XPG LEVANTE X 360


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定番かつ高性能なAsetek 第7世代水冷ヘッドを採用し、水冷ヘッドにはインフィニットミラーのARGB LEDイルミネーションを搭載するゲーマー向けAIO水冷CPUクーラー「XPG LEVANTE X 360」をレビューします。
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製品公式ページ:https://www.xpg.com/jp/xpg/pc-component-levante-x-360




レビュー目次


1.XPG LEVANTE X 360の外観・付属品
2.XPG LEVANTE X 360の水冷ヘッドと水冷チューブ
3.XPG LEVANTE X 360のラジエーターと冷却ファン

   ・XPG LEVANTE X 360のLEDイルミネーション

4.XPG VENTO PRO 120 PWMについて

5.XPG LEVANTE X 360の検証機材・セットアップ

6.XPG LEVANTE X 360のファンノイズと冷却性能

7.XPG LEVANTE X 360のレビューまとめ




【機材協力:ADATA XPG 国内正規代理店 タイムリー】



XPG LEVANTE X 360の梱包・付属品

まずは「XPG LEVANTE X 360」の外観や付属品をチェックしていきます。
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XPG LEVANTE X 360の製品パッケージを開くと、外装の中にCPUクーラーや付属品に合わせた形のパルプモールドが入っていました。パルプモールドにぴっちりと内容品が収められており、必要最小限のパッケージサイズに押さえられています。
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マウントパーツを詳しく見ていくと、AMDプラットフォーム用のリテンションブラケットとIntel LGA1700用バックプレート(LGA1200/115X互換)があります。Intelプラットフォーム用のリテンションブラケットは水冷ヘッドに装着されています。
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水冷ヘッド固定用のネジ類については、ローレットナットに加えてプラットフォーム別でスタンドオフが3種類付属します。
中央に凹みがあるものがIntel LGA1700用、両端の長さとネジ山が同じものがIntel LGA1200用、六角部が短く両端の長さが異なるものがAMD AM5/4用となっています。AMD AM5/4用のスタンドオフはプラスチック製スペーサーと組み合わせて使用します。
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「XPG LEVANTE X 360」には冷却ファンを固定するための長ネジが4本×3セットで計12本、ラジエーターをPCケースに固定するための短ネジが4本×3セットで計12本が付属します。またワッシャーも4個×3セットで計12個が付属します。なおネジの規格はUNC No.6-32です。
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冷却ファン関連では加えて、4PINファン端子延長ケーブルと、冷却ファンのARGB対応ロック付きLED端子をマザーボード等に実装されることの多いARGB対応VD-G型汎用3PIN LED端子(メス端子からオス端子が分岐)に変換するケーブルが、ファン1基に1つずつ付属します。(360サイズモデルは3本ずつ)
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簡易水冷CPUクーラー本体は水冷ヘッドとラジエーター共にビニール袋に包まれています。
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XPG LEVANTE X 360の水冷ヘッドと水冷チューブ

