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レアリティーズ Vol.2

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ビートルズ > 作品リスト > レアリティーズ Vol.2
『レアリティーズ Vol.2』
ビートルズコンピレーション・アルバム
リリース
ジャンル ロック
レーベル Capitol (US)
SHAL-12060

オデオン(日本)
EAS-81325
プロデュース ジョージ・マーティン
チャート最高順位
ビートルズ U.S. 年表
ラヴ・ソングス
(1979年)
レアリティーズ Vol.2
(1980年)
ビートルズ バラード・ベスト20
(1980年)
ビートルズ 日本 年表
レアリティーズ
(1979年)
レアリティーズ Vol.2
(1980年)
ビートルズ バラード・ベスト20
(1980年)
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レアリティーズ Vol.2』(英語: Rarities)は、1980年5月5日に発売されたビートルズベスト・アルバムである。現在まで未CD化。「ビルボード」誌では最高21位、「キャッシュボックス」誌では2週連続20位を獲得し、アメリカだけで100万枚以上のセールスを記録している。本アルバムにおいて、英国盤および日本盤『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』のエンディングに収録されたノイズと会話に「サージェント・ペッパー・インナー・グルーヴ」というタイトルが初めてクレジットされた。

解説

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キャピトル編集盤。英国編集盤『レアリティーズ』と原題が同じであることから、便宜上邦題は『レアリティーズ Vol.2』とされた。収録対象はキャピトル・レコードから発売されたシングルやアルバムには未収録、かつ米国のファンにとって聴く機会がなかった珍しい楽曲やヴァージョンで、反対にイギリス、日本ではすでによく知られた楽曲、ヴァージョン(「ミズリー」、「ゼアズ・ア・プレイス」、「シー・ラヴズ・ユー(ドイツ語)」、「アイム・オンリー・スリーピング」、「ジ・インナー・ライト」、「アクロス・ザ・ユニヴァース」、「ユー・ノウ・マイ・ネーム」、「サージェント・ペッパー・インナー・グルーヴ」)が多く含まれている。但し17年ぶりに日の目を見た1962年9月4日録音のリンゴ・スターがドラムを担当した「ラヴ・ミー・ドゥ」や(英国でも1960年代中期の再発シングル盤以降はアンディ・ホワイトがドラムを担当したバージョンになり、それが一般的になっていた)、西ドイツ盤『サムシング・ニュー』に収録されていた「アンド・アイ・ラヴ・ハー」など文字通り珍しいテイク・ヴァージョンが含まれていることは注目される。また本アルバムのためにキャピトル・レコードが新たに編集を施し作り出したヴァージョン(「アイ・アム・ザ・ウォルラス」、「ペニー・レイン」)も含まれている。

また、ステレオが主流になっていた当時には珍しくなったオリジナル・モノラル・ヴァージョンの「ヘルプ!」、「ドント・パス・ミー・バイ」、「ヘルター・スケルター」が収録された(アメリカでは『ザ・ビートルズ』のモノラル盤はリリースされていなかった)。本アルバムによってビートルズのオリジナル・モノラル盤が注目を浴びるようになった。

イギリス編集盤『レアリティーズ』では曲順が任意であったが、本作では「サージェント・ペッパー・インナー・グルーヴ」以外は曲目がリリース順に収録されている(ただし収録順では「ヘルター・スケルター」と「ドント・パス・ミー・バイ」は逆である)。

ジャケットは1枚LPとしては珍しく見開き型で、内側にはアメリカで1966年に発売され即、回収されてしまったブッチャーカバー写真(LP『イエスタデイ・アンド・トゥデイ』)が使用されている(基本的にイエスタデイ・アンド・トゥデイと同じ写真だが、トリミングされる前の写真なのでメンバーの膝下まで写っている)。

