EMGマーケティング
種類 | 合同会社 |
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略称 | EMGM |
本社所在地 |
日本 東京都港区港南一丁目8番15号 北緯35度37分49.2秒 東経139度44分38.8秒 / 北緯35.630333度 東経139.744111度座標: 北緯35度37分49.2秒 東経139度44分38.8秒 / 北緯35.630333度 東経139.744111度 |
設立 |
1961年12月11日 (エッソ・スタンダード石油株式会社) |
業種 | 卸売業 |
法人番号 | 8010402019217 |
事業内容 | 各種石油・石油化学製品および関連製品の販売 |
代表者 | 社長(代表社員職務執行者) 廣瀬 隆史 |
資本金 | 200億円 |
売上高 |
1兆8930億900万円 (2014年12月期) |
純利益 | 4億100万円(2014年12月期) |
純資産 |
956億4100万円 (2014年12月31日時点) |
総資産 |
4104億2900万円 (2014年12月31日時点) |
従業員数 | 653人(2014年12月31日時点) |
決算期 | 12月末日 |
主要株主 |
東燃ゼネラル石油 99% (2014年12月31日時点) |
特記事項:合同会社であったため、登記上の代表社員(代表権者)は、親会社である東燃ゼネラル石油。法人である東燃ゼネラルの職務執行者として、同社代表取締役副社長の廣瀬隆史が就いていた。 |
EMGマーケティング合同会社(英:EMG Marketing G.K.)は、かつて存在したエクソンモービルの日本法人。
1863年設立のスタンダード・オイルが、1884年(明治17年)に設立した横浜支社を始祖とする。その後スタンダード・オイル・オブ・ニューヨークが継承、1933年(昭和8年)に中国・ニュージーランド・西アフリカ地域等を担当する合弁会社スタンダード・ヴァキューム・オイル(スタンヴァック)横浜支社となったのち、名称はエッソ・スタンダード石油(1961年 – 1982年)、エッソ石油(1982年 – 2002年)、エクソンモービル有限会社(英:Exxon Mobil Y.K.、2002年 – 2012年)、東燃ゼネラル石油子会社のEMGマーケティング合同会社(2012年)と変遷した。2017年に東燃ゼネラル石油へ吸収合併され解散。後身は現在のENEOSである。
概要
[編集]EMGマーケティング合同会社は、合同会社へ改組した当初は、エクソンモービルの100%子会社であるエクソンモービル アジア インターナショナル SARLが100%出資している会社であった。その後、親子関係が逆転し、東燃ゼネラル石油が99%出資し、残りの1%をエクソンモービルの子会社が出資する形となり、東燃ゼネラルグループの1社であったが、2017年1月に東燃ゼネラル石油に吸収合併され、消滅した。
石油製品・石油化学製品の販売を主要事業としている。「エッソ」・「モービル」・「ゼネラル」という3つのブランドにより、ガソリンスタンドを直接、間接に運営していた。
ガソリンスタンドのビジネス展開
[編集]2005年(平成17年)末時点で、3ブランドのマークを掲げるガソリンスタンドは全国に5917軒ある。
またセルフスタンドが解禁になると3ブランドは逸早くエクスプレス (Express) を展開した。「クイック&イージー」をキーワードに、誰もがすぐに、気軽に利用できるセルフSS戦略である(ただしエクスプレスでないセルフスタンドも存在した)。
ドトールコーヒーショップやセブン-イレブンを同じ敷地内に併設する新しいタイプの店舗も展開している。
また、オイル交換などを行うモービル1センターを併設している店もある。
EMGマーケティング合同会社の沿革
[編集]1884年(明治17年)3月1日、スタンダード・オイル・ニューヨーク社(ソコニー)が横浜に支店を開設。以後勢力を拡大し、明治末期にはライジングサン石油、日本石油、宝田石油と販売協定を結んでいる。歴史の項にもあるとおり1931年(昭和6年)7月30日にヴァキューム・オイル社との合併でソコニー・ヴァキューム日本支社となり、1933年(昭和8年)9月7日にはジャージー・スタンダードとソコニー・ヴァキュームの合弁(厳密には折半出資)でスタンダード・ヴァキューム・オイル(スタンヴァック)が設立されると同社の日本支社となった。太平洋戦争開戦に伴い1941年(昭和16年)12月にスタンヴァック日本支社は閉鎖されるが、終戦と共にGHQ石油顧問団の一角として参画。1948年(昭和23年)8月、在日連合国人への販売が許可され、1949年2月11日に東亜燃料工業と資本・技術・原油供給・販売について提携。同年9月13日には同社の株式51%を取得して関係を強化する。
