古本伸一郎
古本 伸一郎 ふるもと しんいちろう | |
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財務大臣政務官就任に際し公表された公式肖像写真 | |
生年月日 | 1965年3月11日(59歳) |
出生地 | 日本 香川県高松市 |
出身校 | 立命館大学法学部 |
前職 |
トヨタ自動車従業員 全トヨタ労働組合連合会専従職員 トヨタ自動車労働組合専従職員 |
所属政党 |
(民主党→) (民進党(野田G・高木G)→) (希望の党→) (旧国民民主党→) 無所属 |
称号 | 法学士 |
選挙区 | 愛知11区 |
当選回数 | 6回 |
在任期間 | 2003年11月9日 - 2021年10月14日 |
古本 伸一郎(ふるもと しんいちろう、1965年3月11日 - )は、日本の政治家。愛知県副知事。
衆議院議員(6期)、財務大臣政務官(鳩山由紀夫内閣・菅直人内閣)、衆議院科学技術・イノベーション推進特別委員長、民主党組織委員長などを歴任した。
来歴
[編集]香川県高松市生まれ。和歌山県和歌山市、大阪府高石市にて育つ。高石市立加茂小学校、高石市立取石中学校、上宮高等学校、立命館大学法学部卒業[1]。1987年、トヨタ自動車に入社する(配属は管財部)。同社では労働組合活動にも取り組み、全トヨタ労働組合連合会やトヨタ自動車労働組合で専従の職員を務める。
2003年2月、トヨタグループ労使が中心となって運営するシンクタンク「中部産業・労働政策研究会」に主任研究員として出向[2]。同年3月24日にトヨタ自動車出身の伊藤英成衆議院議員が引退を表明すると[3]、4月10日、全トヨタ労連は後継候補として古本を擁立すると発表した[4]。
同年11月、第43回衆議院議員総選挙に民主党公認で愛知11区から立候補。同区からは古本以外に日本共産党公認候補しか出馬しなかったため、旧民社党系の全日本自動車産業労働組合総連合会(自動車総連)やトヨタ労組の総力的な支援を受ける古本が89.6%の得票率で、新人候補ながら圧勝した。
2005年の第44回衆議院議員総選挙では、小泉旋風の中、自民党新人の土井真樹を約27,000票差で下して再選(土井は比例復活)。2009年の第45回衆議院議員総選挙では、土井に比例復活を許さない前回以上の票差をつけて3選[5]。同年、鳩山由紀夫内閣で財務大臣政務官に任命され、菅直人内閣まで務める。
2011年9月、民主党組織委員長、税制調査会事務局長、東日本大震災対策本部副本部長に就任。同年10月には民主党社会保障と税の一体改革調査会筆頭副会長に就任し、衆議院に設置された社会保障と税の一体改革に関する特別委員会では理事を務める。2012年12月の第46回衆議院議員総選挙では、民主党に対する逆風の中、自民党新人の八木哲也を35,560票差で破り、4選(八木も比例復活)。選挙後、民主党副幹事長に就任。
2013年9月、民主党組織委員長に再び就任した。2014年の第47回衆議院議員総選挙では、選挙戦序盤では一部メディアで苦戦が報じられ[6]、自民党前職の八木哲也に前回よりも票差を縮められるも、29,331票差で八木を破り、愛知11区で5選[7]。
2017年の第48回衆議院議員総選挙では希望の党公認で立候補し、6選[8]。
2018年5月7日、民進党と希望の党の合流により結党された国民民主党に参加[9]。 5月8日、国民民主党の税制調査会長に就任した[10]。
同年、5月10日、衆院科学技術・イノベーション推進特別委員会委員長に選出された[11]。
2020年9月1日、産業別労働組合の支援を受ける国民民主党の古本(自動車総連)、濱口誠(同)、礒崎哲史(同)、川合孝典(UAゼンセン)、田村麻美(同)、矢田稚子(電機連合)、浅野哲(同)、小林正夫(電力総連)、浜野喜史(同)ら組織内国会議員9人は、立憲民主党と国民民主党が合流する新党に参加しないと決めた[12]。その後、古本は自動車総連の大会に出席し、「一呼吸おいて、いずれの党に属するのがより政策を実現できるかを見極めたい。暫時、無所属の道を選びたい」と語った[13][14]。
