NAONのYAON
NAONのYAON | |
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イベントの種類 | 音楽系イベント |
正式名称 | NAONのYAON |
開催時期 |
1987年 - 1991年 1999年、2008年、2013年 - 2019年 |
初回開催 | 1987年9月20日 |
会場 | 日比谷野外大音楽堂 |
企画制作 | MASTERWORKS / LIFE |
最寄駅 | 東京メトロ霞ケ関駅 |
公式サイト |
NAONのYAON(ナオンのヤオン)は女性ミュージシャンのみによる日本のロック・フェスティバル。
概要
[編集]SHOW-YAの提唱により企画・実現され、日比谷野外音楽堂(大音楽堂)で開催されている。タイトルは“女”の“野音”(野外音楽堂)に由来する。基本的には女性ミュージシャンのみの出演になるが、回によっては寺田と親交のある女子プロレスラーや女性お笑い芸人の出演もある。
来歴
[編集]1987年 - 1991年
[編集]SHOW-YAのボーカリスト、寺田恵子が、1987年当時に担当していたラジオ番組『寺田恵子のオールナイトニッポン』での、THE ALFEEが東京のベイエリアにおいて観客10万人規模のコンサートを開催するという話を聞いたことに対し、「悔しくて、負けたくない」と思い「うち等で、女性だけでコンサートをやりたい」といった発言がきっかけとなって構想が膨らんで企画され[1][2]、1987年9月20日に第1回が日比谷野外音楽堂で開催された。出演者のみならず制作スタッフまで女性限定で揃えるこだわりようだった。以降、1991年まで毎年秋に行われるのが通例となった。
寺田には「野音というとロックの聖地であり、人に何かを伝えるためにぴったりの場所。みんなで時代を築き上げるならここだと思ったんです」と、会場となった日比谷野音に対する強い思いがあったという[2]。
また、寺田は日比谷野音について「都心の公園の中にある野音は、ステージも客席にも屋根がないため、どうしても天候に左右されてしまいますが、そこがホールとの違いですね。天気がよければ、お客さんみんなの顔がはっきり見えるし、流れる雲を見ながら演奏する瞬間は格別で、気持ちよく演奏できます。ただ……私が出るときはなぜか天候不良のときが多いのですが(笑い)。雨が降るとお客さんとの不思議な一体感が生まれるんですよ。あれは野外ステージならではですね。とはいえ、雨が降ると楽器が傷んだりトラブルも起きやすいので、1か月前から天気予報を細かくチェックして、私は毎朝神社に行って『晴れますように』とお参りします。お客さんはお金を出して見にきてくれる以上、雨でも最高のステージにしないといけないですからね。そのためにも全力で頑張る。それもいい思い出です」と振り返っている[2]。
この時期の出演者には寺田が深く敬愛したカルメン・マキや同じ女性メンバーのみによるロックバンドとして親交のあったプリンセス プリンセスなどの著名な女性ミュージシャンがいる。特にプリンセス プリンセスは毎回オープニング・アクトを務めるなどこのフェスティバルの中心的な存在だった。
これについて、寺田は「当時、女性バンドといえばプリンセス プリンセスとSHOW-YAくらいだったんです。プリプリは出演を快諾してくれましたが、フェスというからにはいろんな人に出てもらいたいと思って、歌番組で一緒になった人や、ちょっとでもロックっぽいスピリット(魂)を持っている人に片っ端から声をかけました。」と述べている[2]。その上で、「ちょうど、1980年代はアン・ルイスさんがロック歌謡を世に広めていた時代。アイドル歌手もロックっぽいファッションをしていたんです。それで、革ジャンっぽい服装で歌っていた石川秀美ちゃんや私が尊敬するカルメン・マキさんにも出てもらって、うれしかったですし、そのほか、歌手ではないですけど、ロックっぽいっていう理由から美保純さんにも出ていただきました」とも話している[2]。
寺田はプリンセス プリンセスとSHOW-YAの共演について「多くのメディアがこの2つのバンドを比較して、番組や誌面で取り上げてくれたお陰で話題性は充分でした。実は私たちはとても仲がよく、いろんなところに遊びに行ったり、飲みに行ったりして親交を深めつつ、切磋琢磨していたんです。特にプリプリは女性バンドの地位をグンと上げてくれましたからね。『NAONのYAON』の成功からは、レコード会社もいろんな女性バンドと契約するようになり、テレビ番組で人気を博したPINK SAPPHIREや関西出身の4人組TWIGGYなど続々と活躍するようになりました」とも述べている[2]。
