ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

エッセンシャル思考 最小の時間で成果を最大にする

 

おはようございます。

 

読書がライフワークになっている

医療業界のコンサルタント

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

私たち現代人は

もっと「働く」とか「仕事」とか

「キャリア」とか「労働」とか

「日常」とか「生活」とか「暮らし」とか

こういうものを真剣に熟慮すべきと思います。

 

どうしても最初は学校を卒業したから

働かなきゃ、仕事しなきゃ、

就職しなきゃというところから始まるのですけど

できることなら20代はガムシャラに働き

30才前後で自分ならではの価値観を手に入れたいですね。

 

孔子は30にして立つ、

40にして惑わず、50にして天命を知ると

言い遺しましたけれども

意外と現代にも活きる格言ですし

私のキャリア人生なんて

ホントこの通りになったと感じています。

 

キャリアや人生は長いです。

 

長いのですけど

何もしないと年を取るごとに

苦しくなっていくのですね。

 

過去、現在、未来という時間軸は

誰にとっても平等です。

 

この不平等な社会にあって

唯一と言ってもいいくらいに平等なのですね。

 

平等なのですけど

相当にシビアです。

 

若いうちに楽してきた人は

年を取ってから本当につらい。

 

そうならないように

今を未来に繋げることができるように

賢く生きていきたいですね。

 

今回ご紹介する書籍は、

【 エッセンシャル思考 最小の時間で成果を最大にする 】 です。

 

 

本書をピックアップした理由

『 エッセンシャル思考 最小の時間で成果を最大にする 』

グレッグ・マキューン=著 高橋 璃子 を読みました。

 

これもスレッズで見たのかな?

facebookだったかな?

 

何かで見掛けた時に

エッセンシャルって何だ?と思って

すぐにググったんですよ。

 

GOO辞書さんでは

本質的なさま。絶対必要なさま。不可欠。

 

このように書かれていました。

わかるようなわからないような…

もうひとつWeblio辞書さんでは…

 

基本的には、不可欠であり、

本質的な意味を持つ英語由来の言葉である。

この言葉は日常生活やビジスの場面で頻繁に使用され、

何かを成り立たせるために必要な要素、

またはその事象の本質を指す際に用いれる。

 

う~ん、大して変わり映えないですね。

ところが「エッセンシャル思考」で検索すると…

 

Progurashiさんのこちらの文章は

かなりわかりやすいですね。

 

ま、何が言いたいかというと

「エッセンシャル思考」を学ぼうと思ったのです。

たぶん私は非エッセンシャルな人だと思うので。 

 

目次

1 エッセンシャル思考とは何か

   ーエッセンシャル思考とはどのようなものか

2 見極める技術

   ー多数の瑣末なことのなかから、少数の重要なことを見分ける

3 捨てる技術

   ー多数の瑣末なことを容赦なく切り捨てる

4 しくみ化の技術

   ー努力せず、自動的にエッセンシャル思考を実現する

 

感想

率直に申し上げて

とても勉強になりました。

 

生き方、考え方、働き方を振り返るには

とても良い本であると思いました。

 

よって多くの人におススメしたいところではありますが

エッセンシャル思考は結構「諸刃の剣」かもしれません。

 

基本的には無駄を省き

目標に向かって効率的に進み

「実」を取るというわけですけど

それは結果論ではないですか。

 

人はどうしても結果を欲しがりますよね。

でもエッセンシャル思考はあくまでもプロセスです。

 

結果を欲しがる人が

エッセンシャル思考を逆手に取ってしまうと

いい年になった時に

もの凄い苦労をするような気がしました。

 

ですから本書はある程度のスキルや経験を持ち

社会的にも通用する実力を持っている人が

さらなる高みを目指して読むべきです。

 

まだ自分が何者でもなく

人に誇れるようなスキルや経験を持っていない人が

本書を読むと勘違いしてしまうかもしれません。

 

あくまでもプロセスであって

ある種のテクニックです。

いや哲学とか、思想と言ってもいいかもしれない。

 

手っ取り早く結果が欲しい人には

ちょっと向かない気がしました。

 

ここ何十年か頑張ってきて

少し限界を感じるとか

やり切った感があるとか

成長実感が薄くなってきたような人には

最適な1冊だと思いますしおススメできます。

 

それでは恒例の私がグッと来た箇所をご紹介します。

 

エッセンシャル思考とは、

まさに「より少なく、しかしより良く」を

追求する生き方だ。

ときどき思い出したようにやるだけでは、

エッセンシャル思考とは言えない。

(P.21)

 

より少なくは

そんなに簡単ではないと思います。

 

より良くが

やっぱり難しいんですよね。

 

より少なくして

より悪くなることが

世の中では多いのだろうなと想像します。

 

そしてその本人は気づいていなさそう。

 

極論すれば、

成功を求めることによって、

人は失敗してしまうのだ。

成功した人は

何でもやろうとしすぎて、

そもそも何をやっていたかを忘れてしまう。

(中略)

失敗の主な理由は

企業が「規律なき拡大路線」に陥ったことだと言う。

つまり、やたらと多くを求めすぎたのだ。

このことは企業だけでなく、

そこで働く個人にも当てはまる。

(P.31)

 

これは突き詰めると

マルクスが危惧していた資本主義の行きつく先なのですよね。

 

だから現代社会を生きる我々は

もう1度マルクスを学ぶべきなのだと思います。

 

成功って何だ?

