世界宗教
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世界宗教(せかいしゅうきょう)は、人種、民族を超え世界規模でその思想が浸透し、様々な国と地域で信仰されている宗教を指す[2]。
全人類の平等、愛、共通の生活規準を含む信条や儀礼を特色としている[2]。宗教の発達を概観した時、新しい段階に到達した宗教だと考えられている[2]。 発祥地は問題ではなく、人種や地域によって人を差別せず、全人類を平等に扱い、その結果として、世界中でその教えが受け入れられている宗教が世界宗教である。
今日、世界宗教とみなされている宗教は、キリスト教、イスラム教、仏教である[2]。
この記事では、あきらかに世界宗教とされているキリスト教、イスラム教、仏教を中心に説明し、曖昧なものについては言及を避ける。
キリスト教
[編集]キリスト教徒は世界でおよそ22億人であり、多くの国に広がっている。キリスト教は「愛の宗教」と言われる。聖典は聖書だが、キリスト教にとって特に重要なのは新約聖書のほうであり、共観福音書に描かれているイエス・キリストが「時は満ち、神の王国は近くなった。 悔い改めて福音を信じなさい」と、神の王国の到来が近い、という
イスラム教
[編集]ムスリムつまりイスラーム信者は世界でおよそ18億人だとされており、世界人口のおよそ24%がムスリムだとされている[3]。 中東や北アフリカなど乾燥帯で古くから信仰されており、国境を越え、世界中に信徒が広がっている。近年の信徒の増加率は、キリスト教よりも大きい。
クルアーンを神が最後の預言者を通じて人々に下した(啓示した)とし、そこに書かれる教えを信じる。
アッラーのもとで人間は皆、同等だと考える。人間を人種や民族で差別しない。信徒同士の相互扶助関係を重んじる。
仏教
[編集]世界における仏教人口は、2020年時点でおよそ5億人強だとされており、世界人口の6.3%が仏教徒だとされている[4]。 もともとアジアで広がったが、20世紀後半以降、アメリカやヨーロッパでも仏教人口が増えてきている。
仏教は釈迦の教えを源流としている。釈迦は人間を人種や民族で差別せず、人類共通の苦(ドゥッカ)に目を向け、それを自らの探求の出発点とし、ブッダガヤで悟りで得て、その智慧を人々に説いた。まず「生・老・病・死」の
歴史
[編集]かつてマニ教やゾロアスター教も世界宗教の性質を有していた[要出典]。
曖昧な事例
[編集]どちらに分類されるか曖昧な宗教も無いわけではない。
シク教やジャイナ教は、民族宗教にありがちな、人種・民族による差別を行うような性格はほとんど持ち合わせず、全人類の救済を目的とした世界宗教的な性質をより多く持ち合わせながらも、実際にはインド以外には広まっていないため、民族宗教として扱われている。
出典
[編集]- 注釈
- ^ 罪について。キリスト教で言う罪とは、神が人間に対して命じたことに背くこと。正教会では、神の律法と教会の律法に不服従する事、と説いている[1]。カトリック教会では「罪とは悪いことと知りながら、自由意志をもって神に背くこと」と解説し、行為だけでなく、思い、望み、ことば、怠りも罪になる、と解説している[2]。なお、キリスト教では、神は人間に対して「互いに愛し合いなさい」と命じた、としているので、具体的には、"愛さないこと" がまさに神の命令に背いているということになり、罪である、ということになる[3]。クリスチャンにとっては、人を愛することが何より大切なことなのである。
- 出典
- ^ “Religions - The World Factbook”. www.cia.gov. 2023年4月28日閲覧。
- ^ a b c d 「世界宗教」『ブリタニカ国際大百科事典』 。コトバンクより2023年7月8日閲覧。
- ^ “Why Muslims are the world's fastest-growing religious group”. Pew Research Centre (August 2020). 24 August 2020閲覧。
- ^ “Global Religious Landscape: Buddhists”. Pew Research Center (December 18, 2012). August 2020閲覧。
- ^ “お釈迦さまの教え”. 日蓮宗. 2025年2月4日閲覧。
- ^ “【心のケア】悩めるあなたに“ブッダ流”の生き方”. 浄土宗. 2025年2月4日閲覧。
- ^ “法話集、No.96 四諦・八正道(したい・はっしょうどう)”. 天台宗. 2025年2月4日閲覧。
- ^ “八正道”. コトバンク. 2025年2月4日閲覧。