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最近はオーディオブログです

モニターが表示されないPCのトラブルに悩まされていたが、マザーボードのボタン電池を交換して解決した

結論から言うと、デスクトップPCを買って3年ぐらい経ってる人はマザーボードのCMOS用のボタン電池を交換することを勧める。
ボタン電池の交換はデスクトップPCの場合、ビデオカードを外さないとできないことが多いので気軽にはできない。でも、原因不明のPCトラブルに遭遇するようになったら、ボタン電池の電池切れを疑った方がいい。ノートPCもちょっとした分解が必要になる。

数ヶ月前から、PCを起動しても モニターが表示されないというトラブルが続いていた。途中でPCの起動が止まっている様子はなく、OSも起動しているのだが、モニターには「ディスプレイ出力がない」と表示され、モニターがスリーブモードに入ってしまう。
ビデオカードがモニターを認識するのに失敗してるのかと疑い、ケーブルを差し直してから電源を入れてもダメで、ただこれを数回繰り返してると、ごく稀に表示されることがあった。なのでビデオカードが故障してるわけではないようだし、ケーブルやモニターを変えても問題は起きたのでケーブルの不良やモニターの故障ではないと判断した。
検索するが、ケーブルの不良やビデオカードの故障ぐらいしか情報はない。その中に、マザーボードのボタン電池が切れると不具合が起きるというのがあり、そういえば、今のPCを使い始めてから5年経っているんだから、電池を交換してみた方がいいなと思ったのだが、マザーボードをざっと見ても、ボタン電池が見つからない。マザーボードのマニュアルを探そうと思ったが、マザーボードの型番が思い出せずにマニュアルを検索できなかった。
その後、ビデオカードの差し込み不良を疑って、ビデオカードを外すと、そこにボタン電池が見えたので、ボタン電池を交換したら、見事に不調が直った。BIOSが入っているCMOSがボタン電池が切れたことによって、しっかりBIOSを読み込めない状態になり、ディスプレイ出力のトラブルが起きたようだ。
パソコンのCMOS電池が寿命を迎えたサインと復活させる方法 - 有限会社ワールドアイ
マザーボードの電池切れで起こるトラブルから交換方法・注意点を解説 | パソコン修理・サポートのPCホスピタルがお届けするコラム
電池が寿命を迎えたサインとして、PCの時計の不具合や起動しなくなるなどがあるそうだ。自分の場合、ディスプレイ関係の問題ではと思い込んでしまったため、CMOSのトラブルだとは想像しなかった。

マザーボードで使われるボタン電池のCR2032

ガンダムのコロニー落としと毒ガス攻撃の設定の変遷

ジオンの悪逆非道さを表すエピソードとして、コロニー落としと連邦サイドのコロニーを毒ガスで攻撃して、大量虐殺したという話が、Xで盛り上がっていた。
togetter.com
コロニー落としは1基だけで、毒ガス攻撃をしたのはそのコロニーだけという認識をしていた自分はそんな設定の映像作品あったっけ?と不思議に思い、そもそものコロニー落としや毒ガス攻撃の設定の変遷について追いかけてみた。

ファースト本編映像(1979年)

コロニーの内側が爆発する描写とムサイやザクの背景でコロニーが落ちていき、都市に1基のコロニーが落ちる描写のみで、毒ガス描写はもちろんない。映像だけで判断すると、意図的にコロニーが落とされたのでなく、連邦とジオンの戦闘に巻き込まれたコロニーが落ちてしまったと見える。
なお「コロニー落とし」という言葉も本編では出てこない。(ファースト小説にはないのでセンチュリー初出?)

