今はどうなっているんだろう
ミステリを引用しますが、本筋とは関連しないエピソードなのでネタバレなしです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090820-00000514-san-spo
のニュース。
- 作者: 東野圭吾
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2004/08/04
- メディア: 文庫
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の登場人物、末長睦美を思い出してブクマしたのですが、
性同一性障害と思っている方が多くてあれれ、ってなりました。
想像ですが、おそらくは半陰陽を疑われているのでしょうね。
現在の正確なソースにあたらずに書きますが*1、
少なくともこの本が書かれた2001年の時点ではPCRでY染色体*2を検出しています。
それでも睾丸と卵巣の双方を持っている真性半陰陽の彼女の場合は検出されないのです。
組織としては存在するので、男性ホルモンが分泌されその結果肉体は男性化する…
セメンヤ選手と同様、作中の末長選手も急激な記録の伸びを見せています。
それでも
現在のセックスチェックでは真性半陰陽を見つけ出すことはできないんです。自己申告に頼るしかない。
ということです。
そして、真性半陰陽は先天性の病気と定義されているということです。
それを「知ってしまった」のなら周りの人間がすべきことは結果を出させることではなくて治療をさせるべきではないのか、という意見。
一方で、病気ではあるが男性ホルモンにより肉体能力を女性以上に高められるというのは「足が速い」というのとある意味では同義の遺伝的能力なのではないか、という疑問。
どちらが正しいとか間違っているとか、当事者でない私は述べるべき言葉を持っていませんが
性や健康、正常といった言葉はいつだって明確に線引きされている物ではない、むしろぼんやりとしたグラデーションで存在している場合のほうがよほど多いのだろうなと思います。
というわけで引用多数でそろそろ怒られそうなんですがセックスチェックとは
男性ホルモンを大量に作り出せて、なおかつその影響を受けている者は女性として認めない
とのことでした。
今回の件がどうなるのかはまだ分かりませんが、チェックの結果が出る数週間は試合に関係した誰にとっても居心地の悪い物になりそうです。
なにより、本人は女の子として育ってきているということ、「彼女の人間としての問題」であるということが
セメンヤは圧勝にも笑顔を見せず、記者会見も欠席。
この一文に凝縮されていると思います。
ほんでここまで書いてもういちどヤフーニュースを見たら、もっと詳しいお話*3がありましたね。