続いて「XPG LEVANTE X 360」の水冷ヘッド本体をチェックしていきます。
「XPG LEVANTE X 360」の水冷ヘッドはプラスチックの外装で、シンプルな円柱形状です。外装はプラスチック製ですが、チタニウム/メタリックグレーのカラーリングで鉱石風の塗装となっており、安っぽさはなく、天面の鏡面プレートとのコントラストで高級感を感じます。
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「XPG LEVANTE X 360」の水冷ヘッドの天面プレートにはARGB LEDイルミネーションが内蔵されており、マザーボードなどARGBに対応したLEDコントローラーに接続すると、七色に発光させることができます。
消灯した状態では上写真のように単純な鏡面プレートですが、LEDイルミネーションを点灯させるとXPG&トライアングルのロゴが浮かび上がります。インフィニットミラー構造も採用されているので、見る角度によって3~8重に重なって写ります。
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なお上の写真は見栄えが良いように上手く明るさや彩度を調整していますが、実際には「XPG LEVANTE X 360」の水冷ヘッドに内蔵されたLEDイルミネーションは輝度が低く、他のLEDイルミネーションがあってPCケース内が明るいと上手く見えないかもしれません。
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「XPG LEVANTE X 360」の水冷ヘッドからは、水冷ポンプへの給電および回転数取得用のPWM対応4PINファン端子と、水冷ヘッドに内蔵されたLEDイルミネーションへの給電およびライティング制御用のARGB対応VD-G型汎用3PIN LEDケーブルが伸びています。
LEDケーブルについてはコントローラーに接続するメス端子から、オス端子が分岐しており、1つのコントローラー側LED端子から複数のLED機器を接続できます。
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「XPG LEVANTE X 360」の水冷ポンプはPWM速度調整に対応しており、最大ポンプ速度は同じく2800RPM前後ですが、最小ポンプ速度を1200RPM程度までさらに下げることができます。
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「XPG LEVANTE X 360」のCPUと接触するベース部分は銅製ベースプレートが採用されています。保護フィルムではなくプラスチックのカバーで保護されていました。標準で熱伝導グリスが均等に塗られているので、こだわりがなければ初回使用時は個別にグリス購入の必要はありません。
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「XPG LEVANTE X 360」には簡易水冷市場の大手メーカーであるAsetek社のノウハウがさらに凝縮された水冷ポンプ内蔵の銅製ベースプレート式水冷ヘッドが採用されています。
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CPUヒートスプレッダと接する水冷ブロックのベースプレートは銅製です。表面は滑らかですがヘアライン状の磨き跡が見え、完全な鏡面磨き上げにはなっていませんでした。
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「XPG LEVANTE X 360」のリテンションブラケットは水冷ヘッドから取り外し可能です。
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リテンションブラケットは歯車状のツメで固定する構造なので、リテンションブラケットに対する水冷ヘッドの向き(回転)は自由に調整できます。AMD AM4のよう対称でないマウント構造でも最適な向きで水冷ヘッドを固定できます。
天面プレートも90度刻みで自由に回転できるので、水冷ヘッドのチューブが出る向きを変えたり、マザーボードの向きがそもそも回転している環境でも正しい向きで水冷ヘッド天面をディスプレイできます。
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「XPG LEVANTE X 360」の水冷チューブは水冷ヘッドの側面から出る構造になっています。
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L字エルボーの水冷ヘッド側はロータリー式になっているので両側ともにチューブ同士が干渉しない範囲で180度自由に動かすことができます。根本の距離は広めでチューブも細いので同じ方向でも180度近くまで回すことができます。
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「XPG LEVANTE X 360」の水冷チューブには高耐久な耐熱性ゴムチューブを採用、上から柔軟性に優れ摩耗防止に適したナイロンスリーブが巻かれており取り回しにも優れています。
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「XPG LEVANTE 360 ARGB」の水冷チューブの長さは400mm程度で標準的な長さです。十分な長さがあるのでミドルタワー程度のPCケースであればトップだけでなく、フロントのファンマウントスペースにもラジエーターを設置できます。
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水冷チューブは外径は10mm、内径は5mm程度で、ゴム製チューブにナイロンスリーブが巻かれています。細くて丈夫なチューブなので曲げやすく取り回しにも優れています。かなり強く曲げてもチューブが折れて潰れなかったのでコンパクトなPCへ組み込む際にも苦労することはないと思います。一般的な簡易水冷CPUクーラーよりもチューブ外径が小さいのでチューブの取り回しにも優れています。
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XPG LEVANTE X 360のラジエーターと冷却ファン

続いてXPG LEVANTE X 360のラジエーター部分をチェックしていきます。
「XPG LEVANTE X 360」のラジエーターのデザインは一般的なもので、一部メーカーの製品に採用されているように独自デザインではなく汎用的なものが使用されていました。
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放熱フィンのピッチについては水冷ユーザー視点で言うと少し密度が高いと感じました。密度が高い分、放熱フィンの放熱性能は高まりますが、静圧の低いケースファンや低回転数動作の場合、十分なパフォーマンスを発揮できない可能性もあるので注意が必要です。
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ラジエーターの厚さは一般的な27mm厚です。25mm厚の冷却ファンと組みわせることになるので、ファンマウントスペースのクリアランスは52mmほど必要になります。
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「XPG LEVANTE 360 ARGB」は360サイズラジエーターを搭載した簡易水冷CPUクーラーなので、120mmサイズ冷却ファンが標準で3つ付属します。
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XPG LEVANTE X 360に付属する冷却ファンは、「VENTO PRO 120 ARGB PWM(型番:DF1202512LFS4A-PWM)」という名前/型番ですが、同等品が「XPG HURRICANE 120 ARGB PWM(型番:HURRICANE120ARGBPWM-BKCWW)の名前で発売中です。