ファースト小説版1(1979年)

「PART4 ニュータイプ」で連邦サイドのコロニー多数に毒ガス(GGガスという表記。ZガンダムではこれがG3ガスとなる)攻撃をして、その後コロニー落としをしたという記述がある。複数の地球の都市に向けてコロニー落としが行われたと読める記述もある。毒ガス攻撃はてっきり後付け設定だと思っていたが、富野氏の構想の中にあった。

ムック『ガンダムセンチュリー』(1981年)

コロニー落としが「ブリティッシュ作戦」と命名される。落としたコロニーはサイド2の「アイランド・イフィッシュ」の1基だけと特定される。毒ガス攻撃の話は出てこない。センチュリーはコロニー落としでの被害を細かく設定したのが肝だが、安彦氏によれば、コロニーが落ちた場所はマンハッタンのつもりで描いていたが、センチュリーでシドニーとなった。
センチュリーが作られた当時、てっきり小説版は出てないのかと思ったら、最初のソノラマ文庫版が発行されたのは放映中の1979年11月なので、センチュリーは小説版の設定はあくまで映像とは別物として採用しなかったようだ。


「『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN』上映&安彦良和先生トークイベント」2月19日開催【昼の部】アフタートークレポート | GUNDAM.INFO

そして、コロニーが落下するシーンについて、安彦氏は「シドニーに落とすというのも誰かが考えたんでしょうね。僕が『機動戦士ガンダム』を作った時は、マンハッタンのつもりで描いていたけれど」と、意外な思いを告白。さらに、「オーストラリアに落ちたとして、全人口が半分死ぬか?と思ったので、天変地異などが起きたということにしました。結構苦労しているんです」と、設定を守るための裏話を語った。

漫画 『MS戦記』近藤和久(1984年)

コミックボンボンで連載していたガンダム外伝の漫画。ビジュアルとして初めて毒ガス攻撃が出てきた作品。セリフを見るとコロニーは複数落としたとも読める。 最初に毒ガス攻撃が出た作品として、小説版でなく『MS戦記』を挙げる人が多かったのだが、ビジュアル化の強さを感じるエピソードであり、コミックボンボンという児童誌で、こんなハードな描写があったら、子供心に強く記憶が残るのも当然だろう。

TVアニメ『Zガンダム』本編(1985年)

ティターンズが反連邦デモ鎮圧のためにサイド1の30バンチコロニーにG3ガスを投入した「30バンチ事件」の話が出てきて、そのコロニーに行く回がある。その後、エウーゴサイドのサイド2を毒ガスで攻撃、2基の攻撃は防げたが1基は成功してしまうという回がある。ブライトによる、ジオンの再来だというセリフがあり、ジオンの毒ガス攻撃がかつてあったことがうかがえる。

『ガンダム0083』のドラマCD「宇宙の蜉蝣」(1992年)

シーマはブリティッシュ作戦で毒ガスだと知らずに作戦を決行、その後戦犯として追われているという設定が出る。この設定が、ゲームの『Gジェネ』で使われて、よく認識されるようになったのではないか。

OVA『第08MS小隊』(1996年)

主人公シロー・アマダは、「アイランド・イフィッシュ」出身で家族を亡くしたという設定だが、本人の語りのみでOVAの中で映像としては描写されていない。シーマとシロー・アマダの映像はゲーム『ギレンの野望 ジオン独立戦争記』でのムービーカット。

『THE ORIGIN V 激突 ルウム会戦』(2017年)

