ほかにも現在開発が進められている多数の改良点がある。その一部を紹介しよう。
- 「Weave」は、ブックマーク、パスワード、プリファレンス、その他の設定を、複数のブラウザ間で同期できるようにするプロジェクトだ。対象とするブラウザの中には「Fennec」の開発コード名を持つFirefoxのモバイルバージョンも含まれる。さらにWeaveでは、Firefoxの見た目をカスタマイズするための新しい機能「ペルソナ」を同期することもできる。
- 「Electrolysis」と呼ばれるプロジェクトは、セキュリティと信頼性を向上させるため、異なるタブ間やプラグインとタブ間の分離を改善することを目的としている。
- 「Jetpack」は、ウェブページデザインの標準規格を使用してアドオンを開発できるようにする、新しい枠組みの構築を目指す。GoogleがChromeの拡張機能のために選択した方法と同じだ。
- 人々はより多くのタブを利用するようになっており、それにつれてタブ管理も難しくなっている。この問題に対処するための取り組みが進行中だ。おそらく、ブラウザの上辺にタブを一列に並べるのではなく、自動的に展開したり閉じたりするタブリストを左端に設置することになるようだ。
- 「Snowl」は、電子メール、ウェブフォーラム、RSSフィード、ソーシャルネットワークなど、発信源を問わずメッセージの操作を一体化することを図るシステムだ。
- 「Ubiquity」は、Firefoxが、形式化されたものも形式化されていないものも含め、さまざまなテキストコマンドを解釈できるようにし、Firefoxを世界に対する汎用の窓とすることを目指している。
「Weave」はブラウザの多くの設定を、PCとモバイルデバイス上のFirefoxのさまざまなバージョン間で同期できるようにするプロジェクトだ。
提供:Mozilla Foundation
さらにFirefoxは独自の優位性を既にいくつか持っている。例えば、ウェブ開発者が自分のサイトでFirefoxの互換性テストを実施する必要があるほどの市場シェアを獲得しており、ブラウザをカスタマイズするためのアドオンも豊富だ。こうした強力な優位性によって、たとえほかのブラウザを試しているユーザーでも、すぐにFirefoxから切り替えることはない。
確かにFirefoxには新しい競争相手がたくさんいるが、まだ脇に追いやられてはいない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。原文へ