祝 CentOS 6 リリース

「たくさん、またせて、ごめんなさい」は、emacs 上で wnn を使うための Tamago の由来ですが、アップストリームとなる RHEL 6 が 2010 年 11 月 10 日リリースなので、実に8ヶ月遅れで CentOS 6 がリリースされました。

その間、CentOS の ML やフォーラムは荒れるは、プロジェクトの危機を伝えるものもあれば、そうでもないと言う者あり*1で、七転八倒の8ヶ月でしたが、ついにリリースになりました。

この間、Scientific Linux が CentOS の代替*2としてクローズアップされました。自分も試しに入れてみたのですが、標準のリポジトリがなんかいまいちな感じがしてました。ソース rpm はあるんだけど、該当するバイナリの rpm が見つからない事があり*3、メインのパッケージ以外は CentOS の方が上なのかなぁ、などと思いながら過ごしていました。

現時点では CentOS 6 の extra や contrib のリポジトリは空なので、先述の Scientific Linux でバイナリ提供されていないものは、なにか別の問題で、Scientific Linux 側の都合ではない可能性もありますが、大きな違いが一つありました。

それは DeltaRPM です。

差分アップデートでダウンロード時間を短縮!--Fedora 11のDelta RPMを活用する - builder by ZDNet Japan

これまで、updates で提供される更新パッケージは、パッケージに含まれるファイルを全て更新する形だったのが*4、本当に変更のあったファイルだけを更新できるようにするのが、この DeltaRPM、らしいです*5。

CentOS 6 ではこの DeltaRPM に対応し、既に、DeltaRPM 用のパッケージがリポジトリに置かれています。Scientific Linux のリポジトリには見つけられませんでした。単にディレクトリをうろついて探しただけなので、実は対応している、という事が無いとは言えませんが、もし、本当に Scientific Linux が対応してなければ、CentOS と Scientific Linux の違いの一つになるかもしれません。

CentOS と Scientific Linux。同じ RHEL をアップストリームとしているディストリビューションですが、いろいろ調べると、細かな違いが出てくるかもしれません。その違いが分かれば、単にリリースタイミングだけではなく、自分に都合の良いのはどっちなのか、判断材料になると思います。


追記:
遅れは9ヶ月じゃなくて、8ヶ月でしたね(^^;。修正しました。

*1:って、自分(^^; id:JULY:20110520

*2:そもそも、CentOS 自体が RHEL の代替なんだけど...

*3:具体的には 389-ds。Ver.5 の時は、Redhat Directory Server を CentOS ではリブランディングして centos-ds という名前で extra のリポジトリで提供。

*4:設定ファイルなんかは、パッケージに含まれるスクリプトで既存ファイルを残して、別名で新しいものを保存、といった処理が入ることもあるので、必ず丸ごと上書き、という訳ではないですが。

*5:使ったこと無いので...