとシンガーの関係をちゃんとやっている感じが、最新のアイマスっていう感じがして凄いなと思います。
あと明らかに狙いに行って今までのアイマス界隈の外にも刺さってる曲が出ているのも感心しちゃいます。「仮騒狂騒曲」とか、だって凄いもん。
他に今年遊んだゲームだと、こちらに色々書いた「ユニコーンオーバーロード」も面白かった。いろいろ面白かった点はありますが、個人的には戦闘の行動パターンをプログラミングして上手くいったら超嬉しいゲーム、というのが一番大きいかなと。あとメリザンドがかわいいです。
「少女☆歌劇 レヴュースタァライト 舞台奏像劇 遙かなるエルドラド」はゲームではない(ほぼ一本道のシナリオを読むゲーム)ですが、アニメを劇場版まで見た人は絶対にやった方がいいです。この形式でもスタァライトできるんだよなとか、あの映画の後にもずっと舞台は続いていくんだよなとか、劇場版のファンディスクとして完璧な出来でした。EDムービーがいいんだこれが。
あとは「ドラゴンクエストⅢ そして伝説へ…」は古典新訳という感じで随所に昔のゲームという印象はありましたが、ほぼ初見だったのでファミコンの容量でこのスケール感のゲームを出したらそれは伝説にもなるわとびっくりしました。あと11をやってからのこれなので、そういう意味での感慨もある。
ただ、終盤のボス戦がビーストモードして魔物を呼び出すゲームだったのは何とかならんかったのか、とかもありしんりゅうまではやっていない状況。レベルアップでMPが回復するようになって魔法も強いから雑魚戦は賢さ全振り賢者の素早さを装備で盛ってやまびこ帽子でイオナズン連発するんだけど、倒し切れないとあまいいきだのやけつくいきだのザラキだのを連発しくるので、どちらが先手を取るかの戦いになっていてそういうゲームだったっけ? ってなったり、割と言いたいことはある。
ソシャゲは盆栽を育てるように日々デレステとプリコネを触っています。
今年のデレステはソル・カマルのイベントがあったのが最高でした。
モバマスのヒストリーを読んでいないと分からないようなライラさんにかなり踏み込んだコミュで、いいんですかこんなの頂いてしまってという感じでした。ナターリアとの関係がまさに太陽と月。このあと、ソロ曲のコミュが来たらライラさんの物語が完結してしまう。
デレステはイベント頻度が下がったりしていますが、まあそれはそれで仕方ないかなと。それよりコミュが誰が読んでも無難な感じから、狭く刺さるライターの熱量で書いているようなものが増えてきたのが面白い変化かなと思います。公式は公式っていう感じで見ている人が多いと感じるコンテンツなので、その方が良いと思う。
プリコネは色々と新要素が出てきた辺りでもういいかなと思いつつも、メインストーリーの先は気になっているのでまだ触っているという感じ。プリコネのテーゼは「現実世界よりも虚構の世界で結んだ絆」だと思っているのですが、最近絆を結ぶ相手はNPCでも構わないくらいのところまで踏み込んでいる感じがして、個人的にこのまま進んだ先でどこに着地するのかが気になっております。