恋する二人
「恋する二人」 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ビートルズ の シングル | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
初出アルバム『ハード・デイズ・ナイト』 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
A面 | ア・ハード・デイズ・ナイト | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
B面 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
リリース | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
録音 |
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ジャンル | ポップ・ロック | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
時間 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
レーベル | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
作詞・作曲 | レノン=マッカートニー | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
プロデュース | ジョージ・マーティン | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
チャート最高順位 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
後述を参照 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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「恋する二人」(こいするふたり、原題 : I Should Have Known Better)は、ビートルズの楽曲である。1964年7月10日に発売された3作目のイギリス盤公式オリジナル・アルバム『ハード・デイズ・ナイト』に収録された。レノン=マッカートニー名義となっているが、実質的にはジョン・レノンによって書かれた楽曲[1][2]。アメリカでは1964年6月24日にユナイテッド・アーティスツ・レコードより発売されたサウンドトラック・アルバム『A Hard Day's Night (United Artists)』に収録された後、キャピトル・レコードから発売されたシングル盤『ア・ハード・デイズ・ナイト』のB面曲としても発売された。
ジョージ・マーティンがスコアを手がけたオーケストラ・バージョンも存在しており、『A Hard Day's Night (United Artists)』に収録された。
背景・レコーディング
[編集]「恋する二人」は、レノンが映画『ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!』のために書いた楽曲[3]。本作についてレノンは、1980年の『プレイボーイ』誌のインタビューで「ただの歌さ。特に意味なんてない」と語っている[1]。映画『ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!』では、列車で移動中の貨物置場の檻の中で演奏するシーン[注釈 1]と、ラストのコンサートのシーンで使用された[4]。
「恋する二人」のレコーディングは、1964年2月25日にEMIレコーディング・スタジオで行なわれた。3テイク録音されたが、完成テイクは1テイクのみで、テイク2はレノンがハーモニカの演奏中にミスしたことにより中断となった。翌日、アレンジを変更した上で再録音された[5]。曲の中間の16小節では、ジョージ・ハリスンが新たに入手したリッケンバッカー・360/12がフィーチャーされている[6]。
モノラル・ミックスとステレオ・ミックスとで、イントロのハーモニカの旋律が一部異なっており、ステレオ・ミックスではハーモニカのフレーズが一時的にドロップアウトする箇所が存在する[7]。
リリース
[編集]イギリス
[編集]イギリスにおいて、「恋する二人」は、1964年7月10日に発売された『ハード・デイズ・ナイト』の収録曲として発売され、A面2曲目に収録された[8]。発売当時はシングル・カットされることはなかったが、同年11月4日に発売されたEP『エクストラクツ・フロム・ザ・フィルム・ア・ハード・デイズ・ナイト』のオープニング・トラックとして収録された後、解散後の1976年に発売されたシングル盤『イエスタデイ』のB面に収録された[9][8]。
アメリカ
[編集]アメリカでは、1964年6月24日にユナイテッド・アーティスツ・レコードより発売されたサウンドトラック・アルバム『A Hard Day's Night (United Artists)』のB面1曲目に収録され、A面4曲目にはジョージ・マーティンがスコアを手がけたオーケストラ・バージョンが収録された[10]。
その後、1964年7月13日に発売されたシングル盤『ア・ハード・デイズ・ナイト』のB面曲[注釈 2]として発売された[11][12]。B面曲ながら、Billboard Hot 100で最高位53位を記録した[13]。1970年に発売されたコンピレーション・アルバム『ヘイ・ジュード』に収録されるまでは、キャピトル・レコードから発売されたアルバムには未収録となっていた[14]。
その他の国
[編集]日本では、1964年9月5日にシングル盤がアルバムと同時発売され、B面には「ぼくが泣く」が収録された。このシングル盤は、ミュージック・マンスリー洋楽チャートで最高位4位を記録した[15]。1976年にはシングル盤『イエスタデイ』のB面曲としても発売された。
その他の国でもシングル・カットされており、ノルウェーでは第1位[16]、西ドイツでは最高位6位[17]を記録し、スウェーデンでは4週連続で1位[18]を獲得した。また、オーストラリア盤には「恋におちたら」、イタリア盤やオランダ盤には「テル・ミー・ホワイ」、アルゼンチン盤には「ぼくが泣く」がB面曲として収録されている[19]。
クレジット
[編集]※出典[6]
- ジョン・レノン - ダブルトラックのリード・ボーカル、アコースティック・ギター(リズムギター)、ハーモニカ
- ポール・マッカートニー - ベース
- ジョージ・ハリスン - 12弦ギター(リードギター)
- リンゴ・スター - ドラム
チャート成績
[編集]週間チャート
[編集]チャート (1964年) | 最高位 |
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ベルギー (Ultratop 50 Wallonia)[20] | 11 |
ドイツ (GfK Entertainment charts)[17] | 6 |
オランダ (Single Top 100)[19] | 1 |
ノルウェー (VG-lista)[16] | 1 |
スウェーデン (Kvällstoppen Chart)[18] | 1 |
US Billboard Hot 100[13] | 53 |
カバー・バージョン
[編集]- ザ・ナチュラルズ - 1964年にシングル盤として発売。全英シングルチャートで最高位24位を記録[21]。
- ジョニー・リヴァース - 1964年に発売されたライブ・アルバム『In Action』に収録[22]。
- ザ・ビーチ・ボーイズ - 1965年に発売されたアルバム『ビーチ・ボーイズ・パーティ』に収録[23]。
- ジャン&ディーン - 1965年に発売されたアルバム『Command Performance - Live in Person』に収録[24]。
- フィル・オクス - 1980年に発売されたコンピレーション・アルバム『The Broadside Tapes 1』に収録[25]。
- スライ&ロビー - 1981年に発売されたアルバム『The Sixties Seventies + Eighties = Taxi』に収録[26]。
- つんく♂ - 2000年に発売されたNHK-BSでの企画によるビートルズのカバー・アルバム『A HARD DAY'S NIGHT つんくが完コピーやっちゃったヤァ!ヤァ!ヤァ! Vol.1』に収録[27]。
- シー&ヒム - 2008年に発売されたデビュー・アルバム『Volume One』に収録[28]。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 実際にはバンの中で撮影されたもので、撮影時はスタッフがバンを前後に揺らすことで、走行中の列車を再現していた[3]。
- ^ イギリスで発売されたシングル盤『ア・ハード・デイズ・ナイト』のB面曲は「今日の誓い」。キャピトル・レコードから発売されたシングル盤で、イギリス盤からB面曲が差し替えられた事例は、本作と『抱きしめたい』(B面が「ジス・ボーイ」から「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」に変更された)の2作のみ。
出典
[編集]- ^ a b Sheff 2000, p. 194.
