ある読書好き医療コンサルタントの「書評」ブログ!

年間60~70冊ほど読んでます。原則毎週日曜日に更新しますが、稀にプラスαもあります。本好きの方集まれ!

自分とか、ないから。 教養としての東洋哲学

 

おはようございます。

 

読書がライフワークになっている

医療業界のコンサルタント

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

これからの時代に必要なもの。

 

まあそんなものはたくさんあって

これだけ学べばいいなんてものは

やはりないのだろうなとは思うんです。

 

できるのであれば

何でも学んでおいたほうがいいでしょうし、

ありとあらゆるものは無理だとしても

何か1つよりは2つのほうがいいし、

3つ、4つと増やしていけたら

きっとそのほうがいいのは間違いないでしょう。

 

知性と教養は

磨けば磨くほどに積み上がり

応用が効くようになりますね。

 

リベラルアーツは

幅広くあるに越したことはないとも思います。

 

どの世界でも

スペシャリストになりたいなら

一般教養が基礎になりますので

学びの広さ、深さが必要不可欠ですよね。

 

今よりも少し知識を得るために学ぶ。

これこそが私はこれからの時代に最も必要と思い

終わりのない勉強家として

いつかピンピンコロリと死にたいものです。

 

学び続けているうちは

そう簡単には老いないと思いますし

心と頭が若くいれるのではないでしょうか。

 

謙虚さを失い

傲慢になり始めたら老害です。

 

そうならぬように

永遠に学び続けたいものだと

つくづく思う日々です。

 

今回ご紹介する書籍は、

【 自分とか、ないから。 教養としての東洋哲学 】 です。

 

 

本書をピックアップした理由

『 自分とか、ないから。 教養としての東洋哲学 』

しんめいP サンクチュアリ出版 を読みました。

 

これは私だけかもしれませんけど

最近、様々なSNSで

本書をご紹介している方がいらして

「自分とか、ないから」というタイトル

そして「東洋哲学」に対しても

若干の興味を持ったのは間違いありません。

 

哲学と言えば

どうしても西洋哲学が思い浮かびがちですが、

私たち日本人にとっては

東洋哲学のほうが身近なものと考えられますよね。

 

では東洋哲学ってなに?と問われた時に

私はどう答えるのだろうかと思いました。

 

いかん、いかん、

これではいかん。

 

流行りの本のようだし

いい機会だから東洋哲学を学ぼうと思い

勉強する気、満々で読み始めたのでした。

 

目次

1章 「無我」 自分なんてない(ブッダ)

 超ハイスペックなひきこもり・ブッダ

 自分とか、ない。 

 逆に、どこに「自分」がある?

 苦しみをなくす衝撃の方法

 

2章 「空」 この世はフィクション(龍樹)

 論破しすぎ。インドのひろゆき・龍樹

 世界が激変するヤバい哲学

 みんな「言葉の魔法」にかかっている

 家族も会社も「フィクション」

 すべての悩みは成立しない

 

3章 「道」 ありのままが最強(老子と荘子)

 現実も夢もあいまい

 「道」がわかれば天下がとれる

 「道」から学ぶ婚活術

 「道」から学ぶ転職術

 

4章 「禅」 言葉はいらねえ (達磨大師)

 激しくて物騒!?やばすぎる禅

 ピンチなときこそ「言葉をすてる」

 

5章 「他力」 ダメなやつほど救われる(親鸞)

 あきらめると「空」がやってくる

 親鸞、ダメ人間をきわめる

 

6章 「密教」 欲があってもよし(空海)

 空海は陽キャ

 「密教」は超ポジティブ

 さとったらみんないっしょ

 

感想

な・なるほどね。

あまり内容を確認しないで

ある意味ジャケ買いをしてしまったのですが

全くの想定外でした。

 

真面目くさった哲学本かと思ってましたが

まさかこんなくだけた感じだとは…。

 

これも哲学を学ぶための方法としては

「あり」かと思いましたけど、

それにしてもここまで崩すのは才能とも言えるでしょう。

 

10代、20代の若い方々の

普段使いの言葉で語られています。

 

完全に現代を生きる若者向けと言いますか…

哲学を学ぶのに

そんなに肩肘を張らなくてもいいでしょという

アンチテーゼのような内容でもあります。

 

文脈や文体は今っぽいのですけど

取り上げている人物は本格的です。

 

ブッタ、龍樹、老子、荘子、達磨大師、

そして親鸞、空海ですから

私たちが子供の時に学んだ歴史の教科書には

それなりに出ている方々とも言えそうです。

 

でも我が国の歴史の授業では

「いつ」「誰が」ばかりがテストに出てきて

「何を」が少し薄い感じがしますね。

 

これが歴史が苦手な人を生み出す要因になっていますが

当然、本書では「何を」にフォーカスしています。

 

歴史を軽視するわけではありませんが

あくまでも「哲学」を学ぶための1冊です。

しかも相当にくだけた感じで…です。

 

私は30代に入るくらいから

「哲学」に目覚めたところがありまして

自分なりに難しい本にチャレンジしてきたつもりです。

 

ka162701.hatenablog.com

 

理解度には全然自信がありませんし、

何でもかんでも哲学に結びつけるようなところがあり

これはこれでどうなんだろうと思いながら

まあでも「哲学」って

生きる、考える、もうすべて哲学でしょ的な発想もあります。

 

