キーボード配列QWERTYの謎(NTT出版)
ある日,会社の机の上にあった小包を開けると,中に安岡先生のブログを見て興味を持っていたこの本が!…安岡先生,どうもありがとう!!

- 作者: 安岡孝一,安岡素子
- 出版社/メーカー: NTT出版
- 発売日: 2008/03/01
- メディア: 単行本
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本書では,我々が普段慣れ親しんでいるキーボードについて,以下の重要な事実が明らかにされる.
- キーボードはどのように誕生・発展したのか?
- タッチタイプを始めたのは誰か?
- シフト機構はなぜ生まれたのか?
- どのようにQWERTY配列に統一されていったのか?
- 文字コードはどのように生まれたのか?
- 同じQWERTY配列でも,日本とアメリカで記号の位置が異なるのはなぜか?
- ドボラック配列は本当に効率的なのか?
- なぜコンピュータのキーボードはQWERTY配列なのか?
なお,誕生初期の資料が残っていないキー配列を,残っている手紙のタイプミス(その当時のキーボードは相当打ちにくかったのだと思われる)から推測していたり,QWERTY配列の歴史は,ユーザのものではなく,生産者側の論理による押しつけの歴史であったと最後に結論づけているのは興味深い.参考文献リストが16ページにも渡ることからわかるように,徹底的に証拠を集め,複数の証拠を照合することで,今まで語られていた事柄を客観的に一つづつ検証しており,学術的にも価値があるのだが,コンピュータを日常的に使っている我々なら,読んでいて非常に楽しいし,思いがけない発見が沢山ある.特に,キーボードや文字コードにこだわりを持つ人達は一度読んでみる価値はあるだろう.
私は,本書は同じ著者らによる「文字符号の歴史 欧米と日本編」の続編,つまり一章「電信符号の歴史」の前の章に当たる…つまり,あの本で書き残したことを,本書で書いているのかもしれないと感じた.としたら,あの本の後の話も,きっとそのうち書いて頂ける…と期待するのは酷な要求だろうか?(笑)

- 作者: 安岡孝一,安岡素子
- 出版社/メーカー: 共立出版
- 発売日: 2006/02
- メディア: 単行本
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