ORIGINはあくまで安彦ガンダムの世界であり、公式の宇宙世紀とは繋がらないが、初めてジオンのコロニー毒ガス攻撃が公式の映像で出てきた作品だ。

映像ではあまり触れられないジオンの毒ガス攻撃

こうしてまとめて見ると、ファースト小説版では毒ガスが使われたが、その設定が公式で映像化されるのはORIGNまでなく、『Zガンダム』では毒ガス攻撃はティターンズの非道さとして語られる。『0083』や『第08MS小隊』といったOVAシリーズで、ジオンのコロニーへの毒ガス攻撃という小説での設定があらためてクローズアップされ、ゲームがその設定を広めたといえる。
現在ブリティッシュ作戦でコロニーが一つ落ちたというのが公式の設定になっている。ただ、コロニー落としだけでは、人類の総人口の半数が死んだとする設定にするのは難しい。地球より宇宙の方が人口が多い時代に、地球にコロニー1基が落ちただけでは被害が少ないからだ。となると、やはりコロニーで大量の虐殺が行われたとするしかない。なので、富野氏は当初からコロニーの毒ガス攻撃という設定を作ったが、本編映像でその設定は使われなかった。
※参考
コロニー落としによる被害の変遷
togetter.com
大量破壊兵器として、ガンダムでは毒ガスがクローズアップされやすいが、当然あの世界には核兵器もある。南極条約は両軍が核兵器を使ってしまった結果、大量破壊兵器の禁止項目ができたとガンダムセンチュリーで記述されており、コロニーの被害も核兵器によるものもあると考えられる。
ジオンがなぜ同じスペースノイドであるコロニーをなぜ攻撃したかという理由に関しては、後付けだが、上のまとめでMS新報という本の中で、連邦に与するコロニーを助ける必要性はない、コロニーが前線基地になるとジオンが勝てないからしょうがないという理由で正当化しているそうだ。それだけであの大量虐殺を正当化するのは無茶過ぎ。
※MS新報で書かれた理由の元ネタは戦略戦術大図鑑からだと思われる
https://x.com/yasen_kyokkou/status/1476365632434507777
※埋め込みがうまくいかなかったのでリンクで

まとめ

冒頭のナレーションでは両軍の戦闘の結果、人口の半数が死んだとされるが、意図的に宇宙にいる民間人を殺さない限り、その結果にはならないと考えると、ジオンが核か毒ガスかはともかく、大量破壊兵器でコロニーを攻撃したと考えざるえない。映像化された作品では、一年戦争や毒ガスや核兵器が多用されたという描写はないが、そう設定しないと無理がある。
どちらにせよ、民間人を核や毒ガスで攻撃したジオン兵が大量にいて、それについて振り返るジオン兵はほとんどいないと考えると、ちょっと異常ではある。おまけに0083のシーマの特別さはなくなってしまうのであった。
富野氏の構想として毒ガス攻撃設定はあったものの、映像では採用されなかった。ガンダムがシリーズとして続き、きちんとした設定を求められるようになった結果、映像では使われなかった小説版の設定がクローズアップされるようになったと考えられる。ナレーションで語る被害が人口の半数と言わなければ、大量毒ガス攻撃の話も小説版の中だけで消えていったのではないだろうか。
ガンダムはシリーズが長く、設定は後付けのものが多いので、追いかけるのが大変であり、「ガンダム民俗学」の成立が求められる。


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PC用スピーカーの選び方

PC用スピーカーを色々チェックしたのだが、実はそれほど選択肢は多くないことがわかったので、それをまとめておきたい。ブラックフライデーでセール中の製品も多い。

PC用スピーカーに使われるのはアクティブスピーカー

スピーカーにはアンプ内蔵のアクティブスピーカーと、音を鳴らすのにアンプが必要なパッシブスピーカーがある。PC用スピーカーは一般的にアクティブスピーカーが使われる。

価格よりも許容できるサイズが重要

PC用スピーカーで一番の問題となるのは価格よりもサイズだ。音が良いスピーカーとなると、どうしてもサイズが大きくなってしまう。人気が高いEdifier MR4は幅14cmもある。デスクトップに置くには少々大きいと感じる人も多いだろう。

とにかく安く揃えたい

FUNLOGY Speaker

これはCreative PebbleかFunLogyスピーカーの二択である。2000円前後だが、セールになるとなんと1500円を切る。どちらもスピーカーユニットが同じなので、音ではなく、形で選んで良い。
時々、Creative Pebbleの上位機種のUSB-DAC内蔵モデルを勧める人がいるが、5000円で中途半端な製品を買うぐらいなら、 1万円以上のものを勧める。Pebbleは安いから評価される製品であって、高い製品になっても、所詮ベースはPebbleである。Pebbleはジムで、上のモデルはジムカスタムやジムスナイパーみたいなものだ。
USB-DAC内蔵のイヤホンコネクタなら、Amazonで2000円前後で買える。CX31993を採用した製品は音が良いと評判だ。予算2000円でPCをハイレゾに対応させる-低価格USB-DAC内蔵ヘッドホンアンプの紹介- - ARTIFACT@はてブロ

5000円から1万円ぐらいでサイズが小さくて音が良いスピーカーはないの?