- ^ Miles 1997, p. 164.
- ^ a b Womack 2016, p. 229.
- ^ Dowlding 1989, p. 68.
- ^ Lewisohn 1988, pp. 39–40.
- ^ a b MacDonald 2005, pp. 109–110.
- ^ Cross 2005, p. 384.
- ^ a b Lewisohn 1988, p. 200.
- ^ Cross 2005, p. 592.
- ^ Morton 2011, p. 134.
- ^ Cross 2005, pp. 530–531.
- ^ Lewisohn 1988, p. 201.
- ^ a b “The Hot 100 Chart”. Billboard (1964年8月15日). 2021年5月11日閲覧。
- ^ Lewisohn 1988.
- ^ a b 『日経BPムック 大人のロック!特別編集 ザ・ビートルズ 世界制覇50年』日経BP、2015年、97頁。ISBN 978-4-8222-7834-2。
- ^ a b "Norwegiancharts.com – The Beatles – I Should Have Known Better". VG-lista. 2021年5月11日閲覧。
- ^ a b "Offiziellecharts.de – The Beatles – I Should Have Known Better". GfK Entertainment Charts. 2021年5月11日閲覧。
- ^ a b “Swedish Charts 1962 – March 1966/Kvällstoppen – Listresultaten vecka för vecka > November 1964” (スウェーデン語). hitsallertijden.nl. 2021年5月11日閲覧。
- ^ a b "Dutchcharts.nl – The Beatles – I Should Have Known Better" (in Dutch). Single Top 100. 2021年5月11日閲覧。
- ^ "Ultratop.be – The Beatles – I Should Have Known Better" (in French). Ultratop 50. 2021年5月11日閲覧。
- ^ “Official Singles Chart Top 50”. Official Charts Company. 2021年5月11日閲覧。
- ^ Eder, Bruce. Johnny Rivers in Action! - Johnny Rivers | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2021年5月11日閲覧。
- ^ Unterberger, Richie. “Beach Boys' Party! - The Beach Boys | Songs, Reviews, Credits”. AllMusic. All Media Group. 2021年5月11日閲覧。
- ^ Koda, Cub. Command Performance/Live in Person/Jan & Dean Meet Batman - Jan & Dean | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2021年5月11日閲覧。
- ^ Eder, Bruce. The Broadside Tapes 1 - Phil Ochs | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2021年5月11日閲覧。
- ^ '60s, '70s + '80s = Taxi - Sly & Robbie | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2021年5月11日閲覧。
- ^ “RELEASE / リリース” (日本語). UP-FRONT WORKS. UP-FRONT WORKS Co.,Ltd.. 2021年12月8日閲覧。
- ^ Sendra, Tim. Volume One - She & Him - Jan & Dean | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2021年5月11日閲覧。
参考文献
[編集]- Cross, Craig (2005). The Beatles: Day-by-Day, Song-by-Song, Record-by-Record. Lincoln, NE: iUniverse, Inc.. ISBN 0-595-34663-4
- Dowlding, William (1989). Beatlesongs. Touchstone. ISBN 1-4391-4719-1
- Lewisohn, Mark (1988). The Beatles Recording Sessions. New York: Harmony Books. ISBN 0-517-57066-1
- MacDonald, Ian (2005). Revolution in the Head: The Beatles' Records and the Sixties (Second Revised ed.). London: Pimlico (Rand). ISBN 1-84413-828-3
- Miles, Barry (1997). Paul McCartney: Many Years From Now. New York: Henry Holt & Company. ISBN 0-8050-5249-6
- Morton, Ray (2011). A Hard Day's Night - Music on Film Series. Limelight Editions. ISBN 0-8791-0415-5
- Sheff, David (2000). All We Are Saying: The Last Major Interview with John Lennon and Yoko Ono. New York: St. Martin's Press. ISBN 0-312-25464-4
- Womack, Kenneth (2016). The Beatles Encyclopedia: Everything Fab Four. ABC-CLIO. ISBN 1-4408-4427-5
外部リンク
[編集]- I Should Have Known Better - The Beatles