人魚の眠る家
人魚の眠る家 | ||
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著者 | 東野圭吾 | |
発行日 | 2015年11月20日 | |
発行元 | 幻冬舎 | |
ジャンル | 小説 | |
国 | 日本 | |
言語 | 日本語 | |
形態 | 四六判 | |
ページ数 | 392 | |
公式サイト | www.gentosha.co.jp | |
コード |
ISBN 978-4-344-02850-0 ISBN 978-4-344-42730-3(文庫本) | |
ウィキポータル 文学 | ||
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『人魚の眠る家』(にんぎょのねむるいえ)は、東野圭吾による長編ヒューマンミステリー小説。2018年に映画化された。
東野圭吾デビュー30周年記念作品[1]。
あらすじ
[編集]夫の浮気で別居状態にあった和昌と薫子の夫婦は、娘の瑞穂の有名私立小学校の受験が終わったら離婚するつもりでいた。
円満な関係をアピールするため、面接試験の予行演習を待っていたある日、薫子の母や妹たちとプールに行った瑞穂がプールの排水溝の網に指を突っ込んで抜けずに溺れてしまう。
和昌と薫子は病院に駆けつけるが、集中治療室に運ばれた娘が脳死状態であることを告げられ医師から厳しい選択を迫られてしまう。
もう二度と目を覚まさない瑞穂の臓器を提供するかどうか。他人を思いやれる心優しい我が子を思い2人は一度は臓器提供を決断するが、最期の日、瑞穂の手がかすかに動くのを薫子は目撃してしまう。
薫子は判断を覆し臓器提供を拒み、そこから心臓は動き続けるが眠り続ける瑞穂を家族の協力のもと介護しつづける。
和昌はIT系機器メーカーのハリマテクスを経営しており、人工呼吸器を外し人工知能呼吸コントロールシステムを装着する手術を瑞穂に受けさせる(横隔膜ペースメーカー(人工補助呼吸器)は1980年代から存在し[2]、症例が重ねられている[3])。さらに社員の協力で瑞穂の筋肉に電気信号を流し手足が動かせるようになり筋肉量も維持していく。
そこから瑞穂の体調は良くなり、普通の子がただ眠っているような姿のまま成長していくが、脳死したはずの瑞穂が動くことを気持ち悪がる人間もおり、その偏見の目は瑞穂の弟・生人にまで及ぶ。
家族は薫子を思い今まで違和感を口に出せずにいたが、瑞穂の死を受け入れなければならないと考えるようになる。そして瑞穂の体調も急激に悪化し始める。
登場人物
[編集]播磨 薫子 - 和昌と結婚し二児の母となるが、夫との関係に悩み精神状態が不安定になる。
播磨 和昌 - 薫子の夫でIT系機器メーカー・ハリマテクスの社長。
- 家族に関心を持たない仕事人間。
播磨 瑞穂 - 和昌と薫子の長女。
- 6歳の時にプールで事故に遭い脳死判定され、そこから植物状態で薫子に介護されながら生き続ける。
播磨 生人 - 和昌と薫子の長男で瑞穂の2歳下の弟。
- 元気だったころは姉とも仲が良かったが、徐々に姉が原因で苛められそうになり、瑞穂は死んだと言うようになる。
星野 祐也 - 障害者をサポートする最先端のBMI技術を研究するハリマテクスの社員。
- この技術(によってANC(Artificial Neural Connection[4])が実現されること)で眠ったままの瑞穂の体を動かせるようにする。
川嶋 真緒 - 星野の恋人。
- 播磨家を頻繁に訪れる星野を尾行し、意識が無いのに体が動く瑞穂を目撃する。
美晴 - 薫子の二歳下の妹。
- 瑞穂の介護に協力する。
千鶴子 - 薫子と美晴の母親。
- 孫の瑞穂を事故に遭わせてしまったと責任を感じている。
若葉 - 美晴の娘で瑞穂の同い年の従妹。
- 瑞穂が事故に遭った日もプールで一緒に遊んでいて、自分のせいで瑞穂が事故に遭ったと誰にも言えずに抱え込む。
進藤 - 脳神経外科の医者で瑞穂の主治医。
榎田 博貴 - 夫との関係で悩んでいた薫子が通っていたクリニックの主治医。
- 瑞穂の事故まで外でも会うような関係を続けていた。
播磨 多津朗 - 和昌の父で、ハリマテクスの創業者。
宗吾 - 小学5年生の少年。
- 大きな家で人魚のように眠る少女を目撃する。
映画
[編集]人魚の眠る家 | |
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The House Where the Mermaid Sleeps | |
監督 | 堤幸彦 |
脚本 | 篠崎絵里子 |
原作 | 東野圭吾『人魚の眠る家』 |
製作 |
新垣弘隆 梶本圭 井上潔 |
製作総指揮 |
吉田繁暁 臼井裕詞 |
出演者 |
篠原涼子 西島秀俊 坂口健太郎 川栄李奈 山口紗弥加 田中哲司 大倉孝二 駿河太郎 遠藤雄弥 稲垣来泉 斎藤汰鷹 荒川梨杏 荒木飛羽 田中泯 松坂慶子 |
音楽 | アレクシス・フレンチ |
主題歌 | 絢香「あいことば」 |
撮影 |
相馬大輔 古長真也(Bカメラ) |
編集 | 洲﨑千恵子 |
制作会社 | オフィスクレッシェンド |
製作会社 | 「人魚の眠る家」製作委員会 |
配給 | 松竹 |