JBL Pebblesが5000円台であったが、最近在庫がなくなり、結構値上がってしまっている。8000円も出すのなら、1万円台のを買ったほうがいいだろう。

サイズ小さめで1万円台の音が良いスピーカー

Edifier G2000

ゲーミング用として売られているが、そこそこ小さいのが魅力。サイズ感がわかりやすい写真をXで投稿している人がいたので紹介させていただく。

サイズは大きいが1万〜2万で買える人気のスピーカー

Edifier MR3

最近PCスピーカーの定番となったEdifier MR4の後継機がMR4だ。サイズが少し小さくなり(幅は140mmから125mmに)、Bluetooth入力やアプリ対応といった機能が追加されたが、価格は下がっている。

PreSonus Eris 3.5(2nd GEN)

PreSonus Eris E3.5は在庫切れが多く入手が難しかったが、第2世代は供給が安定しているようだ。Bluetoothを装備してない方は1.5万円と安い。音質はMR4とかなり似ているようで、選ぶのが難しいかも。デザイン面でMR3/4より好きな人もいるだろう。

MACKIE CR3-X

DTM用のモニタースピーカーはPCとセットで使うことが前提なので、小型のものが多い。CR3-Xは幅が14cmと大きいものの1万円ちょいと手頃な価格だ。

M-AUDIO BX3

モニタースピーカーで幅は14cm。もう少し大きいBX4やBluetooth搭載モデルもある。

1万〜3万で買える幅10cm前後のスピーカー

FOSTEX アクティブ・スピーカー PM0.3H

FOSTEXのこの系統のスピーカーは何種類か試聴したが、この0.3は音が良いと感じる。これより下のクラスはちょっと不満を感じる音質であった。

EDIFIER M60

EDIFIERのスピーカーは大きいものが多いが、これは幅10cmと小さめ。Bluetooth入力があり、LDACに対応している。

TASCAM VL-S3BT

モニタースピーカーとして販売されているが、Bluetooth入力(aptX/AAC)があったりと、一般ユーザーの用途も意識されている。
サイズ感がわかりやすい写真をXで投稿している人がいたので紹介させていただく。Audioengine A2+とEDIFIER M60は同じぐらいのサイズ感だ。

3万円以上の幅10cm前後のスピーカー

Kanto YU2

Audioengine A2+のライバル。日本では最近出た製品だが、海外で出たのは2013年と古め。Amazonで正規の販売と思われるページが見つからなかった。
コンパクトでハイコスパ、そして音が良い! Kanto Audio「YU2」がデスクでのスピーカー再生を楽しくする (1/2) - PHILE WEB

クリプトン KS-11G / KS-33G

幅が10cm以下とかなり小さくてよいのだが、直販でしか扱ってないため、現物を見たり、音を聴いたりするのが難しい製品。イベントで聴いたことがあるが、音が良いのは保証する。
【レビュー】机が狭くても大丈夫! クリプトン最強デスクトップオーディオKS-33G、KS-11Gを聴く - AV Watch

IK Multimedia iLoud Micro Monitor

サイズの割に低音が出ると評判のモニタースピーカー。

更なる高音質を目指すのならUSB DACを導入

とりあえず安価なDAC内蔵イヤホンコネクタでもいいが、FiiO K11やiFi audio UnoのようなUSB-DAC内蔵ヘッドホンアンプを導入すると、ハイレゾ対応ができ、高音質も期待できる。