戦時中を除きスタンヴァックはソコニー・ヴァキューム(後年にソコニー・モービルと改称)のペガサスマークをガソリンスタンドに掲げ、ペガサスガソリン、戦後は Mobilgas(モービルガス)を販売、また潤滑油も Gargoyle Mobiloil(ガーゴイル・モービロイル、後年にモービロイルと改称)を販売してきたが、スタンヴァックが解体されることとなり、1961年(昭和36年)12月11日ジャージー・スタンダードとソコニー・モービルは共に日本法人を立ち上げ両社間の競争が開始されることになった(前者はエッソ・スタンダード石油、後者はモービル石油を設立)。スタンヴァック日本支社の横浜本店はエッソ・スタンダード石油の本店として継承されたが、エッソブランドはこのときまで日本の一般大衆にはほとんど認知されておらず、事実上の新規進出になった。また、旧スタンヴァック時代に使用された多くの製品及び製品名は、殆どがモービル石油に継承された(モービロイル、モービルガス等)。
エクソンモービル有限会社となり、以降JXエネルギーに吸収されENEOSに統合されるまで、ガソリンスタンドの看板こそ前述の3ブランド(エッソ・モービル・ゼネラル)が維持されたが、取扱製品はモービルに事実上集約されていた。ENEOSに統合後も「モービル」ブランドは、エンジンオイルを含む潤滑油のブランドとして、統合直前に分社したEMGルブリカンツの取り扱いで残っていたが、2022年3月31日を以て契約満了となり、4月以降は2012年のエクソンモービルグループの組織変更の時に設立されたエクソンモービル・ジャパン合同会社に移管された[1]。
- 1961年(昭和36年)12月11日 - エッソ・スタンダード石油株式会社、モービル石油株式会社設立。
- 1982年(昭和57年)3月1日 - エッソ・スタンダード石油がエッソ石油株式会社に商号変更。
- 2000年(平成12年)2月18日 - エッソ石油・モービル石油が株式会社から有限会社に改組。
- 2002年(平成14年)6月1日 - エッソ石油がモービル石油・エクソンモービルマーケティング有限会社・エクソンモービルビジネスサービス有限会社を吸収合併し、エクソンモービル有限会社に商号変更。
- 2003年(平成15年)1月1日 - エクソンモービル化学有限会社を合併し、石油化学製品の販売を集約。
- 2010年(平成22年)
- 2012年(平成24年)
- 1月4日 - エクソンモービルの日本事業及びエクソンモービル有限会社が保有する東燃ゼネラル石油の株式の一部(3割程度)を1000億-4000億円で東燃ゼネラル石油が取得し、日本市場から縮小・撤退させる方向であると再度一部のメディアが報道[6]。しかし両社ともに「うわさや憶測に対してはコメントしないが、エクソンモービルが日本から撤退するような計画はない」と否定するコメントを発表[7][8]。
- 1月29日 - エクソンモービルが、子会社を通じて所有するエクソンモービル有限会社の持分99%を、同年6月に東燃ゼネラル石油が取得し、新たな提携関係に移行すると発表。エクソンモービルが子会社を通じて一部の化学品事業と東燃ゼネラル石油の株式8千万株を保有し続け、本持分取得後のエクソンモービルグループの東燃ゼネラル石油に対する議決権の保有割合は約22%となり、主要株主として留まる見込み。エクソンモービルのブランド(エッソ・モービル・モービル1など)は日本国内で独占的に使用する。またクレジットカード等の各種サービスも従前どおり提供する。石油精製および石油化学におけるテクノロジーや技術サポートも継続して使用し、原油や製品の調達においてもエクソンモービルとの協力関係を継続する[9][10]。
- 5月21日 - EMGマーケティング合同会社に商号と組織を変更[11]。
- 6月1日 - EMGマーケティング合同会社が東燃ゼネラル石油の子会社となる[12]。
- 2014年(平成26年)7月1日 - MOCマーケティングより石油販売事業が譲渡される。
- 2016年(平成28年)12月15日 - モービルブランドの潤滑油事業をEMGルブリカンツ合同会社として分社化。
- 2017年(平成29年)
グループ企業
[編集]- 東燃ゼネラル石油株式会社 - 東証1部に上場していた石油精製企業。「ゼネラル」のブランドを保有。かつてはエクソンモービル有限会社が50.02%出資していたが、後にEMGマーケティングの親会社となった。経営統合等を経て、現・ENEOS。