2021年衆院選不出馬
[編集]2021年9月30日、立憲民主党の枝野幸男代表と日本共産党の志位和夫委員長は国会内で会談。次期衆院選に向け共闘すること、立憲が衆院選で政権を取った場合「限定的な閣外からの協力」をめざすことで一致した[15]。10月6日、JAM出身の芳野友子が連合会長に就任[16]。翌7日、芳野は記者会見で「閣外協力はあり得ない」と述べ、野党共闘に拒否反応を示した[17]。また周辺には「労働者のためになることなら与党も野党も関係ない」と語り、自民党に接近する姿勢を見せた[18]。
10月14日、衆議院解散。同日夕、古本は豊田市内のホテルで労組幹部と会見を開き、同月31日執行予定の第49回衆議院議員総選挙に立候補しない意向を示した[19][20]。古本は「組織内候補が出なければ(超党派連携の)可能性は開ける」と述べ、自民党との連携を模索する全トヨタ労連の方針に従う形での不出馬となり、連合愛知などの関係者に衝撃が広がった[21][22]。連合幹部は取材に対し、「トヨタの豊田章男社長の一存で決まった。組合はまったく逆らえなかった」と明かした[18]。組合の「与党シフト」も豊田章男の意向であったと言われる[23]。会社として相応の処遇を迫られたトヨタは古本を迎え入れ、同月、古本の肩書は「トヨタ自動車総務・人事部本部付主査」となった[24]。
愛知県副知事
[編集]2021年12月末、愛知県知事の大村秀章がトヨタ自動車に、古本を副知事に起用したいと打診。2022年2月、大村は古本に「一緒にやろう。力を貸してくれ」と要請[24]。3月2日、大村は記者会見し、古本を副知事に起用すると正式に発表[25][26]。3月31日、トヨタ自動車を退社[24]。
2022年4月1日、愛知県副知事に就任[24]。愛知県における民間企業からの副知事起用は、元トヨタ自動車常務で現愛知県顧問の森岡仙太(2020年3月31日に退任)以来となる[25]。同年6月名古屋競馬取締役[27]。
政策・主張
[編集]憲法
[編集]- 2014年7月1日、政府は従来の憲法解釈を変更し、集団的自衛権の行使を容認することを閣議で決定[33]。この閣議決定を評価するかとの問いに対し、同年の朝日新聞社のアンケートで「まったく評価しない」と回答[29]。集団的自衛権の行使に賛成かとの問いに対し、同年の毎日新聞社のアンケートで「反対」と回答[31]。
外交・安全保障
[編集]- 普天間基地の移設問題について、2012年の毎日新聞社のアンケートで「沖縄県内の別の場所に移設すべき」と回答[28]。
その他
[編集]- アベノミクスについて、2014年の毎日新聞社のアンケートで「評価しない」と回答[31]。2017年の朝日新聞社のアンケートでは「どちらかと言えば評価しない」と回答し[30]、同年の毎日新聞社のアンケートでは「評価しない」と回答[32]。
発言
[編集]- 「委員長はキャリア官僚でしたよね。本音が聞きたいんですよ。僕は、男性の問題だと思っているんです。・・・。法案を作っているのはほとんど男性。その男性、しかも僕らくらいの『おじさん』が変わらなければ、女性が活躍する土壌もできないと思ったんです」(自民党の衆議院内閣委員長井上信治に対して。)(2015年6月25日)[34]
- 「参院や、衆院比例枠に中核市の市長や議長が議席を持ってもいい」(地方の意見を国政に反映させるため:2017年4月21日)[35]
- 「安倍さんを引きずり下ろすための一夜城だ。政策は終わってからゆっくり考えよう、という潔さがあったほうがいい」[36](新党「希望の党」との事実上の合流に際し、前原氏の「公認と政策は、小池さんとすりあわせていく。一任をいただきたい」との発言に対して:2017年9月29日朝日新聞)