VENTO PRO 120 ARGB PWMの定格(最大)回転数は2000RPM、PWM速度調整に対応した4PINファンとなっており、600~2000RPMの範囲内で速度調整が可能です。
半透明ブレードは軸受け部分に内蔵されたアドレッサブルLEDイルミネーションの光を拡散し、ブレード全体に鮮やかな色が行き渡ります。また外周リングにもアドレッサブルLEDイルミネーションが内蔵されています。
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VENTO PRO 120 ARGB PWMの軸固定用の支柱は、緩く弧を描きながら根本付近でファンブレードに対して垂直になっており、ファンブレードの根元が支柱付近を通過するときに発生するノイズを抑制しています。また軸受けには40度環境でMTBF 4万時間の高耐久性かつ高静音性な流体動軸受け(Fluid Dynamic Bearing)が採用されています。
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VENTO PRO 120 ARGB PWMはネジ穴部分に防振ゴムが貼られて防振性も確保されています。ファンブレードもインテークのような独特の形状です。
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VENTO PRO 120 ARGB PWMからはPWM対応4PINファンケーブルに加えて、ファンに内蔵されたLEDイルミネーションに給電およびライティング制御するためのARGB対応ロックピン付きLEDケーブルが伸びています。
ファンとLEDのケーブルはいずれも短く、オス端子からメス端子が分岐していて、水冷ラジエーターなどファンを連ねて設置する時の配線に最適化されています。
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オスメスに分岐した短いケーブルによって、ラジエーター上の冷却ファンは各種ケーブルをデイジーチェーン接続でき、付属の延長ケーブルを組み合わせることで、多数のファンを搭載していてもスマートにケーブルを配線できます。
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XPG LEVANTE X 360のLEDイルミネーション

「XPG LEVANTE X 360」の水冷ヘッドと冷却ファンに搭載されたLEDイルミネーションについて紹介していきます。
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「XPG LEVANTE X 360」に搭載されたアドレッサブルLEDイルミネーションは、標準で付属するコントローラーXPG PRIME ARGB controllerによって制御することが可能です。
コントローラーからはSATA電源ケーブルが伸びており、SATA電源を電源供給元として、「XPG LEVANTE X 360」のアドレッサブルLEDイルミネーションへの電源供給とライティング制御が可能になっています。
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また「XPG LEVANTE X 360」に付属するLED搭載ファンのLED端子は独自のロック付きコネクタなので、これを付属コントローラーやマザーボードが対応するVD-G型汎用3PINに変換する変換ケーブルも付属しています。変換ケーブルはファンの数に合わせた数量が付属します。
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XPG PRIME ARGB controllerには、MODE、SPEED、LIGHTの3つボタンがあり、刻印された単語の通りにLED発光パターンを制御できます。
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また「XPG LEVANTE X 360」の水冷ヘッドと冷却ファンに搭載されたLEDイルミネーションは、ARGB対応VD-G型汎用3PIN LEDヘッダーがあるLEDコントローラーによるライティング制御に対応しています。
マザーボードについてはASUS AURA Sync、ASRock Polychlome RGB Sync、GIGABYTE RGB Fusion、MSI Mystic Lightなど国内主要4社マザーボードのライティング制御機能による操作が可能です。
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冷却ファンのLEDイルミネーションやLEDケーブルの配線の方法については同じなので、以下、旧モデルのXPG LEVANTEシリーズの写真も交えながら説明していきます。

「XPG LEVANTE X 360」のLEDイルミネーション制御に付属のLEDコントローラーを使用する場合、冷却ファンをロックピン付きコネクタで順番に数珠繋ぎしていき、付属のLED変換ケーブルを介して水冷ヘッドのLEDケーブルと付属LEDコントローラーを接続します。
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「XPG LEVANTE X 360」はシンプルな単色発光だけでなく、LED素子1球1球が個別カラーで発光するアドレッサブルなライティングにも対応しています。
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ARGB LEDコントローラーも標準で付属しており、3つのスイッチを操作するだけで様々なライティングを実現できます。
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XPG VENTO PRO 120 PWMについて

