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土門周平

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土門 周平(どもん しゅうへい、1920年11月18日 - 2017年)は、日本軍事史研究家、作家。本名・近藤新治。妻は作家の近藤富枝[1]

生涯

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東京出身。東京府立第四中学校を経て、陸軍士官学校(第55期、機甲科)卒業。騎兵第29連隊、戦車第28連隊中隊長等の部隊勤務をへて終戦。

戦後、さまざまな職業を経て警察予備隊に入隊し陸上自衛隊勤務、富士学校教官などを経て防衛研究所戦史編纂官に就く。退官後も防衛研究所、自衛隊幹部学校で軍事戦略思想史、戦争指導史を講義。国際軍事史学会日本事務局担当を経て、日本軍事史学会副会長、戦略研究学会会長。

勤務のかたわら執筆した時代小説サンデー毎日大衆文藝賞佳作[2]。1978年、共同執筆した記事「第三次世界大戦」で文藝春秋読者賞受賞。

親族

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娘の近藤陽子は、講談社の編集者から「王朝継ぎ紙研究会」に参加して講師をつとめる[3]。息子は著書「アップル操縦法入門」を執筆するなどAppleの日本での勃興時にかかわった近藤龍太郎[4]

Appleを初期に扱う代理店であったESD社の社長の水島敏雄は、近藤富枝の弟で、義理の弟にあたる[5]。作家の森まゆみは妻の姪[6]

著書

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  • 『最後の帝国軍人 かかる指揮官ありき』講談社 1982、講談社文庫 1985
  • 『日本国家分断』中央公論社 C★NOVELS 1984 新書判
  • 『企業内参謀学』講談社 1987
  • 『参謀の戦争』講談社 1987
  • 『指導者(リーダー)の研究』講談社文庫 1988
  • 『勝者と敗者の判断 戦国武将にみる興亡の岐路』学陽書房 1989 
    • 『戦史に学ぶ「勝敗の原則」 戦略・戦術・指揮官の三つの視点で分析する』PHP文庫 2003
    • 『勝つ武将 負ける武将』中経出版 新人物文庫 2013
  • 『戦う天皇』講談社 1989
    • 『天皇と太平洋戦争 開戦の真相から終戦の決意まで』PHP文庫 2003
  • 『勝敗の本質 戦史には勝利の定理が存在する』プレジデント社 1994
  • 『智謀の人秋山真之』総合法令出版 1995
  • 『戦車と将軍 陸軍兵器テクノロジーの中枢』光人社 1996
    • 『日本戦車開発物語 陸軍兵器テクノロジーの戦い』光人社NF文庫 2003
  • 『陸軍大将・今村均』PHP研究所 2003
  • 『戦争を仕掛けた国、仕掛けられた国』光人社 2004
  • インパール作戦 日本陸軍・最後の大決戦』PHP研究所 2005

共著

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  • 『人物・戦車隊物語 鋼鉄のエース列伝』市ノ瀬忠国共著 光人社 1982 
    • 『激闘戦車戦 鋼鉄のエース列伝』入江忠国共著 光人社NF文庫 1999
  • 『近代日本戦争史 第4編 大東亜戦争』近藤新治編 同台経済懇話会、紀伊国屋書店 1995
  • 『本土決戦 幻の防衛作戦と米軍進攻計画』共著 光人社NF文庫 2001、新版2015

翻訳

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参考

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  • 『勝つ武将 負ける武将』新人物文庫
  • 『文藝年鑑』2008 

脚注

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  1. ^ 読売人物データベース
  2. ^ 近藤富枝『夫と妻の元気な老い仕度』P.10
  3. ^ 近藤富枝、陽子「王朝継ぎ紙の世界」著者紹介
  4. ^ https://www.nikkei.com/article/DGXLASDG25H5O_V20C16A7CZ8000/ 「喪主は長男、龍太郎氏」
  5. ^ http://appletechlab.jp/blog-entry-357.html?sp
  6. ^ http://www.yanesen.net/mayumi/?p=1010 森まゆみブログ。森の母は近藤富枝の末妹で、生後すぐに浅草の歯科医の養女となった(近藤富枝『夫と妻の元気な老い仕度』P.112)。