- 東燃化学 - 化学メーカー(旧社名・東燃石油化学)。東燃ゼネラル石油グループの100%子会社。
- NUC - 化学メーカー。もとはユニオンカーバイド(米国のカーバイドメーカー、ダウケミカル傘下)が日東化学工業(現在の三菱レイヨンの化学・化学品部門の一部)との合弁で設立した「日本ユニカー」。日本側の合弁会社が東燃化学に変わり、2013年7月に東燃ゼネラル石油グループの100%子会社となった。現・ENEOS NUC。
- エクソンモービルカタリスト - 1985年にエクソンモービルが設立した別会社。EMGマーケティング合同会社から一部事業を承継し、エクソンモービル合同会社と改称し再設立。JSRとの合弁会社、日本ブチル株式会社を傘下に持つ[14]。
CM
[編集]- 1959年にEssoブランドで行われた「タイガーをお車に!(Put a Tiger in your Tank)」キャンペーンはティーザー広告の嚆矢である[15]。
- 経営統合前は、ゼネラル石油が杉本エマ・光GENJI・田代まさし・後藤久美子、エッソ石油が西田敏行・岸本加世子・志穂美悦子・松雪泰子、モービル石油が鈴木ヒロミツ・藤竜也・丹波哲郎・山瀬まみらのタレントを起用したCMを放送していた。
- モービルのエンジンオイル「モービル1」のCMでは過酷な耐久テストをCMに採用したことがあった。夏季には245℃での耐熱試験、冬季には氷点下40℃の冷凍試験(バナナで釘が打てたり、バラが粉々になるなど)を行い、それら過酷な条件でも他のオイルと違い耐久性に優れていることをアピールしていた。
- 統合後は、一時期シナジーオイル(燃料)のCMを放送していた。
- 2010年(平成22年)8月現在、地上波放送では提供スポンサーは無いものの、J SPORTS ESPNで「モービル1・ザ・グリッド」を提供している。
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ 『お知らせ|Mobil ™(モービル)ブランド潤滑油製品の国内販売について』(プレスリリース)EMGルブリカンツ合同会社、2022年3月18日 。2022年6月9日閲覧。
- ^ 東燃ゼネ石:ピー・ピー・デューコム取締役が社長就任、3月26日付 - ブルームバーグ。
- ^ “九州の一部GS売却を発表 エクソンモービル”. 西日本新聞. 2010年10月3日閲覧。[リンク切れ][リンク切れ]
- ^ “エクソンモービル・ジャパングループの小売事業に関して”. エクソンモービル有限会社. 2010年10月3日閲覧。[リンク切れ]
- ^ エクソンモービル・ジャパングループの小売事業に関してエクソンモービルプレスリリース
- ^ エクソン、資源開発に集中 東燃ゼネ株3割売却、日本事業縮小 米エクソンが事実上の日本撤退へ - 日本経済新聞 2012年1月5日閲覧
- ^ 米エクソンが事実上の日本撤退へ、東ゼネに株式・事業売却で調整 - ロイター 2012年1月5日閲覧
- ^ 本日の一部報道について - 東燃ゼネラル石油株式会社・エクソンモービル有限会社 2012年1月5日閲覧
- ^ 『【要旨】 エクソンモービル有限会社の持分の取得およびエクソン モービル コーポレーションとの新たな提携関係への移行に関するお知らせ』(PDF)(プレスリリース)東燃ゼネラル石油株式会社、2012年1月29日 。2012年1月30日閲覧。
- ^ 『エクソンモービル有限会社の持分の取得およびエクソン モービル コーポレーションとの新たな提携関係への移行に関するお知らせ』(PDF)(プレスリリース)東燃ゼネラル石油株式会社、2012年1月29日 。2015年7月4日閲覧。
- ^ エクソンモービル有限会社の商号と組織の変更、および役員の異動に関するお知らせ - 東燃ゼネラル石油株式会社・エクソンモービル有限会社 2012年5月27日閲覧
- ^ 東燃ゼネラルの通知。
- ^ 東燃ゼネラルの通知。
- ^ 日本ブチル 会社概要。
- ^ ブライアン・アッシュ著, 岡本幸雄翻訳 『タイガーをお車に!―世界を征服した広告キャンペインの分析(ハヤカワ・ノンフィクション・ビジネス)』 早川書房、1970年、241頁
参考文献
[編集]- 東燃ゼネラル石油株式会社 代表取締役社長ピー・ピー・デューコム『エクソンモービル有限会社の商号と組織の変更、および役員の異動に関するお知らせ』。2012年4月12日。
- 東燃ゼネラル石油株式会社 代表取締役社長武藤潤『連結子会社 EMG マーケティング合同会社の吸収合併について』。2016年11月11日。