右派からも左派からも過小評価される民主党右派
ネット棲息する自民党工作員らしき輩のロジックは、常に民主党の左派性に警鐘を鳴らし危機感を煽るものばかり。まあ冷戦期に常にサヨクと戦ってきた年配保守運動家は相手を常にサヨクに仕立て上げる戦い方しか知らないのだろうけど、政治的知識に乏しい若い保守運動家がそれを受け売りしているのである。
こういうピントのずれたネット言論をつまらないと思ってスルーしている人も多いだろう。民主党は実態的にはそれほど左派色の強い政党ではないし、ネット右翼の考えに近い議員も少なくないが、彼らはその実態について意識がない。
私は民主党右派の方が、自民党右派より危険ではないかと思うことがしばしばある。自民党の右派は劣化が著しく、バカで間抜けなボンボン安倍ちゃんを筆頭に、東大卒の頭脳とは思えないKY中山成彬や、保守を標榜する若者が増えていることに関心を示さず、若者を厳しく鍛える対象としか考えていない稲田朋美や、知事に転進しようとして政治生命を絶たれた柏村武昭など、口だけ達者で能力のない人たちが揃いに揃っていて、あまり怖さを感じない。
むしろ保守イデオロギー剥き出しの政治で猛威を振るっているのは埼玉県の上田知事や杉並区の山田区長などの民主党出身首長だ。彼らは能力だ高く実行力があるので恐怖を感じる。実際に教育委員会で偏向した人選を行い、つくる会系の教科書の採択を進めているのは彼らだ。むしろ自民党系の首長の方がそこまで露骨なことはしない安心がある。河村たかしだって選挙戦ではイデオロギーを封印していたが、今後いつ持論を展開して政策に反映していくか予断を許さない。現職国会議員石関貴史、市村浩一郎、北神圭朗、小宮山泰子、芝博一、神風英男、鈴木克昌、田名部匡代、田村謙治、長島昭久、牧義夫、松下新平、松原仁、三谷光男、吉田泉、笠浩史、鷲尾英一郎、渡辺周といった生きのいい保守政治家がゴロゴロいる。*1かれらが保守イデオロギー丸出しの牙を剥くと恐ろしいことになる。
一方左派からも彼らの存在を問題視する言論は少ない。次期衆院選で彼らに投票するくらいなら、同じ選挙区の自民党候補に投票した方がマシだという声はあまり聞かれない。みな自民党を倒すことだけに夢中になっているようである。先の名古屋市長選挙などでは社民党や共産党の支持者ですらかなり河村たかしに流れているのである。
このままだと、60%以上の確率で民主党中心の政権が出来るだろうが、その時あらゆる場面で彼らの存在がクローズアップされてくるであろう。産経新聞が阿比留みたいなネット右翼並の脳みその記者に、民主党の文教政策は日教組と一体だみたいな記事を書かせているが、実際のところ力学的に単純に日教組の政策をストレートに反映するのはムリで、実際は民主党中心の政権下で喧々諤々とした闘争が繰り広げられうであろう。