お金はどの程度必要なのだ?

会社とは何だ?

働くとはどういうことを言うのか?

 

こういった哲学的なアプローチが

これから益々求められるのではないでしょうか。

 

最優先事項とは、

ほかの何を差し置いても

いちばんにやるべきことであるはずだ。

ところが近頃では、

最優先という言葉の「最」という

意味が消えようとしている。

ある企業で働くマネージャーは、

つねに最優先事項を5つ抱えているのだと嘆いていた。

これでは、何も優先していないのと同じだ。

「全部手に入れよう、全部やろう」とするうちに、

私たちは知らず知らず何かを失っている。

(P.35)

 

素直にそうだなと思いませんか?

 

「最」がない最優先事項なんて

当然、最優先事項ではないですよね。

 

でも忙しい現代社会を生きる我々は

いつの間にかこうなっている。

 

結果的に大事なものを失っている。

 

何かひとつに絞るというのは

それだけ難しく

でも価値が高いのでしょうね。

 

私たちは長いあいだ、

選択の外的側面

(どんな選択肢があるか)にばかり目を向けて、

選択の内的側面

(選ぶ能力)を見過ごしてきた。

この違いは重要だ。

選択肢(物)を奪うことはできても、

選ぶ能力(自由意志)を奪うことは不可能である。

(P.53)

 

確かに自分が得する選択肢はどれか?と

多くの人が考えてしまいますが

そもそもの判断軸がおかしいと

正しい選択肢を選ぶ可能性は低いですね。

 

キャリア論なんてまさにそうで

今、選んだ選択肢が5年先、10年先に

どういう影響を及ぼすのか?

そこまで考えている人は圧倒的な少数派です。

 

選ぶことを選ぶ。

主導権を握るというのは

こういうことかもしれません。

 

選ぶ能力は誰にでも奪えない。

ただ、本人が手放してしまうだけだ。

そうそう、そういうこと。

 

戦略的ポジションは、

別のポジションとのトレードオフなしには

維持できない。

(P.71)

 

トレードオフ。

わが国にも古くから

「彼方立てれば此方が立たぬ」という

ことわざがありますよね。

そして「足るを知る者は富む」もです。

 

強欲にあれもこれも欲しがってしまうと

あちらもこちらも立てようとして

心を失うところまで突っ走ってしまうのでしょう。

謙虚さって本当に大事です。

 

私たちの最大の資産は、自分自身だ。

自分への投資を怠り、

心と体をないがしろにすると、

価値を生み出すための元手がなくなってしまう。

自分という資産を守らなければ、

世の中のために働くこともできないのだ。

ところが現実には、

優秀な人たちがどんどん自分を壊している。

その最大の原因は、

睡眠不足である。


(P.121)

 

人間社会は複雑で

人それぞれに様々な事情がありますから

一般的な傾向で語るのは危険ですし、

だいたい主語が大きくなると

炎上することが多いですよね。

 

それでも自分を大切にしていない人は

やはり不幸になりがちですし、

睡眠不足の人は

健康を害し、病的な人が多いように感じます。

 

自分を甘やかせるのではなく

自分を大切にしなければなりませんね。

 

肝心なのは、肝心なままにしておくこと。

(P.167)

 

当たり前のことなのに

当たり前なだけに

私たちは見失うことが多そうです。

 

水とか、空気とか、

夫とか、妻とか、

肝心なものは

ずっと肝心なままにしていかねばなりません。

 

わかっちゃいるけど…

「欲」に負けてしまうのが人間とも言えそうです。

 

ボトルネックを特定するうえで注意しておきたいのは、

生産的な行動が大きな邪魔になる場合もあるということだ。

(中略)

目標達成を邪魔する行動は、

どれほど前向きな行動であっても

疑ってかかる必要がある。

(P.238)

 

本質の追求というところでしょうか。

 

ボトルネックって

気づくと簡単なんですけど

なかなか見つからないものなんですよね。

 

見つけよう見つけようとするよりも

見つけることのできる自分になる。

そっちのほうが大事な気がします。

 

心理学の研究によると、

人間のモチベーションに対して

もっとも効果的なのは

「前に進んでいる」という感覚である。

小さくても前身しているという手応えがあれば、

未来の成功を信じられる。

そのまま進みつづけようという力になる。

(P.246)

 

自分を強欲にせずに

結果を欲しがるのを焦ったりしないために

1歩ずつ確実に前進するというのは

エッセンシャル思考の基本とも言えそうです。

 

評価

おススメ度は ★★★★★ と満点といたします。

 

注意点はありますけど

プロセスのブラッシュアップと考えれば

とても参考になる発想が多いです。

 

私自身、バカみたいに働いてしまう人なので

少しはエッセンシャル思考を持たねばならんなと

しみじみと痛感しました。

 

どう生きるか?

どう考えるか?

どこへ向かうか?

どう動くか?

 

意外とエッセンシャル思考の実践は

難しいものだと思います。

 

これらは本当自分次第ですね。

今までの常識という殻を破って

より良い未来を手にするために

よいきっかけとなる良書です。

 

最後にダライ・ラマの言葉をご紹介します。

 

シンプルな人生は満たされた人生です。

幸福に生きるためには、

シンプルであることが何より重要なのです。

 

それでは、また…。

 

 

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