しかし、1991年に寺田はSHOW-YAを脱退し、それに、SHOW-YAが新しいボーカルを迎えると共に、アメリカに進出したため、このイベントも休止されることになった[2]。これについて、寺田は「脱退したのは体がキツくて限界を感じたからです。」と述べている[2]。
出演者
[編集]- 1987年(9月20日)
- 1988年(9月11日)
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- 1989年(9月17日)
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- 1990年(9月15日、9月16日)
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- 1991年(9月15日)
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1999年 番外編
[編集]1991年の第5回を最後に一度終止符を打たれた「NAONのYAON」だが、1999年に番外編として一度だけのイベントが開催されている。この時は会場が日比谷野外音楽堂ではなく川崎市のCLUB CITTA'だったため「NAON NO NAON」と題して行われた。出演者はこの時すでにともに解散していたSHOW-YAとプリンセス プリンセスの元メンバーなど、以前のフェスティバルの出演者が中心だった。
2008年
[編集]そして2008年4月29日に6回目のNAONのYAONが開催された。17年ぶりとなったこのフェスティバルにはSHOW-YAや杏子など以前の出演経験者に加えて相川七瀬、長澤奈央など新たな世代のミュージシャンが参加した。特にプリンセス プリンセスの元メンバー、富田京子、渡辺敦子とZONEの元メンバー、長瀬実夕、舞衣子の4人によるスペシャル・ユニット「ゾンプリ」が結成されたことは大きく報道され注目を集めた[3]。
復活のきっかけとして、寺田は「1995年に阪神・淡路大震災が起きたとき、やっぱり何かをしないといけないと思ってメンバーにバンドの再結成をもちかけたのですが、そのときは断られました。それ以降もずっとメンバーとは密に連絡をとっていて、ようやく2005年に再結成。『NAONのYAON』が再開できたのは2008年でした。このときは、“またここ野音で、みんなで力を合わせて頑張っていこう!”と誓い合いました」と述べている[2]。
また、1988年の第2回に「MINAKO with WILD CATS」として出演した本田美奈子.の遺志を継ぐNPO「LIVE FOR LIFE」もこれに参加して募金活動を行った。寺田は翌年以降の開催にも含みを残している[3]。
- 出演者
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2013年
[編集]日比谷野外大音楽堂の90周年事業と連動し5年ぶりに復活。4月29日に開催された[4][5]。
- 出演者
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2014年
[編集]2013年と同じ4月29日に日比谷野外大音楽堂で開催された。
またこのライブ模様は5月18日にNHK・BSプレミアムで午後11時から放送される[6]。
- 出演者
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2015年
[編集]初の年2回開催となる。1回目は前年と同じく4月29日開催。8月23日開催の2回目は『NAONのYAON 2015~SUMMER~』というタイトルで行われ、この日はNAONのYAON10回目を記念した曲『Rock Love』(作詞:秋元康)が発表された[7]。
- 出演者(4月29日)
- 出演者(8月23日)
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2016年
[編集]2016年6月12日(日)に行われた。
- 出演者
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2017年
[編集]今回で通算12回目。初開催から30周年。4月29日の開催は2015年以来2年ぶりとなる。 また、女性ギタリストが集結し演奏する「WORLD GUITAR GIRLS COLLECTION (WGGC)」も初開催となる。
- 出演者
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2018年
[編集]テーマは「80年代アイドル」であり、コラボ曲もそれに則した曲が披露された。 2018年6月10日、歌謡ポップスチャンネルで放送された。番組名「NAONのYAON 2018」(180分)
- 出演者