低音が欲しいのならサブウーファーの導入を

コンパクトなスピーカーは構造上低音が出しづらいため、低音が欲しい人はサブウーファーの導入を検討して欲しい。

EDIFIERがT5という安価なブウーファーを出している。サイズが大きいので注意。小さいサブウーファーだとFOSTEX PM-SUBmini2があるが、サイズが小さいと低音の迫力が減ってしまう。価格とサイズが許せるのなら、PM-SUB8の方が良いだろう。

10万円を出せれば、文句なし!

AIRPULSE A80やKEF LSX II LTを買えば、9割の人は満足するだろう。10万円というと高いと思えるが、スピーカーはスマホやPC本体よりずっと長く使える製品であることを考えれば、それほど高い買い物ではない。
 

パッシブスピーカーで揃える

【レビュー】オーディオスピーカーPolk Audio「ES10」を、PC用スピーカーにしてみた - AV Watch
【レビュー】普通の机×Polk Audio「ES10」でデスクトップオーディオ始めたら凄かった - AV Watch
こんな感じで、パッシブスピーカー+アンプで揃えるという方法もある。

以前こんな記事を書いたが、中華オーディオ製品を使えば、安くあげられる。選択肢が非常に多いため、今回は紹介しないが、音にこだわりがあるのなら、アクティブスピーカーより選択肢が多いので楽しめることだろう。BTO PCと自作PCの違いみたいなものである。

2万円と大幅値下げしたDenon PerL Proは空間表現と低音が素晴らしいのでライブ音源にぴったり


去年7月に発売された当初は5万円ほどしたDenon PerL Proが、ブラックフライデーセールでAmazonだけでなく、どこの店も2万円弱と大幅値下げをしている。音質が良いワイヤレスイヤホンが欲しかったので、つい手を出してしまったが、かなり音が良くて満足した。*1
このイヤホンは、医療技術を応用した聴覚検査で、耳がどの周波数に敏感なのか鈍感なのかをチェックし(自分が判断する必要はなく、自動で検査してくれる)、それに対応した音を作ってくれるという面白い製品なのだ。このパーソナライズが肝で、何もしてないニュートラルでは、のっぺりとした音が、パーソナライズにすると、音の輪郭がくっきりして、広がりが非常によくなる。

空間表現が素晴らしい

とにかく空間表現がすごい! エンヤやサウンドトラックのように空間表現を重視しているタイプの音楽には非常に合っている。PerL ProにはPerL無印にはない空間オーディオ機能があるが、これはかなり自然な音響効果で、音の広がりがよくなる。代わりに音の先鋭さはなくなる。PerL Proの音作りがそもそも空間オーディオ的なものを足していると感じるので、自分はかけなくてもいいと思ったが、評価する人も多い機能だ。
空間表現に特化しているため(音場型)、音の解像度や情報量、力感、量感(音像型)を重視する人は、EAH-AZ80など他機種を勧める。といっても、音の解像度が非常に低い訳ではないので、一般的にはこの音質で満足する人も多いだろう。

低音がすごい

あと驚いたのが、低音の表現。標準でも結構低音が出るのだが、アプリの低音調整機能を使うと更に低音の迫力が増す。イコライザーで低音を強くするとボーカルが沈み込んだりしてしまうが、他の帯域の印象を変えずに、低音だけを調整できて便利だ。
空間表現と低音が良いので、ライブ音源や映像には最適である。

有線イヤホンとは違う音

PerL Proでは有線イヤホンはいらなくなったという感想をよく見かけるが、逆に有線イヤホンと比較することで、このイヤホンの音の独特さを実感した。有線イヤホンの音は、元の音を重視した音作りなのだが、ワイヤレスイヤホンは一般的に加工前提で音作りをしており、特にこのPerL Proは付帯音がかなりついていて、音の響きが違う。有線イヤホンは素材の味を活かした味で、PerL Proは味付け重視という感じだ。
オーディオ好きなら、2chのピュアアンプとAVアンプの音作りの違いといえばわかるだろうか。AVアンプは部屋の音響をマイクで測定して、その部屋に合った音に変えるが、PerL Proは同様なことを個人の耳に対して行っているといえる。

