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RenoirことAMD第4世代Ryzen APUの8コア16スレッド最上位モデル「AMD Ryzen 7 PRO 4750G」がASRock DeskMini A300で動作してたのでショートレビュー的に簡単に紹介します。
「AMD Ryzen 7 PRO 4750G」などAMD Ryzen 4000Gシリーズについては2020年6月に新たに発売されたB550チップセットを搭載したマザーボードがネイティブサポートするほか、昨年発売されたX570チップセットを搭載したマザーボードもBIOSアップデートで対応します。
B450やA300などの旧チップセットはAMDの公式サポートからは外れているので注意が必要です。
300/400シリーズの旧チップセットについてはAMDの公式サポート外なので、AMD Ryzen 4000Gシリーズが完全に正常動作する保証はないのですが、マザーボードメーカーからは一部製品に対してベータBIOSという形で対応BIOSが提供される可能性があります。
ASRock Deskmini A300についても、マイクロコードAMD AGESA ComboV2 1.0.0.2を含むBIOSであるベータバージョンの”3.60L”がリリースされていました。なお同バージョンは現在取り下げられており、公式ページからダウンロードできなくなっています。管理人のほうでもいくつか不具合を確認しているので、ブラッシュアップしたバージョンの公開に期待したいところ。
A300でRenoirは遊びで使うならいいかもしれませんが
— ASRock Japan (@AsrockJ) August 6, 2020
ASRock基準では動くと言えないので残念ながらやめました。
実装パーツでどうしてもRenoirが安定して動かないので
正式対応はX300のみです。
・「ASRock DeskMini X300」をレビュー。Ryzen 4000Gに完全対応!
前置きはこの辺りにして早速、ASRock Deskmini A300の実機で検証を進めていきます。
2020年7月末に管理人が購入したASRock Deskmini A300のBIOSバージョンは正式な最新バージョンである「3.60」にアップデート済みでした。Ryzen 5 3400GなどPicassoシリーズに対応しています。
「3.60」からRyzen 4000Gシリーズに対応する「3.60L」へアップデートを行いますが、Deskmini A300はCPU&メモリレスなBIOS修復機能に対応していないので、BIOSアップデートの繋ぎにRyzen 5 3400GなどPicassoシリーズ、もしくはRyzen 5 2400GなどRaven Ridgeシリーズが必要になります。なお「3.60L」はBristol Ridgeに対応していないので注意してください。
BIOSアップデート自体は一般の自作PC向けASRock製マザーボードと同様にInstant Flashから行えます。
BIOSをバージョン3.60LにアップデートするとAMD Ryzen 7 PRO 4750GがASRock Deskmini A300で認識されました!
AMD Ryzen 7 PRO 4750Gが認識されたのでOSインストールを行ったところ、この後は通常の手順で特に躓くこともなくWindow10をインストールできました。
AMD Ryzen 7 PRO 4750Gは一般的なB550マザーボードにおいて定格電力制限『PPT:88W、TDC:65A、EDC:90A』が許容されていますが、ASRock Deskmini A300においても同設定が適用されていました。
CPUクーラーの性能不足まで検討するのが面倒だったので、ここからは簡単にWraith Prismを搭載した状態で検証を進めていきます。(ちなみにBIOS:3.60Lの不具合の1つとしてファン制御が正常に適用されません。一定デューティ比での固定動作になっており、Wraith Prismの場合は1600RPMで定速回転です。公式ページにも掲載されていないリークな怪しいBIOSですが、3.60Nでは修正されています)
とりあえずWraith Prismを使って十分に冷やしたところ、Cinebench R20のスコアは4900程となりました。8コア16スレッドAPUであるAMD Ryzen 7 PRO 4750Gの性能がしっかりと発揮されています。
AMD Ryzen 7 PRO 4750Gについては詳細レビューを公開中です。
・「AMD Ryzen 7 PRO 4750G」をレビュー。Core i7 10700と徹底比較