そんな私にとっては

本書のスタンスはわりと共感できるものでした。

 

ちなみに私が哲学に目覚めたきっかけは

「ソフィーの世界」です。

 

ja.wikipedia.org

 

もう30年も前だったのですが、

その時の「衝撃」は今でも忘れられません。

 

哲学は「そんなに難しくない」と思わせてくれましたし

日常の中に哲学があることを教えられました。

 

哲学の定義ひとつ取っても

もうそれだけでも非常に難解なものになってしまい

わかったんだか、わかってないんだか、

それすらよくわからなくなってしまうものなんですよね。

 

でも私のような一般人は

哲学を学問として捉える必要はなくて

むしろ「実学」として

それこそ「生活の知恵」くらいの感覚で

自分なりにアプローチしていけばいいと思うんです。

 

正直、今までも何冊もの難解な哲学本を読んできましたけど

「わからないことがわかった」という

とても笑えない状況なんですね。

 

裏を返せば「それも哲学か」と考えたりしますが

「わからないことがわかる」って

まさに無知の知でしょうし、

何でもわかったフリをしなければならない現代社会では

実に重要な「達観」と言えるかもしれません。

 

前述した「ソフィーの世界」は

わからないなりにわかりそうなポイントを

できるだけわかりやすく書いてくれてましたが、

本書は「現代版」東洋哲学として有効と思いましたし

むしろ「初心者」には最適な内容でしょうか。

 

著者のことは全然知りませんでしたし

どんな感じの本なのかもよくわからないまま

タイトル買いしていますので

ああ、こんな感じなんだ…と意外ではありました。

 

これが読み進めていくうちに

段々とクセになると言いますか…

不思議に心地良くなっていくのも面白いところです。

 

古文を現代文に訳すどころの話しではなく

象形文字を今でも通じる若者言葉にするくらいの

コペルニクス的な展開なのですね。

 

別に哲学云々ではなくて

どうも思うように行かない…とか

自分の人生は失敗だらけだ…とか

なんで自分はこうなんだ…というように

今、不満や不安が大きい人は

騙されたと思って

本書をお手に取ってみることをおススメします。

 

Z世代の価値観に代表されるように

最近の風潮では

自分の首を自分で絞めているケースが多いです。

 

そういうふうに考えたら

上手く行くものも行かなくなるよな…

 

そんなふうに受け止めてしまったら

自分にとっても大きなマイナスだよな…

 

そういう行動を取ってしまうから…

もしくは行動しないから…

自分の将来を犠牲にしちゃってるよな…

 

やはり「理由」があると思うのですね。

「理由」を把握して

もし改善できるならば

何かが変わっていくのではないでしょうか。

 

もしかしたら本書の東洋哲学には

そういうパワーがあるかもしれません。

 

もうひとつは「哲学」と「宗教」の違いは

どこにあるのだろうか?と考えさせられました。

 

我が国の場合は

一神教の国々とは異なる文化があるだけに

八百万の神ではないですが

自由度が高いというか

あまり頑なではありませんよね。

 

実際に本書で取り上げられている偉人は

ブッタをはじめ仏教にのめり込んでいた人なので

どこでどう区分けをするのか?

いや東洋哲学は区分けする必要がないのか?

そのあたりは違う書籍で学びたいと思いました。

 

西洋哲学と比較すれば

緻密に追求し続けるみたいな感じではなく

もっとふわっと、さらっと

生き方、考え方を教えてくれるとも言えるでしょうか。

 

まあ、突き詰めてしまえば

活かすも殺すも自分次第ではあると思いますけど、

何らかのヒントやきっかけが

もしかしたら手に入るかもしれませんよ。

 

とにかく読みやすさは抜群ですし

わかりやすさは右に出るものはいないでしょう。

 

そういう特徴的な哲学本は

そう滅多にないだけに

「生きづらさ」を感じている人には

絶賛おススメできるなと思いました。

 

あと挿絵とかイラストが

思わずクスっと笑かしてくれて

それも他にはない特徴のひとつでした。

 

評価

おススメ度は ★★★★☆ といたします。

 

面白かったですし、

東洋哲学に関しては

あまり知識もなかっただけに

勉強になったのは確かなんですけど

個人的にはちょっと不真面目な感じを持ってしまい

それが「ウリ」なのは百も承知なのですけど

残念ながら星をひとつ削りました。

 

いわゆる正統派の哲学書ではありませんが

変化球と考えると「あり」なのです。

 

「あり」なのですけど

正統派を好ましく思う方にとっては

邪道に映るかもしれません。

 

というか著者自身が百も承知ですし、

なにせ相当にアウトローな方ですので

むしろ個性と言わざるを得ません。

 

会社員で通用せず

地方移住して人間関係で合わず

お笑い芸人としてもダメで

おまけに無職になって離婚もして

かなり苦しんできた方なのですね。

 

救いを求めて東洋哲学に辿り着いたところもあり

そういう人の見る哲学も

それはそれで面白いものです。

 

巻末に紹介されていますが

相当の東洋哲学本、仏教書を読み込んで

本書を書き上げたようですから

充分に読むに値するのではないかと思いました。

 

それでは、また…。

 

 

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