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ココウモリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ココウモリ
コウモリ
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: 翼手目 Chiroptera
亜目 : 小翼手亜目 Microchiroptera
学名
Microchiroptera Dobson1875
和名
ココウモリ(小蝙蝠)
英名
microbat
伝統分類での下目

ココウモリ(小蝙蝠、英語 microbat)は、哺乳綱翼手目のうちオオコウモリ(オオコウモリ科)以外の総称である。小翼手類(しょうよくしゅるい Microchiroptera)。

伝統分類では小翼手亜目コウモリ亜目)に分類されていた。しかしココウモリは側系統であり、系統的分類ではこのグループは認められない。

特徴

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オオコウモリが主に視覚に頼っているのに対し、ココウモリの視覚はあまり発達していない。その代わりに超音波による反響定位能力を獲得しており、光のないところでも障害物にぶつかることなく飛行が可能である。

基本的には虫食性だが、花蜜食魚食肉食雑食などの種もおり、オオコウモリに対して多様性は大きい。

分類

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小翼手亜目は、1985年に陽翼手下目Yangochiropteraと陰翼手下目Yinochiroptera[1]に分けられ、それらがさらに上科・科に分けられてきた。またそれ以外に、サシオコウモリ上科サシオコウモリ科が所属下目不明とされていた[2]

しかし2001年、分子系統により小翼手亜目は側系統であることがわかったため、大きく変更された系統分類が提案された。小翼手亜目は側系統であるため分類群としては採用されず、ヤンゴキロプテラ亜目Yangochiropteraと、インプテロキロプテラ亜目Yinpterochiroptera[3]に分割された。インプテロキロプテラには大翼手亜目とされていたオオコウモリも属する[4]

ヤンゴキロプテラ亜目は、伝統分類で同名の陽翼手下目とほぼ一致する。インプテロキロプテラ亜目は、陰翼手下目とオオコウモリ科を合わせたものにほぼ一致する。ただしいずれも、少数の科が変更されている。

上科は系統分類により大きく変更された。伝統分類と系統分類では、同じ名前の上科でも中身はかなり異なる。ただしいずれにせよ、上科は分類の専門家以外はあまり使わない傾向にある。一方、科は比較的安定している。

以下では伝統的分類における下目と系統分類における亜目の対応を示す。現生の上科・科についてはBurgin et al. (2020) に従った[5]


出典

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  1. ^ 日本哺乳類学会 種名・標本検討委員会 目名問題検討作業部会「哺乳類の高次分類群および分類階級の日本語名称の提案について」『哺乳類科学』第43巻 2号、日本哺乳類学会、2003年、127-134頁。
  2. ^ Malcolm C. McKenna & Susan K. Bell, Classification of Mammals: Above the Species Level, Columbia University Press, 1997. Pages 295-322.
  3. ^ 船越公威「第10章 進化」『コウモリ学―適応と進化』東京大学出版会、2020年、194-208頁。
  4. ^ M.S. Springer et al. 2001. Integrated fossil and molecular data reconstruct bat echolocation. Proceedings of the National Academy of Sciences, USA 98 (11): 6241-6246. [1]. doi:10.1073/pnas.111551998.
  5. ^ Connor J. Burgin, Jane Widness & Nathan S. Upham, “Introduction,” In: Connor J. Burgin, Don E. Wilson, Russell A. Mittermeier, Anthony B. Rylands, Thomas E. Lacher & Wes Sechrest (eds.), Illustrated Checklist of the Mammals of the World, Volume 1, Lynx Edicions, 2020, Pages 23-40.

関連項目

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外部リンク

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