続いてストレステストとして、動画のエンコードによって30分ほどCPUにフル負荷をかけ続けましたが、特にエラーも発生することなく安定動作しました。
ASRock Deskmini A300においてAMD Ryzen 7 PRO 4750GのCPUにフル負荷をかけ続けた時、VRM電源温度をチェックしてみると、100度超に達していました。VRM電源回路のオーバーヒートによるコアクロックの強制低下こそ発生していないもののかなりの高温です。
省電力化設定を適用してVRM電源への負荷を緩和した方がよさそうですが、AMD Ryzen 7 PRO 4750Gは電力効率も良く、PPT:65W程度でも8コア16スレッドCPUとして十分な性能を発揮できます。一例として、PPT:54WでCinebench R20のスコアが4500程度、PPT:42WでCinebench R20のスコアが4100程度です。
ちなみにASRock Deskmini A300においてAMD Ryzen 7 PRO 4750Gを使用した時の消費電力(ACアダプタの入力電力)は、アイドル時に15W以下、CPUにフル負荷がかかると120~130Wでした。
なおGPUに負荷をかけた時、アイドル比で+30~40Wの消費電力が発生しますが、CPUとGPUの両方にフル負荷をかけてもシステム消費電力は140Wを超えません。
CPUとGPUの合計消費電力に制限があるのはRyzen 7 PRO 4750G自体の仕様らしく、B550マザーボード環境でも共通でした。ASRock Deskmini A300の付属ACアダプタは入力180Wに対応しているので、供給電力的には多少余裕があります。
現状のACアダプタ180W出せるので性能上げる必要がないです。
— ASRock Japan (@AsrockJ) August 6, 2020
続いてメモリOCについてですが、XMPプロファイルによるメモリ周波数3200MHzかつメモリタイミングCL16の高速動作なオーバークロックに対応する32GB×2=64GB容量のSODIMM DDR4メモリキット「Crucial Ballistix SODIMM BL2K32G32C16S4B」は正常動作が確認できました。
またメモリ周波数3200MHz/CL22の標準動作に対応する1枚32GB容量のSamsung純正メモリモジュール2枚組キット「AU-2XM471A4G43AB1-CWE」も正常動作が確認できました。
なおRAM Testによるメモリストレステスト自体はクリアできたのですが、メモリ周波数2933MHz以上において、3DMark FireStrikeなどでiGPUにフル負荷がかかると画面表示が崩れてシステムがクラッシュしました。定格3200MHzに対応する8GBシングルランク2枚組みでもクラッシュしています。(B550マザーボード環境では正常動作を確認済みなのでCPUに問題なし)
メモリ周波数を2666MHzに下げるとiGPUにフル負荷をかけても安定動作しました。
SOC電圧が低いことが原因ではないかと思っているのですが、困ったことにASRock Deskmini A300にはメモリ電圧以外の電圧設定がありません。3600MHz以上へのメモリOCも視野に入れるとSOC電圧の設定項目は今後のアップデートで追加して欲しいところです。
以上、『Ryzen 7 PRO 4750GがDeskmini A300で動く!』でした。
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RenoirことAMD第4世代Ryzen APUの8コア16スレッド最上位モデル「AMD Ryzen 7 PRO 4750G」がASRock DeskMini A300で動作!https://t.co/tQh8DfUwAt
— 自作とゲームと趣味の日々 (@jisakuhibi) August 2, 2020
「ASRock DeskMini A300」については詳細レビューを公開中です。「Noctua NH-L9a-AM4」を使用した場合の冷却性能、動画の倍速補完機能「AMD Fluid Motion」の使い方などASRock DeskMini A300の気になるポイントを徹底検証しています。
・「ASRock DeskMini A300」をレビュー
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(注:記事内で参考のため記載された商品価格は記事執筆当時のものとなり変動している場合があります)
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Ryzen 5 3400GはPicasso、2400GはRaven Ridgeではないでしょうか。(Bristol RidgeはA12-9800Eなどの最初期のAM4 APU)