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2019年
[編集]テーマは「平成」であり、平成を代表する曲のメドレーが披露された。 また、北欧からいかだで来たMETALLIC SPINのノーズとLiLiCoが会場を沸かした。
- 歌謡ポップスチャンネルで一部と二部に分けて放送。
- 番組名「NAONのYAON 2019 第一部」(90分)2019年6月16日
- 「NAONのYAON 2019 第二部」(120分)2019年7月14日
- 出演者
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2020年
[編集]2020年4月29日の開催を予定していたが[8]、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて延期され[9]、翌2021年4月29日に振替公演が行われることになった[10]。
上記とは別に、同年11月にはスピンオフ企画として「〈NEMOPHILA×Gacharic Spin〉with寺田恵子 ONLINE LIVE」が開催された[11]。
2021年
[編集]出演者、スタッフ全員が抗原検査・PCR検査を受け、大雨が降る中、初の無観客オンライン配信ライブとして開催された[12]。
- 出演者
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2022年
[編集]大雨が降る中、有観客ライブとして開催された[13]。
- 出演者
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2023年
[編集]- 出演者
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脚注
[編集]出典
[編集]- ^ 日本懐かしラジオ大全(辰巳出版、2021年11月5日初版発行)p.54
- ^ a b c d e f g h i 「SHOW-YA寺田恵子が語る『NAONのYAON』 「野音は人に何かを伝えるためにぴったりの場所」」『NEWSポストセブン』2023年9月18日。2023年9月18日閲覧。
- ^ a b “17年ぶり音楽祭「NAONのYAON」”. Sponichi Annex (スポーツニッポン新聞社). (2008年4月30日). オリジナルの2008年4月30日時点におけるアーカイブ。 2020年4月29日閲覧。
- ^ “復活「NAONのYAON」にSHOW-YA、杏子、中川翔子ら”. 音楽ナタリー (ナターシャ). (2013年2月7日) 2020年4月29日閲覧。
- ^ “【Kawaii girl Japan/ ライブレポート】<NAONのYAON 2014>開催決定!SHOW-YAプロデュース<NAONのYAON 2013>公演をレポート。”. BARKS. (2013年5月1日) 2020年4月29日閲覧。
- ^ “中川翔子、“熱愛”詳細は語らず “雨女”ぶりに苦笑い”. ORICON NEWS (oricon ME). (2014年4月29日) 2020年4月29日閲覧。
- ^ “SHOW-YA新アルバムに安室参加”. デイリースポーツ online (株式会社デイリースポーツ). (2015年8月23日) 2015年8月24日閲覧。
- ^ “『NAONのYAON 2020』開催決定!最速先行チケット受付開始!”. SHOW-YA オフィシャルサイト (2019年12月5日). 2020年4月29日閲覧。
- ^ “4・29「NAONのYAON」延期 新型コロナ感染拡大受け”. Sponichi Annex (スポーツニッポン新聞社). (2020年4月3日) 2020年4月29日閲覧。
- ^ “女性ロックフェス「NAONのYAON」振替公演 来年4月29日に決定、当初予定からちょうど1年後”. Sponichi Annex (スポーツニッポン新聞社). (2020年4月29日) 2020年4月29日閲覧。
- ^ “NAONのYAON スピンオフ 〈NEMOPHILA×Gacharic Spin〉with寺田恵子 ONLINE LIVE / 2020.11.14 (土) / TOKYO, JAPAN”. ローチケ LIVE STREAMING. 2021年7月7日閲覧。
- ^ “<NAONのYAON2021>が初の無観客で雨中開催”. BARKS. 2022年5月2日閲覧。
- ^ “<NAONのYAON2022>、激しい雨と風にも負けず完遂。豪華陣での「限界LOVERS」披露も”. BARKS. 2022年5月2日閲覧。
外部リンク
[編集]- NAONのYAON - 公式ウェブサイト