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小普請金

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

小普請金(こぶしんきん)は、江戸幕府小普請が支払いを課せられた役金[1]

当初は無役の代替として禄100石につき小普請夫役を負担したが、元禄2年(1689年)12月に金納へと変更され、翌3年(1690年)3月から小普請金を納入することとなった[2][3][4]

禄高20俵(石)以下は免除、20俵から50俵は金2分、50俵から100俵は金1両、100俵から500俵は100俵につき金1両2分、500俵以上は100俵につき金2両と定められた。ただし70歳以上で小普請入りした者は納付は免除された[2][3]

また、禄高に加算される「扶持」に関しては、1人扶持を5俵と計算した。2人扶持であれば10俵、3人扶持は15俵と計算したため、「禄高20俵以下は徴収せず」という規定であっても、「15俵1人扶持」であれば「1人扶持=5俵」で「15俵+5俵=20俵」となるので金2分を納めることになった[3]

同年6月には小普請金納役4名が任命され、納金の制度が定められた。金はすべて後藤包、銀は常是包とし、小普請金のうち3分の1を7月に、残りの3分の2を11月に納入した[2][3]

脚注

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  1. ^ 山本博文『旗本たちの昇進競争 鬼平と出世』 角川ソフィア文庫、167頁。安藤雄一郎 丹野顯 加唐亜紀『江戸の武士 仕事と暮らし大図鑑』廣済堂、134-135頁。
  2. ^ a b c 「小普請」大石学編『江戸幕府大辞典』 吉川弘文館、212-213頁。
  3. ^ a b c d 高柳金芳『御家人の私生活』 雄山閣出版、237-238頁。
  4. ^ 大石学『出世する武士、しない武士』日経プレミアシリーズ、164-165頁。児玉幸多『日本の歴史 16 元禄時代』中公文庫、427頁。

参考文献

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  • 安藤雄一郎 丹野顯 加唐亜紀『江戸の武士 仕事と暮らし大図鑑』廣済堂出版 ISBN 978-4-331-80357-8
  • 大石学『出世する武士、しない武士』日経プレミアシリーズ ISBN 978-4-532-26272-3
  • 児玉幸多『日本の歴史 16 元禄時代』中公文庫 ISBN 4-12-204619-X
  • 高柳金芳『御家人の私生活』雄山閣 ISBN 4-639-01806-1、2003年
  • 山本博文『旗本たちの昇進競争 鬼平と出世』角川ソフィア文庫 ISBN 978-4-04-406301-6
  • 国史大辞典』第5巻 吉川弘文館 ISBN 4-642-00505-6、1985年
  • 大石学編『江戸幕府大辞典』 吉川弘文館 ISBN 978-4-642-01452-6、2009年