ノズルは楕円形でちょっと独特な形

その割にイヤーピースは楕円でなく、真円だ。変な形なので、他社のイヤーピースを無理にいれると壊れやすそうではある。ケースの底は浅いので、背が低いイヤーピース推奨だ。背のせいでケースが閉まらなくなるイヤーピースも多いだろう。

ノイズキャンセルと外音取り込み

ノイズキャンセルは音楽を再生すれば、電車の中の音は気にならなくなるぐらい。めちゃくちゃ効く訳ではないが、おまけレベルでもなく、2024年のワイヤレスイヤホンとしては充分といえるレベルだ。
外音取り込みはソーシャルモードという名前だが、いかにも人工的な音になってしまう。またソーシャルモードにすると音量が下がるというちょっとお節介な仕様である。
通話に使うマイク性能もなかなか良かった。

再生時間

再生時間はaptX Lossless接続、音量40%で、45分ほどでバッテリーが10%減った。ここから計算すると7.5時間となるが、そこまで長いとは思えないものの。4~5時間は保つのではないか。5分の充電で1時間の再生可能な急速充電に対応しているので使い勝手は良いと思われる。

ケースからの取り出しやすさ

こんな感じで収納されているのだが、持つ部分が少ないため、ちょっと取り出しづらいところはある。

操作カスタマイズ

どの機能も割り振れるので、操作のカスタマイズ性は非常に高い。ただ、一般的なホールドでなく、タップ+ホールドなので、この操作だけはちょっと面倒。マルチポイントの切り替えは早く、再生したら切り替わるかどうかというのをON/OFFできるのも便利。aptXなのでLDAC採用機種に多い排他仕様ということもない。

RとL表示は結構大きめ。薄く色がついていたりするともっと良かった

注意点

ハイレゾCODECはaptX adaptive / Losslessのみ対応

標準的なハイレゾCODECのLDACには対応しておらず、aptX adaptive / Losslessにしか対応していない。aptX adaptiveが使えるスマホはSnapdragon 8以上のSoCを採用しているモデルに限られるため、Xperiaなどのハイエンドモデルに限られる。最高の音質を得るための環境が厳しい。自分は安くaptX adaptive / Losslessを使いたかったので、XiaomiのサブブランドPOCOから出ているF6を買った。
AACやaptXでも音が悪い訳ではないが、やはり真価は発揮できない。AACでも、PerL Proの空間表現の良さは感じられるのだが、aptX Losslessで聴くと、空間表現が更に良くなり、音の情報量や解像感も上がる。
なお、aptX Losslessに対応したFIIO BT11というBluetoothレシーバーがあり、これを使えば、最高音質が楽しめるが、残念なことに大人気で現在は品切れ中だ。
BT11 – FIIO Japan
aptX adaptiveだけでいいのなら、Creative BT-W5やSennheiser BTD600もある。BTD600は2022年の製品なので、新しいBT-W5の方がお勧めだ。

形状が独特

本体は結構大きく、自分は特に感じなかったが、装着感が悪い、長くつけられないという人もちらほらいる。

ソーシャルモード(外音取り込み)で音量が小さくなる

なんか余計なお世話な機能。あとノイズキャンセルをOFFにすると低音が弱くなる。

アプリの起動に時間がかかかる

最初にサーバーとの通信があり、イヤホンとの接続にも時間が結構かかる。なので、よく使う時はまずアプリを起動しておいてる。

*1:最初、eイヤホンで買おうと思ったら、欲しかった白がなくて、秋葉原のヨドバシカメラで購入した。現在はヨドバシも品切れ