ガブリエル・アタル
ガブリエル・アタル Gabriel Attal | |
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(2023年) | |
生年月日 | 1989年3月16日(35歳) |
出生地 | フランス・クラマール |
出身校 |
パリ政治学院 パリ第2大学 |
前職 | 官僚 |
所属政党 |
(社会党→) 再生/進歩の領域 |
第26代首相 | |
内閣 | ガブリエル・アタル内閣 |
在任期間 | 2024年1月9日 - 2024年9月5日 |
大統領 | エマニュエル・マクロン |
国民議会議員 | |
選挙区 | オー=ド=セーヌ第10区 |
在任期間 | 2017年6月21日 - 2018年11月16日 |
内閣 | エリザベット・ボルヌ内閣 |
在任期間 | 2023年7月20日 - 2024年1月9日 |
内閣 | エリザベット・ボルヌ内閣 |
在任期間 | 2022年5月20日 - 2023年7月20日 |
ガブリエル・ニッスィム・アタル(フランス語: Gabriel Nissim Attal、1989年3月16日 - )は、フランスの政治家。2024年1月から9月まで同国首相を務めた。同国史上最年少の首相である。同性愛者である事を公表している[1]。国民教育大臣、行動・公会計大臣、政府報道官を歴任。2021年から再生党の指導部に選出されている。
来歴
[編集]クラマール出身。パリ13区で幼少期を過ごした。ユダヤ人である父のイヴ・アタルは弁護士と映画プロデューサー、白系ロシア人とフランス旧貴族の出自をもつ母親のマリー・ド・クーリスは映画製作会社の社員であった[2][3]。幼い頃から、母系の縁戚が信仰していた正教会の教えを受けた[4]。
少年期はフランス有数の名門校であるエコール・アルザシエンヌに通った。政治活動を始めるきっかけは2006年のフランスの若者抗議活動からである[5]。パリ政治学院在学中の2007年には、FARCに監禁されたイングリッド・ベタンクールを支援する委員会を設立[6]。2008年から2011年までパリ第2大学で法学を学び、2012年にパリ政治学院を卒業。卒業後は在ローマ・フランス・アカデミーにいたエリック・デ・チャセイのアシスタントとして1年間勤務[7]。
在学中の2008年には、父がプロデューサーとして制作に加わった映画『美しいひと』で、高校生役としてカメオ出演している[8]。
政界進出
[編集]2012年フランス大統領選挙中は国会でマリソル・トゥレーヌ保健大臣(当時)専属のスピーチライターとして活躍[9]。
2014年の地方選挙では、アタルは社会党所属議員として5位にランクインした[10]。
2017年にはオー=ド=セーヌ第10区国民議会議員だったアンドレ・サンティーニの退任に伴い、国民議会議員に選出された[11]。アメリー・ド・モンシャランと共に党内での影響力を拡大していった[12]。2018年に教育副大臣に就任したのを皮切りに、政府の役職を歴任していく[13]。2020年から2022年までジャン・カステックス首相の下で政府報道官を務め、2022年5月にエリザベット・ボルヌ首相の下で行動・公会計大臣に就任した[14]。2023年7月に国民教育大臣に就任すると、中学生時代にいじめを受けていたことを明かし、政府のいじめ対策策定を率いるなど[15]、いじめ問題の啓発に取り組んだ[16]。在任中のいじめ問題の取り組みは若者を中心に支持された[17]一方で、8月にフランスの公立学校でのアバーヤの着用禁止を発表した[18]ときには物議を醸した[16][注釈 1]。
2024年1月9日にマクロン大統領によって、ボルヌ首相の退任に伴い、アタルが首相に就任することが発表された[15]。フランスのメディアでは、アタルが2027年の大統領選挙の候補者になる可能性があるとの憶測が流れている[20]。
2024年6月から7月にかけて執行された議会総選挙にてマクロン与党は議会内勢力第2位に後退し、第2回投票翌日の7月8日にアタルは首相を辞任する意向をマクロン大統領に伝えたが、過半数を獲得した勢力がなく次期政権の展望が見えない中でマクロンは辞任を認めず、当面の続投を要請した[21]。同月16日にアタル内閣が総辞職した。次期首相が任命されるまで暫定的に職務を継続[22]。9月5日、後継首相にミシェル・バルニエが任命された[23]。
私生活
[編集]2017年にはエマニュエル・マクロンに近い政治家で、後に欧州議会議員と再生の党首となったステファーヌ・セジュルネと民事連帯契約を結んだが、2024年より前に解消したと見られる[25][26][27]。セジュルネはアタル内閣で欧州・外務相に任命された[28]。また、歌手のジョイス・ジョナサンとは学生時代からの友人である[29][30]。
2018年12月にL'Obsでカミングアウトしたが[31]、その以前に元同級生で弁護士のフアン・ブランコによりTwitterでアウティングされた[32][33]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ “仏新首相 最年少34歳のガブリエル・アタル氏に任命”. NHKnews web. 2024年1月9日閲覧。
- ^ Mathilde Siraud (2023年3月1日). “Gabriel Attal, sur les traces de Macron ?” (フランス語). lepoint.fr. 2024年1月9日閲覧。.