- 「立民と一緒になれば年がら年中、批判の野党になる。・・・。立民の提案を見る限り、軍門に下れとしか読めない」(立憲民主党と国民民主党の統一会派結成に反対:2019年8月10日)[37]
選挙歴
[編集]当落 | 選挙 | 執行日 | 年齢 | 選挙区 | 政党 | 得票数 | 得票率 | 定数 | 得票順位 /候補者数 |
政党内比例順位 /政党当選者数 |
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当 | 第43回衆議院議員総選挙 | 2003年11月 9日 | 38 | 愛知11区 | 民主党 | 18万1747票 | 89.56% | 1 | 1/2 | / |
当 | 第44回衆議院議員総選挙 | 2005年 9月11日 | 40 | 愛知11区 | 民主党 | 13万2730票 | 52.29% | 1 | 1/3 | / |
当 | 第45回衆議院議員総選挙 | 2009年 8月30日 | 44 | 愛知11区 | 民主党 | 17万7350票 | 64.02% | 1 | 1/3 | / |
当 | 第46回衆議院議員総選挙 | 2012年12月16日 | 47 | 愛知11区 | 民主党 | 12万6724票 | 51.86% | 1 | 1/4 | / |
当 | 第47回衆議院議員総選挙 | 2014年12月14日 | 49 | 愛知11区 | 民主党 | 12万6498票 | 52.59% | 1 | 1/3 | / |
当 | 第48回衆議院議員総選挙 | 2017年10月22日 | 52 | 愛知11区 | 希望の党 | 13万4698票 | 53.80% | 1 | 1/3 | / |
役職
[編集]- 国会[1]
- 内閣委員、国土交通委員、外務委員、法務委員、郵政民営化特別委員、イラク支援特別委員、教育基本法特別委員、社会保障と税の一体改革特別委員、国土開発幹線自動車道建設会議委員、衆議院憲法審査会幹事、衆議院安全保障委員、衆議院科学技術・イノベーション推進特別委員長、衆議院財務金融委員会理事、財務金融委員会委員
- 政府[1]
- 財務大臣政務官
- その他
脚注
[編集]- ^ a b c 公式プロフィール
- ^ 『中日新聞』2003年4月11日付朝刊、38面、「古本氏を擁立へ 衆院愛知11区で 全トヨタ労連」。
- ^ 『中日新聞』2003年3月25日付朝刊、29面、「伊藤英成衆院議員 正式に引退表明」。
- ^ 『朝日新聞』2003年4月11日付朝刊、30面、「伊藤代議士の後継に古本伸一郎氏 全トヨタ労連決定」。
- ^ asahi.com(朝日新聞社):愛知11区 - 小選挙区開票結果 - 2009総選挙
- ^ “38選挙区で自民を急追…民主党に追い風が吹き始めたワケ”. 日刊ゲンダイ. (2014年6月7日) 2015年1月31日閲覧。
- ^ 愛知 - 開票速報 - 2014衆院選:朝日新聞デジタル
- ^ 愛知-開票速報-2017衆議院選挙(衆院選):朝日新聞デジタル
- ^ “国民民主党、結党大会を開催”. Qnewニュース. (2018年5月7日) 2018年5月23日閲覧。
- ^ “役員人事を了承 両院議員総会”. 国民民主党. (2018年5月8日) 2018年5月23日閲覧。
- ^ “衆院科技特委員長に古本氏を選出” (日本語). 日本経済新聞 電子版 2018年6月5日閲覧。
- ^ “民間労組系議員9人、合流新党に不参加”. 日本経済新聞. (2020年9月1日) 2020年9月4日閲覧。
- ^ “馬淵元国交相、合流新党へ 大塚参院会長は見送り―国民民主”. 時事通信. (2020年9月3日) 2020年9月4日閲覧。
- ^ 朝日新聞 (2020). “合流新党入り、150人前後 入党届締め切り 旧民進党と同規模”. 朝日新聞朝刊: 3.
