円安で日本旅行が人気 仁川―成田線の搭乗客5カ月で35%増=韓国
【ソウル聯合ニュース】韓国通貨ウォンの対円の為替レートが100円=920ウォン台を記録するなどかつてない規模の円安が続き、韓国から日本を訪れる観光客が増えている。新型コロナウイルス感染症が世界的な大流行「パンデミック」から、地域内で流行を繰り返す「エンデミック」に移行して海外旅行の需要が回復したことに加え、夏休みシーズンも近付いているためだ。
航空統計によると、今月1~10日には8万9847人が韓国航空会社の仁川―東京(成田)線を利用した。同期間比では4月(8万2352人)に比べ9.1%、1月(6万6741人)に比べ34.6%増加した。
出張と旅行で先月27日から5日間東京を訪れた30代の旅行者は「体感では韓国の食費が日本の1.5倍はする感覚だ」として、「日本人の友人が久しぶりに韓国を訪れて物価が高いと驚いていた」と語った。
新型コロナの感染拡大以降初めての海外旅行で先週東京を訪れた30代の会社員は、「日本は高い」という固定観念に反して物価が安く、驚いたとしながら「1200円も出せば主要観光地でもお腹いっぱい食べることができた。飛行機代を含めても(韓国から近い)福岡に行ってショッピングした方が安いという話が出ている」と話す。
一緒に旅行した人も「日本のタクシー代は高いというので心配したが、初乗り料金は500円だった。ソウルのタクシーの初乗り料金4800ウォン(約518円)より安かった」と説明した。
家族や友人と一緒に8日から3日間東京を旅行した20代の旅行者は「安い値段で好きなものを食べたり買ったりでき、うれしかった」として「ダイソーやコンビニエンスストア、生活用品店は韓国よりも安く、1000円以下で大抵のものを買うことができた」と話した。
高額商品を購入する際に円安を実感したという観光客もいた。先月夫と一緒に大阪を訪れたという女性は、「有名衣類ブランドは価格自体が安く、免税も受けられる上に円安で韓国より40~50%安くショッピングできた」と明かした。
旅行客らは、韓国では食品や公共料金、交通費など物価が全般的に急騰しているが、日本の物価は体感ではあまり上がっていないと伝えた。
4月末に新婚旅行で日本を訪れた会社員は、「コンビニとコーヒー専門店に行くと、新型コロナ以前と価格がほとんど変わっていないと感じた」と話す。日本では繁華街でも800~1000円で昼食を食べることができ、ソウルの会社の社員食堂で8000ウォン、近くの飲食店で1万1000ウォンほどかかることを考えれば、日本は同じ価格でより多くの選択肢があったという。
韓国銀行(中央銀行)によると、今月8日時点でウォンは対円で100円=928.63ウォンと、2015年11月9日(923.33ウォン)以来7年7カ月ぶりのウォン高・円安となった。
円安が続く中、ソウルの生活費が東京を上回ったという調査結果も発表された。英人材コンサルティング大手のECAインターナショナルが3月に207都市の生活費を調査した結果、ソウルは昨年の10位から1ランク上昇した9位、東京は5ランク下落した10位だった。