超限戦
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この記事のほとんどまたは全てが唯一の出典にのみ基づいています。 (2020年5月) |
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『超限戦』(ちょうげんせん、中国語:超限战/超限戰、英語:Unrestricted Warfare)は、1999年に発表された、中国人民解放軍大佐の喬良と王湘穂による戦略研究の共著である[1]。
概要
[編集]中国空軍の喬良、王湘穂は、これからの戦争を、あらゆる手段で制約無く戦うものとして捉え、その戦争の性質や戦略について論じた。
本書の第1部は、新戦争論であり、第2部は新戦法論となっている。この中で喬良、王湘穂は、25種類にも及ぶ戦闘方法を提案し、通常戦、外交戦、国家テロ戦、諜報戦、金融戦、ネットワーク戦、法律戦、心理戦、メディア戦などを列挙している。そして、このような戦争の原理として、全方向度、リアルタイム性、有限の目標、無限の手段、非均衡、最少の消耗、多次元の協力、全過程のコントロールと支配を挙げている。
このような戦争は、別に中国に限らずグローバリゼーションの時代の戦争に特徴的なものであり、軍人と非軍人の境界もまたあいまい化する。したがって、本書は、単に戦争手段の多様化を示すだけではなく、それに対応した安全保障政策や戦略の研究の必要を主張している。
訳書
[編集]- 『超限戦―21世紀の「新しい戦争」』 坂井臣之助監修、共同通信社、2001年
- 新版『超限戦―21世紀の「新しい戦争」』 角川新書、2020年1月
関連文献
[編集]- 藤井厳喜『米中新冷戦、どうする日本』 PHP研究所、2013年 - 「超限戦」をあつかう
- 渡部悦和・佐々木孝博『現代戦争論――超「超限戦」』 ワニブックスPLUS新書、2020年7月
- ホウ宏亮『知能化戦争 中国軍人が観る「人に優しい」新たな戦争』 安田淳監訳、五月書房新社、2021年3月
- 渡部 悦和『プーチンの「超限戦」—その全貌と失敗の本質』ワニブックスPLUS新書、2022年11月
脚注
[編集]- ^ 本書で使用された「超限戦」の類義語として「超限戦戦」、「無制限戦争」が使用されることがある。