今回紹介するAIO水冷CPUクーラー XPG LEVANTE X 360でも使用可能で、XPGから絶賛発売中の高性能冷却ファン「XPG VENTO PRO 120 PWM」についてもご紹介します。
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「XPG VENTO PRO 120 PWM」の付属品は4PINファン延長ケーブル、ファン固定用テーパーネジ4個のみと非常にシンプルです。
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「XPG VENTO PRO 120 PWM」は120mm角サイズ、定格2150RPMのPWM速度調整対応4PIN冷却ファンです。PWM速度調整によって900~2150RPMの範囲内で速度調整が可能です。なおDC速度調整の場合は450RPM程度まで速度を落とすことも可能です。
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「XPG VENTO PRO 120 PWM」は高性能ファンとして一世を風靡したGentle TyphoonをベースにしてNidec(日本電産サーボ)と共同開発されており、最適化されたデザインと高い静圧によって効率的で優れたエアフローを実現しています。
また7年ほど前に国内で正規販売されていたGentle Typhoonと比較して4PINファン端子でPWM速度調整に対応、ファンフレームに防振ラバーパッドを標準装備など、最新の自作PC事情に合わせて細部がアップデートされています。
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「XPG VENTO PRO 120 PWM」は高い静圧と風量を実現する大きく弧を描く形状のファンブレードを特徴とし、同時に振動や風切りによるノイズも低減しています。人間の耳により騒音が届きにくいよう細部までこだわった設計です。
軸受け部分にはNidecによる革新的なモーターデザインとコイルダンパーを用いた構造、日本製の高精度なダブルボールベアリングを採用することで高い振動抑制効果を実現と長寿命を実現しています。
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優れた設計によって「XPG VENTO PRO 120 PWM」は水冷ラジエーター空冷CPUクーラーPCケースエアフローファンの3つの用途で求められる静圧に対して、いずれの用途でも一般的な冷却ファンよりも高い風量を得ることができるとアピールされています。
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国内で以前に販売されていたGentle Typhoonには非搭載でしたが、「XPG VENTO PRO 120 PWM」ではファンフレームの四隅に防振ラバーパッドが装着されており冷却ファンの振動による共振の発生を抑制します。
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ファンフレーム内側の縁は表面はノイズを抑制する丸形ですが、排気面となる裏面はすり鉢状に面取り拡張されています。
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「XPG VENTO PRO 120 PWM」の軸固定はファンブレード回転方向と直交する向きで真っすぐ4本の軸フレームが伸びる構造です。またファンブレードの付け根部分にある2つの切り込みはファンブレードが固定用の支柱を通るときに発生するノイズを拡散する事で抑制します。
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「XPG VENTO PRO 120 PWM」の軸受けには、安定性と耐久性を高める金属製強化モーターハブを採用、Nidec(日本電産サーボ)製の高精度なダブルボールベアリングによりスムーズな回転と高寿命を実現しています。スチール剥き出しなモーターハブは無骨な工業製品らしさを感じます。
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Nidecによる高品質設計で、「XPG VENTO PRO 120 PWM」は25℃における使用想定で25万時間、60℃における使用想定では6万時間と非常に高いMTTF(平均故障寿命)を実現しています。メーカー保証期間も5年の長期保証です。
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「XPG VENTO PRO 120 PWM」のファンケーブルはフレームから80mm程度のショートケーブルで4PINファン端子が伸び、そこからさらに70mm程度で4PINファンのメス端子が分岐するユニークな構造です。
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またオス端子からメス端子80mmが分岐するショートケーブルは複数ファンでデイジーチェーン接続に対応、またケーブル自体も取り回しの良いフラットケーブルとなっており、ファンが連続するPCケースや水冷ラジエーターでもケーブルマネジメントが容易な設計です。マザーボードとの接続用に450mm長の延長ケーブルも付属します。
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XPG LEVANTE X 360の検証機材とセットアップ

XPG LEVANTE X 360を検証機材のベンチ機にセットアップします。検証を行うベンチ機のシステム構成は次のようになっています。
テストベンチ機の構成
CPU
Intel Core i9 13900K
レビュー
AMD Ryzen 9 7950X
レビュー
M/B ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO
レビュー
ASUS ROG CROSSHAIR X670E HERO
レビュー
メインメモリ G.Skill Trident Z5 Neo
F5-6000J3038F16GX2-TZ5N (レビュー
DDR5 16GB*2=32GB
6000MHz, CL30-38-38-96
グラフィックボード
MSI GeForce GT 1030 2GH LP OC
ファンレス (レビュー
システム
ストレージ
Samsung SSD 980 PRO 500GB (レビュー
OS Windows10 Home 64bit
電源ユニット
Corsair HX1200i (レビュー
PCケース/
ベンチ板
STREACOM BC1 (レビュー