公開 |
2018年11月16日 2019年9月5日 2022年1月28日 |
上映時間 | 120分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
興行収入 | 10.0億円(2019年1月時点)[5] |
2018年11月16日に全国公開[6]。配給:松竹。監督は堤幸彦、主演は篠原涼子[7]。
第31回東京国際映画祭特別招待作品GALAスクリーニングに選出された[8][9]。
キャスト
[編集]- 播磨薫子:篠原涼子
- 播磨和昌:西島秀俊
- 星野祐也:坂口健太郎
- 川嶋真緒:川栄李奈
- 美晴:山口紗弥加
- 進藤:田中哲司
- 薫子の父:斉木しげる
- 門脇:大倉孝二
- 江藤:駿河太郎
- 警察官:ミスターちん
- 池内徹也:遠藤雄弥
- ハリマテクスの役員:利重剛
- 播磨瑞穂:稲垣来泉
- 播磨生人:斎藤汰鷹
- 若葉:荒川梨杏
- 宗吾:荒木飛羽
- 播磨多津朗:田中泯
- 千鶴子:松坂慶子
スタッフ
[編集]- 原作:東野圭吾『人魚の眠る家』(幻冬舎文庫)
- 監督:堤幸彦
- 脚本:篠崎絵里子
- 音楽:アレクシス・フレンチ(オリジナル・サウンドトラック:Sony Music Japan International)[10]
- 主題歌:絢香「あいことば」(A stAtion)[11]
- 製作:大角正、石原隆、木下直哉、吉崎圭一、見城徹、瀧藤雅朝、田中祐介
- エグゼクティブプロデューサー:吉田繁暁、臼井裕詞
- プロデューサー:新垣弘隆、梶本圭、井上潔
- 共同プロデューサー:日高峻
- 撮影:相馬大輔
- 照明:佐藤浩太
- 美術:磯見俊裕
- 録音:反町憲人
- サウンドデザイン:石坂紘行
- 編集:洲﨑千恵子
- 記録:井手希美
- スケジュール:白石達也
- 装飾:柳澤武
- 衣装:宮本まさ江
- ヘアメイク:市川温子
- VFXスーパーバイザー:岩﨑朋之
- 助監督:稲留武
- Bカメラ:古長真也
- 制作担当:篠宮隆浩
- 音楽プロデューサー:茂木英興、宮地祐輔
- 宣伝プロデューサー:古森由夏
- アソシエイトプロデューサー:秋吉朝子
- 制作プロダクション:オフィスクレッシェンド
- 企画・配給:松竹
- 製作:「人魚の眠る家」製作委員会(松竹、フジテレビジョン、木下グループ、電通、幻冬舎、ジャパン・ミュージックエンターテインメント、GYAO)
受賞歴
[編集]- 第43回報知映画賞
- 主演女優賞 - 篠原涼子 ※『SUNNY 強い気持ち・強い愛』と合わせて受賞[12]。
- 第42回日本アカデミー賞
- 優秀主演女優賞 - 篠原涼子[13]
脚注
[編集]- ^ “人魚の眠る家”. 幻冬舎. 2018年11月11日閲覧。
- ^ “ペインクリニック、循環器科、内科、加圧トレーニング等に対応したクリニック”. 2021年1月2日閲覧。
- ^ 伊藤・湘南藤沢病院部長. “ALS臨床研究終了 横隔膜ペーシング論文6本”. 2021年1月2日閲覧。
- ^ “An Artificial Neural Connection Allows a New Cortical Site to Control hand Movements”. igakuken.or.jp. 2021年1月1日閲覧。
- ^ 2018年興行収入10億円以上番組 (PDF) - 日本映画製作者連盟 2019年2月11日閲覧。
- ^ “篠原涼子×西島秀俊『人魚の眠る家』ビジュアル公開 田中哲司らの出演も”. CINRA.NET. (2018年6月14日) 2018年11月11日閲覧。
- ^ “東野圭吾「人魚の眠る家」が篠原涼子×西島秀俊で映画化、監督は堤幸彦”. 映画ナタリー. (2017年12月18日) 2018年11月19日閲覧。
- ^ “特別招待作品 GALAスクリーニング 人魚の眠る家”. 第31回東京国際映画祭(2018). 2018年11月19日閲覧。
- ^ “映画『人魚の眠る家』 篠原涼子、西島秀俊らのファンサービスに会場熱狂! 東京国際映画祭GALAスクリーニング 10月29日(月)ワールドプレミア”. CINEMATOPICS. (2018年10月30日) 2018年11月19日閲覧。
- ^ “アレクシス・フレンチが手掛ける映画『人魚の眠る家』オリジナル・サウンドトラック盤が発売!”. TuneGate.me. (2018年11月22日) 2018年12月18日閲覧。
- ^ “絢香が書き下ろし!「人魚の眠る家」主題歌流れる最新予告公開”. 映画.com. (2018年9月21日) 2018年11月19日閲覧。
- ^ “【報知映画賞】篠原涼子が主演女優賞、夫・市村正親と二人三脚で初戴冠”. スポーツ報知 (報知新聞社). (2018年11月28日) 2018年11月28日閲覧。
- ^ “第42回 日本アカデミー賞 優秀賞決定!”. 日本アカデミー賞公式サイト (2019年1月15日). 2019年1月17日閲覧。
外部リンク
[編集]- 小説
- 映画
- 映画『人魚の眠る家』 - 松竹
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