収録曲

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アナログA面

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  1. ラヴ・ミー・ドゥ - Love Me Do (Lennon - McCartney)
    演奏時間:(2'25")、リード・ヴォーカル:ポール・マッカートニー
    モノラル。1962年9月4日録音のテイク。セッション・ドラマーのアンディ・ホワイトは録音に参加していない。英国デビュー・シングル盤にのみ収録されていた。マスター・テープが処分されていたため、リリースされたシングル盤を音源にしている。
  2. ミズリー - Misery (McCartney - Lennon)
    演奏時間:(1'47")、リード・ヴォーカル:ジョン・レノン、ポール・マッカートニー
    英国オリジナル・アルバム『プリーズ・プリーズ・ミー』ステレオ盤に収録されたものと同じ。アメリカでは Vee Jay盤"Introducing... The Beatles"に収録されたが、キャピトル盤『ジ・アーリー・ビートルズ』には収録されなかった。
  3. ゼアズ・ア・プレイス - There's a Place (McCartney - Lennon)
    演奏時間:(1'49")、リード・ヴォーカル:ジョン・レノン
    英国オリジナル・アルバム『プリーズ・プリーズ・ミー』ステレオ盤に収録されたものと同じ。アメリカでは Vee Jay盤"Introducing... The Beatles"に収録されたが、キャピトル盤『ジ・アーリー・ビートルズ』には収録されなかった。
  4. シー・ラヴズ・ユー(ドイツ語) - Sie Liebt Dich (Lennon - McCartney - Nicolas - Montague)
    演奏時間:(2'18")、リード・ヴォーカル:ジョン・レノン、ポール・マッカートニー
    英国編集盤『レアリティーズ』に収録されたものと同じ。アメリカでは初のステレオ・リリースとなる。
  5. アンド・アイ・ラヴ・ハー - And I Love Her (Lennon - McCartney)
    演奏時間:(2'37")、リード・ヴォーカル:ポール・マッカートニー
    西ドイツ盤『サムシング・ニュー』に収録されていたヴァージョンである。エンディングの繰り返しが長い。
  6. ヘルプ! - Help! (Lennon - McCartney)
    演奏時間:(2'21")、リード・ヴォーカル:ジョン・レノン
    オリジナル・モノラル・ヴァージョン。元々はモノラルとステレオとではボーカルと演奏が全く違うテイクが採用されていたが、アメリカではシングル&アルバム収録ともにステレオバージョンを単にモノラルに落としたものだった為に、本盤に収録された。
  7. アイム・オンリー・スリーピング - I'm Only Sleeping (Lennon - McCartney)
    演奏時間:(3'01")、リード・ヴォーカル:ジョン・レノン
    英国オリジナル・アルバム『リボルバー』ステレオ盤に収録されたものと同じ。米キャピトル盤『イエスタデイ・アンド・トゥデイ』収録のものは逆回転テープによるギターのフレーズが異なる(ただし日本盤『イエスタデイ・アンド・トゥデイ』は曲順こそ米キャピトル盤と同じだが、音源は英国盤と同じ音源が収録されている)。
  8. アイ・アム・ザ・ウォルラス - I Am the Walrus (Lennon - McCartney)
    演奏時間:(4'36")、リード・ヴォーカル:ジョン・レノン
    英国オリジナル2枚組EP『マジカル・ミステリー・ツアー』ステレオ盤に収録されたものに、米キャピトル・シングル盤『ハロー・グッドバイ』のB面ヴァージョンの間奏の一部をあらたに組み合わせて編集したもの。
    米キャピトル盤『マジカル・ミステリー・ツアー』ステレオ盤に収録された「アイ・アム・ザ・ウォルラス」は冒頭が4拍なのに対し、英国オリジナルEPは6拍である。米シングル盤『ハロー・グッドバイ』のB面ヴァージョンは間奏が数秒長い。本アルバムのものは長い間奏部分だけを英国ステレオ・ヴァージョンに挿入したものである。

アナログB面

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  1. ペニー・レイン - Penny Lane (Lennon - McCartney)
    演奏時間:(3'03")、リード・ヴォーカル:ポール・マッカートニー
    エンディングにトランペットが入る。通常ステレオ・ヴァージョンに、米国盤プロモーション・シングルに収録されたヴァージョンのエンディングをかぶせたもの。
    アメリカでは「ペニーレイン」は初のステレオ・リリースであり、米キャピトル盤『マジカル・ミステリー・ツアー』には疑似ステレオ、米キャピトル盤『ザ・ビートルズ1967年〜1970年』にはモノラル・ヴァージョンが収録されていた。
  2. ヘルター・スケルター - Helter Skelter (Lennon - McCartney)
    演奏時間:(3'39")、リード・ヴォーカル:ポール・マッカートニー
    オリジナル・モノラル・ヴァージョン。アメリカでは『ザ・ビートルズ』のモノラル盤はリリースされておらず、初のリリースである。ジャケット裏に記載された解説では、再度フェードイン後に「I've got blisters on my fingers(指が水膨れだらけだ)」と叫ぶジョン・レノンの声を聞く事が出来ない」と致命的な間違いを載せている(実際はリンゴ・スターが叫んでいる)
  3. ドント・パス・ミー・バイ - Don't Pass Me by (Starkey)
    演奏時間:(3'45")、リード・ヴォーカル:リンゴ・スター
    オリジナル・モノラル・ヴァージョン。アメリカでは『ザ・ビートルズ』のモノラル盤はリリースされておらず、初のリリースである。
  4. ジ・インナー・ライト - The Inner Light (Harrison)
    演奏時間:(2'35")、リード・ヴォーカル:ジョージ・ハリスン
    アメリカでは初のアルバム収録。オリジナル・モノ・ミックス。
  5. アクロス・ザ・ユニヴァース - Across the Universe (Lennon - McCartney)
    演奏時間:(3'47")、リード・ヴォーカル:ジョン・レノン
    アメリカでは初のリリース。アルバム"No Ones Gonna Change Our World"に収録されていたヴァージョンである。
  6. ユー・ノウ・マイ・ネーム - You Know My Name (Look up the Number) (Lennon - McCartney)
    演奏時間:(4'19")、リード・ヴォーカル:ジョン・レノン、ポール・マッカートニー
    アメリカでは初のアルバム収録。You Know My Name (Look up My Number)とクレジットされている。
  7. サージェント・ペッパー・インナー・グルーヴ - SGT.Pepper Inner Groove
    演奏時間:(0'02")
    アメリカでは初のリリース。アメリカ盤『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』ではカットされていた。