このNYTimesの記事だが，AppleがJobsの健康状態を隠しているということに対する簡単なレポートである．

　　Apple’s Culture of Secrecy

そりゃ，AppleにしてもJobsにしても隠しもするよな．常識に考えてJobsが引退（自発的引退も不可避的引退も含む）したら，Appleはダメになるに決まっている．だって創価学会の池田大作氏のように，AppleはSteve Jobsオンリーでもっている会社だから．

あの華々しく登場したWebObjectsが．Apple的理由により，いつの間にか実質上のディスコンになっているのも，JobsがWebに興味を失ったからに他ならない．まあ，それだからなのか，今に至ってはいつのまにかマカー的Web開発者はRailsやっているという意味のわからない展開だ．だから言ったろ，エンタープライズ分野におけるAppleを容易に信じるなと．ざまをみろ．だから僕はWebObjectsを1年やって，あまりのEOの使えなさ加減，Appleの肚の座ってなさ加減に，これはダメだと判断し，Zopeにコミットしたのだ．


NYTimesの上記の記事は，1995年にAndrew Groveが前立腺ガンだったときも隠していたので，今回のJobsの健康状態もそれに倣うものであるかもしれないというニュアンスを伝えている．たしかに1995年のGroveの健康状態はインテルにかなりの危機をもたらしただろうけれども，それ以上に2008年のAppleはJobsだけで持っているような会社だから，1995年のインテルと比べてもインパクトが違いすぎる．左のNYTimesに掲載された写真をみてもわかるように，とてもじゃないけれど，どうにもヤバイ状況であることは明かである．Appleを不死鳥のように蘇らせたJobsだが，自身の健康状態がまさにAppleのThe point of failure（アリの一穴）になっているという皮肉である．iPhoneの狂乱もiTunes Storeのこれからの展開も，Jobsの健康状態如何にかかっているという，なんともビミョウな展開である．これこそがカリスマを抱くことの最大のリスクである．

個人的な立場からは，もうしわけないが，そんな会社にコミットするわけにはいかないのだよ．