衛星カタログ番号
衛星カタログ番号(えいせいカタログばんごう、Satellite Catalog Number (SATCAT))とは、アメリカ宇宙コマンド(USSPACECOM)が地球の軌道上の全ての人工物および地球軌道を離れた人工物に対して付与している、最大9桁の番号である[1]。1番はスプートニク1号を打ち上げるためのロケット、2番はスプートニク1号その物であり[2]、それ以降、打ち上げまたは発見された順に連続の番号が与えられている。NORAD ID、USSPACECOMオブジェクト番号(USSPACECOM object number)、または単にカタログ番号(catalog number)とも呼ばれる。
概要
[編集]カタログに掲載されるのは直径10センチメートル以上の人工物であり[3]、軌道に乗らなかったまたは短時間しか乗らなかったものは掲載されない[4]。USSPACECOMは、第18宇宙防衛隊が管理するWebサイトspace-track.orgで衛星カタログを公表している[5]。
2021年6月11日[update]、カタログには48,833個の人工物が掲載されている。そのうち、1957年以降に打ち上げられて軌道に乗った人工衛星は11,264個である[6]。21,197個については今なおその位置が追跡され続けている一方、1,374個は消失している[7]。欧州宇宙機関(ESA)は、USSPACECOMが追跡可能な大きさのデブリが、2019年1月現在で約3万4千個あると推定している[8]。
現在恒久的にカタログに掲載される物体には1から69,999までの番号が付与される[9]。Space-Trackは2020年から、スペースフェンスが発見したデブリなどに対して[10]99,999を超える6桁以上の番号を付与している[11]
歴史
[編集]当初、衛星カタログは北アメリカ航空宇宙防衛司令部(NORAD)が管理しており、1985年よりUSSPACECOMが衛星カタログの管理と、地球軌道上の全ての人工物の追跡・識別を行っている[12]。2002年にUSSPACECOMはアメリカ戦略軍(USSTRATCOM)に統合されて消滅したが、2019年に再設置された[13]。
2020年まで、2行軌道要素形式(TLE)のフォーマットの制約により衛星カタログ番号は5桁に制限されていた。2020年から、衛星カタログのフォーマットが、宇宙データシステム諮問委員会(CCSDS)が定めたOMM(Orbit Mean-Elements Message)に変更され、カタログ番号が9桁まで拡大された[10]。
脚注
[編集]- ^ Kelso, T.S. (January 1998). “Frequently Asked Questions: Two-Line Element Set Format”. Satellite Times. June 23, 2019閲覧。
- ^ “SL-1 R/B Satellite details 1957-001A NORAD 1”. January 9, 2018閲覧。
- ^ “Frequently Asked Questions”. Space-Track.org. June 23, 2019閲覧。 “10 centimeter diameter or "softball size" is the typical minimum size object that current sensors can track and 18 SPCS maintains in the catalog.”
- ^ “Frequently Asked Questions”. Space-Track.org. July 14, 2019閲覧。 “Q: What criteria are used to determine whether an orbiting object should receive a catalogue number and International Designation? A: We must be able to determine who it belongs to, what launch it correlates to, and the object must be able to be maintained (tracked well).”
- ^ “USSTRATCOM expands SSA data on Space-Track.org”. Air Force Space Command (October 10, 2018). June 23, 2019閲覧。
- ^ Kelso, T.S.. “SATCAT Boxscore”. CelesTrak. June 23, 2019閲覧。
- ^ Kelso, T.S.. “TLE History Statistics”. CelesTrak. June 23, 2019閲覧。
- ^ “Space debris by the numbers”. ESA (January 2019). June 23, 2019閲覧。
- ^ “Conjunction Summary Message Guide”. space-track.org. March 30, 2020閲覧。
- ^ a b @SpaceTrackOrg (2020年11月25日). "The satellite catalog is growing faster than ever". X(旧Twitter)より2020年12月1日閲覧。
- ^ Kelso, T.S. (May 27, 2020). “A New Way to Obtain GP Data (aka TLEs)”. CelesTrak. June 3, 2020閲覧。
- ^ “Small Satellite Debris Catalog Maintenance Issues”. NASA (October 1, 1991). June 23, 2019閲覧。
- ^ “US Policy and Capabilities on SSA”. Secure World Foundation (24 January 2019). 3 October 2019閲覧。
関連項目
[編集]- 国際衛星識別符号 (COSPAR ID、NSSDC ID)
外部リンク
[編集]- The catalog: Space-Track.org
- CelesTrak Satellite Catalog (a partial copy of Space-Track.org catalog)