ベンチ機のシステムストレージには「Samsung SSD 990 PRO 1TB」を使用しています。
Samsung SSD 990 PROは、PCIE4.0対応SSDで最速クラスの性能を発揮し、なおかつ電力効率は前モデル980 PRO比で最大50%も向上しており、7GB/s超の高速アクセスでも低発熱なところも魅力な高性能SSDです。 これからPCIE4.0対応プラットフォームの自作PCを組むなら、システム/データ用ストレージとして非常にオススメな製品です。
「Samsung SSD 990 PRO 1TB」をレビュー。性能も電力効率もトップクラス!
Samsung SSD 990 PRO 1TB



CPUクーラーの設置方法について、当サイトの評価基準となるチェックポイントは次の3つです。
  • LGA115Xの場合、CPU固定バックプレートが単独でマザーボードに固定できるか
  • マウントパーツ設置状態でCPUを交換できるか
  • 空冷の場合、ネジ止めの場合はマザーボード側から固定できるか
    簡易水冷or水冷ブロックの場合、ハンドスクリューなどツールレス固定ができるか

上の3項目を全て満たす例として本格水冷用のCPU水冷ブロックですが「EK-Supremacy EVO」のマウンタ構造は「バックプレートをM/Bに固定可能」「完全ツールレス」「マウンタ設置状態でCPUの交換が可能」なので本格水冷・簡易水冷クーラーの水冷ブロック固定方式としてはベストだと思っています。水冷クーラーメーカーにはどんどん真似してもらいたい理想的な構造です。

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前置きはこのあたりにしてベンチ機へXPG LEVANTE X 360をセットアップします。

Intel第13世代Raptor Lake-SシリーズCPUが対応するLGA1700プラットフォームでは、水冷ヘッドを固定する下準備として下のマウントパーツを使用します。
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まずはマザーボードを裏返してバックプレートのネジ穴をマザーボードのCPUソケット四隅の穴に挿入します。
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バックプレートが脱落しないように注意してマザーボードを表に向け、スタンドオフと呼ばれる水冷ヘッドを固定するためのスペーサーを使ってマザーボードをバックプレートと挟みます。
「XPG LEVANTE X 360」にはプラットフォーム別でいくつかのスタンドオフが付属していますが、Intel LGA1700プラットフォームでは六角部分の中央が凹んだ形状のスタンドオフを使用します。
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下のようにスタンドオフとバックプレートでマザーボードを挟みます。4か所全てでスタンドオフを固定したらマウントパーツの設置が完了です。
マウントパーツは単独でもマザーボードに固定されているので、CPUクーラーの設置が完了していない状態でもバックプレートなどが脱落することはなく、PCケースに設置した状態でもCPUクーラーの設置が容易な構造です。
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AMD Ryzen CPUに対応するAM5/AM4マウントで使用する場合は、マザーボード表面に標準で備え付けられたCPUクーラー固定器具を外して、背面のバックプレートはそのまま流用し、付属のソケット付きスタンドオフを装着するだけで準備完了です。
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AM4/AM5の両方に対応するAsetek OEMの水冷ヘッドマウントではスタンドオフに加えてスリーブスペーサーを使用します。
スリーブスペーサーの正しい向きは、各上下面のAM4/AM5の刻印が見える向きです。AM5マザーボードで使用する場合は、側面の溝が上にきて、上からAM5の文字が見えるのが正しい向きです。
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水冷ヘッドをマザーボードに固定する準備はこれで完了したので熱伝導グリスをCPUのヒートスプレッダに塗布します。熱伝導グリスには当サイト推奨で管理人も愛用しているお馴染みのクマさんグリス(Thermal Grizzly Kryonaut)を塗りました。熱伝導効率も高く、柔らかいグリスで塗布しやすいのでおすすめです。


