そしてFirefox 3.5は、競合ブラウザおよび新機能の両面において非常に重要なリリースとなった。
Firefox 3.5には数多くの改良点がある。いくつかはすぐに分かるものだが、いくつかは長期的にウェブのためになる内部的な改良だ。70の言語でリリースされているので、多くの人々が試すことができる。
表には出てこないがFirefox 3.5に直接的な利点を提供しているのは、新しいエンジン「TraceMonkey」だ。このエンジンは、一般的なJavaScript言語で書かれたウェブページプログラムを実行する。これは、「Google Docs」のようなウェブアプリケーションが今すぐ高速になり、今後もJavaScript速度の向上が進めば、将来はより洗練されたものになることを意味している。
人々が直接恩恵を受けるもう1つの機能はプライベートブラウジングモードだろう。これはユーザーのコンピュータ上から、ブラウザでアクセスした場所の痕跡を消し去るものだ。ふざけてポルノモードとも呼ばれているが、それだけでなく、勤務中にやっていることを上司に知られないようにしたり、バレンタンインデーのギフトを探したりするのにも役立つだろう。プライベートブラウジング機能に加えて、後から特定のサイトや最近の操作を消し去る機能もある。ただし、こうしたオプションはいずれも、訪問したサーバ上の痕跡は消せないことに留意されたい。
MozillaはまたHTMLビデオにも刺激を受けた。HTMLビデオは、Adobe Systemsの「Flash Player」などのプラグインを使わずに動画をウェブページに埋め込めるだけでなく、その動画をウェブページ上のほかの要素と相互動作させることができる。これは、特にファイル形式のサポートに関する厄介な問題のため、短期間でウェブに革命をもたらすことはなさそうだが、長期的に見ればウェブのためになるはずだ。
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