- ^ Bancaud, Delphine (2018年10月16日). “Qui est Gabriel Attal, le plus jeune membre d'un gouvernement de la Ve République?” [Who is Gabriel Attal, the youngest member of a government of the Fifth Republic?] (フランス語). 20 Minutes. 2023年1月9日閲覧。
- ^ “Who is Gabriel Attal, France’s new prime minister?”. Politico. 2024年1月9日閲覧。
- ^ Laurent Telo (13 April 2018). “Du Parti socialiste à La République en marche, la mue fulgurante de Gabriel Attal [From the Socialist Party to La République En Marche!, the dazzling transformation of Gabriel Attal]” (フランス語). Le Monde.fr (Le Monde) 26 October 2018閲覧。
- ^ Jeudy, Bruno (2018年8月20日). “Gabriel Attal : "Le jour où je rencontre Ingrid Betancourt"” [Gabriel Attal: "The day I meet Ingrid Betancourt"] (フランス語). Paris Match. 2024年1月9日閲覧。
- ^ Baudais, Pierrick (2017年12月20日). “Qui est Gabriel Attal, le futur porte-parole de la République en marche?” [Who is Gabriel Attal, the future spokesperson for the Republic on the move?] (フランス語). Ouest-France. 2023年1月10日閲覧。
- ^ “Gabriel Attal acteur dans un film, saurez-vous le reconnaître?”. etudiant.lefigaro. 2023年1月10日閲覧。
- ^ “Qui est Gabriel Attal, votre député (LREM) d'Issy-Vanves” [Who is Gabriel Attal, your deputy (LREM) of Issy-Vanves] (フランス語). Le Parisien (19 June 2017). 2023年1月9日閲覧。
- ^ Petitdemange, Amélie (2018年10月16日). “Gabriel Attal: un vingtenaire débarque dans le gouvernement” [Gabriel Attal: a twenty-something arrives in the government] (フランス語). Les Échos. 2024年1月9日閲覧。
- ^ “Elections législatives 2017” (フランス語). Ministry of the Interior (2017年6月19日). 2023年1月9日閲覧。
- ^ Lemarié, Alexandre (16 October 2018). “Gabriel Attal, Secretary of State at Blanquer” (フランス語). Le Monde 26 October 2018閲覧。
- ^ 【解説】34歳のアッタル氏を新首相に、マクロン仏政権の今後はBBC NEWS JAPAN、2024年1月10日。2024年1月11日閲覧。
- ^ Boiteau, Victor (20 May 2022). “Changement dans la continuité: Darmanin, Le Maire, Attal… Ces ministres qui remettent ça dans le gouvernement Borne” (フランス語). Libération 2023年1月9日閲覧。
- ^ a b “フランス新首相にアタル氏 34歳、第5共和制で最年少、同性愛公表”. 朝日新聞. 2024年1月11日閲覧。
- ^ a b フランス新首相に34歳のアタル氏 同国最年少、同性愛公表CNN、2024年1月10日。2024年1月11日閲覧。
- ^ フランス最年少首相で政権刷新狙う マクロン大統領、極右政党に対抗産経新聞、2024年1月10日。2024年1月11日閲覧。
- ^ “French education minister announces ban on Islamic dress in schools” (英語). POLITICO (2023年8月27日). 2024年1月9日閲覧。
- ^ a b イスラム教徒の「アバヤ」、フランスの校内で着用禁止へ 教育相AFP通信、2023年8月28日。2024年1月11日閲覧。
- ^ “Attal: the 'new Macron' at helm of French government”. France 24. 2024年1月9日閲覧。
- ^ “マクロン大統領、アタル首相に「当面の」留任要請 フランス政治の混迷続くなか”. BBC News. BBC. (2024年7月9日) 2024年7月11日閲覧。
- ^ “仏内閣が総辞職 職務は当面継続”. 時事通信. (2024年7月17日) 2024年7月17日閲覧。
- ^ “新首相にバルニエ元外相 政治空白、2カ月で幕―仏”. 時事ドットコム (時事通信社). (2024年9月5日) 2024年9月5日閲覧。
- ^ “アタル仏首相、「新たなマクロン」? 大統領との比較招く政界の新星”. www.afpbb.com (2024年1月10日). 2024年1月10日閲覧。
- ^ “Stéphane Séjourné et Gabriel Attal, un couple au cœur du pouvoir” (フランス語). Le Monde.fr. (2021年10月31日) 2024年1月10日閲覧。
- ^ “Gabriel Attal, un présidentiable propulsé à Matignon” (フランス語). Le Point (2024年1月9日). 2024年1月10日閲覧。
- ^ “Who is Gabriel Attal, France’s new prime minister?” (英語). POLITICO (2024年1月9日). 2024年1月10日閲覧。
- ^ “仏・アタル新内閣発足 外相にマクロン大統領の側近セジュルネ氏(38) 内閣の若返りアピールか|FNNプライムオンライン”. FNNプライムオンライン (2024年1月12日). 2024年1月12日閲覧。
- ^ “Gabriel Attal : son histoire d’amour avec une célèbre chanteuse - Gala” (フランス語). Gala.fr (2024年1月9日). 2024年1月10日閲覧。
- ^ “Gabriel Attal, du gouvernement Macron, a été en couple avec Joyce Jonathan” (フランス語). www.femina.fr. 2024年1月10日閲覧。
- ^ “Gabriel Attal, le bon élève de la macronie” (フランス語). L'Obs (2018年12月6日). 2024年1月10日閲覧。
- ^ “Le secrétaire d'État Gabriel Attal parle de son homosexualité” (フランス語). tetu.com/. 2024年1月10日閲覧。
- ^ “Juan Branco a-t-il une "haine quasi-obsessionnelle" à l'endroit de Benjamin Griveaux ?” (フランス語). France Inter (2020年2月18日). 2024年1月10日閲覧。
外部リンク
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