グリスを塗る量はてきとうでOKです。管理人はヘラとかも使わず中央山盛りで対角線だけ若干伸ばして塗っています。特にThermal Grizzly Kryonautは柔らかいグリスでCPUクーラー固定時の圧着で伸びるので塗り方を気にする必要もありません。
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熱伝導グリスを塗ったらバックプレートから延びるネジに水冷ヘッドの足のネジ穴が合うようにしてCPUクーラーを装着します。CPUの上に乗せたらグリスが広がるように力の入れすぎに注意して水冷ヘッドをグリグリと捻りながら押し込んでください。
XPG LEVANTE X 360の水冷ヘッドの固定ネジはツールレスな大型ローレットナットなので固定は容易です。プラスドライバーでも締められますが、そこまで強く締める必要はないので対角順に水冷ヘッドがグラグラ動かない程度に手でネジを締めてください。
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水冷ヘッド側面から水冷チューブの出ている簡易水冷CPUクーラーでは最左端にあるメモリスロットの距離次第で水冷トップ右のチューブエルボーとメモリが干渉してCPUクーラーを設置できない場合がありますが、「XPG LEVANTE X 360」では十分なクリアランスが確保されているので、概ね干渉は起こらないと思います。
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簡易水冷CPUクーラーはラジエーター設置の手間やスペース確保の問題はありますが、マザーボード上のメモリなどのコンポーネントとの干渉は大型のハイエンド空冷CPUクーラーより発生し難く、水冷ヘッドの設置自体も基本的にツールレスで容易なのが長所だと思います。
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XPG LEVANTE X 360のファンノイズと冷却性能

本題となるXPG LEVANTE X 360の冷却性能と静音性についてチェックしていきます。
検証システムをベンチ板に置いた状態で測定を行っているためCPUクーラーが水冷・空冷によらず基本的にCPUクーラーの理想的な性能をチェックすることになります。
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まずはサウンドレベルメーター(騒音計)を使用して「XPG LEVANTE X 360」のファンノイズをファン回転数別で測定しました。検証機材はベンチ台の上に平置きにしているので、サウンドレベルメーターをスタンドで垂直上方向に50cm程度離して騒音値を測定しています。
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この測定方法において電源OFF時の騒音値は30dB未満です。目安として騒音値が35dBを超えたあたりからファンノイズがはっきりと聞こえるようになりますが、35~38dB以下であればPCケースに入れてしまえばファンノイズが気になることはそうそうないと思います。40dB前後になるとベンチ台上で煩く感じ始め、45dBを超えるとヘッドホンをしていてもはっきり聞き取れるくらいになります。
A特性で測定しているのである程度は騒音値にも反映されていますが、同じ騒音値でも周波数(ファン回転数)が高いほど体感としては大きな音に感じやすく、また不快に感じたり感じなかったりは音の性質(細かい乱高下の有無や軸ブレ)にもよるので注意してください。

「XPG LEVANTE X 360」のラジエーター冷却ファンのファンノイズを測定したところ次のようになりました。
「XPG LEVANTE X 360」はラジエーター冷却ファンを1400~1500RPM前後に収まるようにするとノイズレベル35dB前後となり、静音動作で運用できると思います。
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冷却ファンを付属品から同社製の「XPG VENTO PRO 120 PWM」、他社製品ですが「Noctua NF-A12x25 PWM」や「Thermaltake TOUGHFAN 12」といった高性能ファンに交換すれば標準ファンと同じノイズレベルにおいて300PRM~400RPM程度高いファン回転数で運用でき、より高い冷却性能と静音性を実現できます。
1台あたり2000~4000円ほどと高価ですが、CPUクーラーのパフォーマンスを追及するのであれば、高性能冷却ファンへの換装もオススメです。
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続いて「XPG LEVANTE X 360」の冷却性能をチェックしていきます。
CPUクーラーの冷却性能を検証するためのストレステストについては、FF14ベンチマークの動画(再生時間7分、4K解像度、60FPS、容量5.7GB)をソースとしてHandBrakeによるx264動画エンコードを使用しています。
4~6コアは並列なし、8~14コアは2並列実行、16コア以上は3並列実行のようにメニーコアでもCPUに遊びが生じないよう動画エンコードの並列実行数は適宜調整しています。なおテスト中の冷却ファンや水冷ポンプの回転数は一定値に固定します。
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注:CPUのストレステストについてはOCCTなど専用負荷ソフトを使用する検証が多いですが、当サイトではPCゲームや動画のエンコードなど一般的なユースで安定動作すればOKとういう観点から管理人の経験的に上の検証方法をストレステストとして採用しています。