- ^ “立憲と共産、初の合意でも思惑に違い あいまいな表現で折り合い”. 朝日新聞. (2021年10月1日) 2022年5月17日閲覧。
- ^ “女性初の連合会長、6日就任 芳野氏、定期大会で”. 共同通信. (2021年9月30日) 2022年5月17日閲覧。
- ^ “連合新会長、立民・共産合意に異論”. 共同通信. (2021年10月7日) 2022年5月17日閲覧。
- ^ a b “連立与党入りに突き進む国民民主「玉木代表」 背景にトヨタショックと麻生太郎の囁き”. デイリー新潮. (2022年3月11日) 2022年5月17日閲覧。
- ^ “古本さん不出馬表明、愛知11区 「有権者に申し訳ない」”. 中日新聞. (2021年10月15日) 2022年5月17日閲覧。
- ^ “トヨタ労組、50年来の組織内候補に突然の幕引き 地元が感じた異変”. 朝日新聞. (2021年10月15日) 2022年5月17日閲覧。
- ^ “自民との対立回避 全トヨタ労連支援、愛知11区の古本氏不出馬”. 毎日新聞. (2021年10月14日) 2021年10月14日閲覧。
- ^ “自民との距離縮めた全トヨタ労連 突如の不出馬表明に関係者驚き”. 毎日新聞. (2021年10月14日) 2021年10月14日閲覧。
- ^ “愛知県副知事人事でトヨタと知事の思惑一致”. 週刊エコノミスト. (2022年4月4日) 2022年5月17日閲覧。
- ^ a b c d 梅田歳晴「古本副知事就任会見 愛知もっと魅力的になれる」 『中日新聞』2022年4月2日付朝刊、県内版、16面。
- ^ a b 小林圭 (2022年3月2日). “愛知県副知事に古本伸一郎元衆院議員を起用へ 昨年の衆院選を不出馬”. 朝日新聞 2022年4月2日閲覧。
- ^ 愛知副知事に古本氏 トヨタ社員、昨秋衆院選で不出馬中日新聞2022年3月2日 16時00分
- ^ 名古屋競馬有価証券報告書-第73期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)
- ^ a b c “愛知11区 古本伸一郎”. 2012衆院選. 毎日新聞社. 2022年5月19日閲覧。
- ^ a b c “政策課題 政党・候補者のスタンスは”. 朝日・東大谷口研究室共同調査 - 2014衆院選. 朝日新聞社. 2022年5月19日閲覧。
- ^ a b c d e f g “古本伸一郎”. 2017衆院選 候補者アンケート(朝日・東大谷口研究室共同調査). 朝日新聞社. 2022年5月19日閲覧。
- ^ a b c d e f “愛知11区 古本伸一郎”. 2014衆院選. 毎日新聞社. 2022年5月19日閲覧。
- ^ a b c “第48回衆院選 希望 愛知12区 古本伸一郎”. 毎日新聞社. オリジナルの2018年6月26日時点におけるアーカイブ。 2022年5月19日閲覧。
- ^ “憲法解釈変更を閣議決定 集団的自衛権の行使容認”. 日本経済新聞. (2014年7月1日) 2022年5月19日閲覧。
- ^ 秋山訓子 (2015). “(政治断簡)「おじさん」が変わらなければ”. 朝日新聞: 4.
- ^ 朝日新聞 (2017). “「国と地方のあり方」衆院憲法審で議論 参考人4氏が意見”. 朝日新聞朝刊: 4.
- ^ 朝日新聞 (2017). “民進内、希望との「合流」に不安や疑問 「選別ない」明言を/一夜城だ”. 朝刊: 4.
- ^ 産経新聞 (2019). “国民、立民と統一会派 憲法や原発の根幹政策の隔たり抱えたまま”. 産経新聞.
- ^ 参議院議員 小林正夫の活動日誌 2018年3月3日 民社協会総会「会長に就任」。地方選・参院選の勝利を!
関連項目
[編集]- 全日本自動車産業労働組合総連合会(自動車総連)
- 直嶋正行
- 藤井裕久
外部リンク
[編集]- ふるもと伸一郎 - ウェイバックマシン(2021年11月30日アーカイブ分)
- ふるもと伸一郎 (@furumoto_s11) - X(旧Twitter)
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議会 | ||
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先代 笠浩史 |
衆議院科学技術・イノベーション推進特別委員長 2018年 - 2019年 |
次代 津村啓介 |
公職 | ||
先代 三ツ矢憲生 末松信介 |
財務大臣政務官 大串博志と共同 2009年 - 2010年 |
次代 吉田泉 尾立源幸 |