岩波現代全書
表示
岩波現代全書(いわなみげんだいぜんしょ、Iwanami Gendaizensho)は、株式会社岩波書店が発行する叢書レーベル。
概要
[編集]2013年6月18日、創業100年を記念して創刊された。人文・社会・自然科学の様々な分野の最前線に立つ研究者が、学術を社会に広め、最新で最高の成果を発信するために創刊された。学問の魅力を読みやすい文章と親しみやすい造本、求めやすい価格で提供するという特徴がある。また、最大でも300ページ以下で、全冊が書き下ろしか、新たに編集されたオリジナル版である。あらゆるテーマ、全てのジャンルを扱うとされる[1][2]。
キャッチコピーはアカデミズムの開放を[3]。体裁は、四六判・並製[4]。カバーには、岩波書店のロゴである「種まく人」のマークが入っている。
岩波書店の創業者である岩波茂雄が、創業20年目に当たる1933年に、「現代学術の普及」を目的として、岩波全書を創刊したが、岩波現代全書はその理念を受け継いでいきたいと表明[5]している。
創刊時の編集長の馬場公彦は「岩波は学術書の分野に関して、執筆者人脈などで強みがある。それを生かし、人文・社会科学から自然科学まで全方位で展開したい」としている[6]。
創刊時は一挙5点を刊行、以降は毎月18日前後に2点程度ずつ刊行された[2]。2018年3月に114冊目を刊行し休止した。
創刊ラインアップ
[編集]- ドゥルーズの哲学原理(國分功一郎)
- 「幸せ」の経済学(橘木俊詔)
- 「シベリアに独立を!」 諸民族の祖国をとりもどす(田中克彦)
- 円周率が歩んだ道(上野健爾)
- 日本人の心を解く 夢・神話・物語の深層へ(河合隼雄)
関連事項
[編集]- 岩波全書
- 岩波現代文庫
- 岩波現代叢書・岩波現代選書 - かつて同社から刊行されていた選書レーベル。「現代全書」とは異なって欧米の著作からの翻訳に重点が置かれていた。
- 講談社選書メチエ・新潮選書・中公選書・角川選書・筑摩選書・河出ブックス - コンセプトの類似した他社からの選書レーベル。
- 選書
脚注
[編集]- ^ Twitter / Iwanamishoten: 〈岩波現代全書〉本日創刊です
- ^ a b 『岩波現代全書』編集部だより - 岩波書店
- ^ 創業百年記念出版 - 岩波書店
- ^ ドゥルーズの哲学原理
- ^ 『岩波現代全書』編集部だより - 岩波書店
- ^ 磨井慎吾 (2013年6月24日). “新書ブーム余波 教養書の仕切り直し? 「選書」相次ぐ創刊 岩波も”. 産経新聞 2019年3月4日閲覧。