まずはIntel第13世代Raptor Lake-S最上位モデル、24コア32スレッドCPUの「Intel Core i9 13900K」を使用して、Intel第13世代Core-S環境における、「XPG LEVANTE X 360」の冷却性能を検証していきます。

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Core i9 13900Kの動作設定はPL1/PL2:253Wの定格動作とし、メモリOC設定については検証機材メモリ「G.Skill Trident Z5 Neo F5-6000J3038F16GX2-TZ5N」に収録されたOCプロファイルを適用し、メモリ周波数6000MHz、メモリタイミング30-38-38-96、メモリ電圧1.350Vです。

Core i9 13900Kを定格設定のPL1/PL2:253Wで動作させると、フル負荷時にP-Core All 5.2GHz、E-Core All 4.1GHz程度となり、Cinebench R23のスコアは39000前後になります。またこの動作設定において上で紹介したx264エンコードによるストレステストを実行すると、EPS電源経由の消費電力は300W前後に達します。
Intel Core i9 13900K_def_Cinebench R23
Intel Core i9 13900K_def_Power


「XPG LEVANTE X 360」のラジエーター冷却ファンを1500RPM(ポンプ速度は最大)に固定してストレステストを実行したところ、定格動作であるPL:253WのCore i9 13900KのCPU温度は最大99度、平均89.1度に収まりました。
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高温ではあるものの安定動作しており、サーマルスロットリングが発生する臨界温度100度よりは低いので、CPU Package Powerは253W前後に張り付き、実動CPUコアクロックはP-Core All 5.2GHz、E-Core All 4.1GHz程度でした。
XPG LEVANTE X 360_temp_Core i9 13900K_253W_2

Core i9 13900KやCore i7 13700Kは定格のまま運用すると絶対性能を重視した設定なのでCPU消費電力がかなり高くなりますが、CPU Package Powerを180~200Wまで下げてもマルチスレッド性能の低下は10%程度であり、PL:155Wもあれば定格設定からゲーム性能が下がることもありません。
Intel Core i9 13900K_Performance_per-and-game
なのでCore i9 13900Kの動作倍率は定格設定のまま、長期間電力制限PL1を220Wに制限したケースについて検証してみました。短期間電力制限PL2は定格と同じく253W、短期間電力制限時間Tauは56秒としています。
Intel Core i9 13900K_PL-200W_BIOS

CPU Package Powerが253W前後で推移する定格設定ではベンチ板測定でもCPU温度が90度を超えてしまいますが、PL1を220Wに設定すれば長期的な負荷に対して80度前後に収まります。PL1:220Wの設定なら電力制限の影響が大きいマルチスレッド性能も性能低下は10%未満です。
「XPG LEVANTE X 360」で静音性も維持しつつ80度以下でCPUをしっかり冷やす、という条件になると、Core i9 13900KなどIntel第13世代CPUの場合はPL1:200~220W程度を目安に設定するのが良さそうです。
XPG LEVANTE X 360_temp_Core i9 13900K_220W_1
XPG LEVANTE X 360_temp_Core i9 13900K_220W_2


続いてAMD Ryzen 7000シリーズ最上位モデル、16コア32スレッドCPUの「AMD Ryzen 9 7950X」を使用して、AMD Ryzen 7000シリーズ環境における「XPG LEVANTE X 360」の冷却性能を検証していきます。
DSC07275_DxO

Ryzen 9 7950Xの動作設定は定格のまま、メモリOC設定については検証機材メモリ「G.Skill Trident Z5 Neo F5-6000J3038F16GX2-TZ5N」に収録されたOCプロファイルを適用し、メモリ周波数6000MHz、メモリタイミング30-38-38-96、メモリ電圧1.350Vです。メモリコントローラー周波数UCLKは1:1同期、Infinity Fabric周波数FCLKは2000MHzです。

この設定においてRyzen 9 7950XのCinebench R23のマルチスレッドスコアは38000ほどとなります。またこの動作設定において上で紹介したx264エンコードによるストレステストを実行すると、EPS電源経由の消費電力は210~240W前後に達します。
AMD Ryzen 9 7950X_def_Cinebench R23
AMD Ryzen 9 7950X_def_Power

「XPG LEVANTE X 360」のラジエーター冷却ファンを1500RPM(ポンプ速度は最大)に固定してストレステストを実行したところ、Ryzen 9 7950XのCPU温度は95度前後に達しました。
CPU温度は高温ですが「XPG LEVANTE X 360」が特殊(冷却性能が低い)というわけではありません。
Ryzen 9 7950XはCPUにフル負荷がかかるシーンだと閾値温度95度もしくはPPT:230Wを上限として動作しますが、市販製品で最高クラスの冷却性能を発揮する360サイズAIO水冷CPUクーラーを組み合わせても基本的にCPU温度がボトルネックとなります。
XPG LEVANTE X 360_temp_Ryzen 9 7950X_1
「XPG LEVANTE X 360」の場合もやはりRyzen 9 7950XのCPU温度は95度前後に達しますが、その状態でCPU Package Powerが平均205W程度で推移しており、コアクロックも全コア5.0~5.1GHz程度の実動値で安定して動作しています。
「XPG LEVANTE X 360」はCPU消費電力が200W前後になるRyzen 9 7950Xのポテンシャルを十分に引き出せる冷却性能を備えている、と評価して良い結果です。
XPG LEVANTE X 360_temp_Ryzen 9 7950X_2



XPG LEVANTE X 360のレビューまとめ

最後に簡易水冷CPUクーラー「XPG LEVANTE X 360」を検証してみた結果のまとめを行います。簡単に箇条書きで以下、管理人のレビュー後の所感となります。

良いところ
  • インフィニットミラーのARGB LEDイルミネーションを搭載
  • 水冷ヘッド天面ロゴの向きは90度刻みで回転できる
  • 水冷チューブはスリーブ付きで丈夫。曲げやすく潰れにくい。細いので取り回しに優れている
  • 200~250WのCore i9 13900Kを運用可能な冷却性能
  • 200W前後のRyzen 9 7950Xを運用可能な冷却性能
  • バックプレートを単独でマザーボードに固定可能
  • 水冷ブロックの固定はローレットナットでツールレス固定可能
悪いところor注意点
  • 水冷ヘッドのLEDイルミネーションは輝度が低め
  • ファン・ラジエーターの固定ネジが国内で入手の容易なM3やM4ではなくUNC No.6-32
  • 税込み3.1万円ほどと高価(2023年7月現在)

冷却性能の検証結果からもわかるように「XPG LEVANTE X 360」は、200Wクラスの電力負荷になるメインストリーム向け最上位CPUのCore i9 13900KやRyzen 9 7950Xに対応可能な冷却性能を実現しています。
水冷ヘッド(ポンプ&コールドプレート)には、冷却性能や信頼性の高さで定評のあるAsetek第7世代が採用されており、AIO水冷CPUクーラーとしては選んで間違いのない製品です。

今回レビューしたのは冷却性能に優れた大型ラジエーターの360サイズですが、XPG LEVANTE XシリーズにはPCケースの設置スペース的に汎用性の高い240サイズも展開されており、ユーザーにニーズに合わせてラジエーターサイズを選択できます。

「XPG LEVANTE X 360」は水冷ヘッドと冷却ファンにARGB LEDイルミネーションを搭載しているので、簡単にARGB LEDでライトアップする魅せるゲーミングPCを構築できるところも魅力です。

XPG LEVANTE Xシリーズについて、前モデルLEVANTE(Asetek第7世代水冷ヘッド)との違いは、水冷ヘッドのLEDイルミネーションがAsetek OEM汎用のトップカバーがXPGロゴのものから、インフィニットミラー構造のものに変わっただけです。
AIO水冷の定番であるAsetek OEM品が1万円台で購入できるところが前モデルLEVANTEの魅力だったので、円安の影響もあるとはいえ、LEVANTE Xでは2023年7月現在、240サイズが2.5万円、360サイズが3.1万円とかなり高級路線になってしまったのは少々残念に感じました。


以上、「XPG LEVANTE X 360」のレビューでした。
XPG LEVANTE X 360


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補足:空冷クーラーと水冷クーラーの違いについて

「空冷クーラー」と「水冷クーラー」の2種類ついて同じところと違うところ、また原理的に考えた冷却性能の比較を簡単に補足しておきます。




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