まちバス
まちバスは、石川県金沢市の中心部で運行されている路線バスの名称である。金沢商業活性化センターが運営し[1]、運行を西日本ジェイアールバスに委託している。「金沢ショッピングライナー」の別名もある。
概要
[編集]2007年6月より金沢商業活性化センター(金沢市出資の第3セクター)[1]と金沢市が補助金を支出して試験的に運賃無料で土曜・日祝日に運行を開始した。運行は西日本JRバス金沢営業所に委託され、同営業所に所属する既存の一般路線車を利用していた。
期間延長を行いながら2008年1月14日まで運行した後、同年4月5日より本格運行を開始(当初は2009年3月29日までの運行予定、のち延長)されている。試験運行時より時間延長や増便が図られ、1乗車大人100円、小人50円という運賃も徴収されるようになった。このときから全面水色の車両(西日本JRバス平城山派出所(2008年3月廃止)から移籍のいすゞ・エルガミオ、平城山地区の巡回バスとして使用)が「まちバス」専用車両として使われるようになった[2]。
損失が出た場合には市や商店街が補填することになっていたが、2008年度は結果として黒字になった。2009年3月時点では、一便あたりの乗客数は約62人で、無料運行時とほぼ同数という[3]。
なお、2008年7月の北鉄バス「兼六園シャトル」(2021年3月で廃止)の運行開始以降も、当路線の乗客数は、大幅に落ち込まず堅調であることが報道されている[3]。
2009年春に行われた調査によると、まちバスの利用者は、富山県や福井県などの隣県を始めとした「県外」からの利用者が4割近くを占めているという[4]。
2016年1月30日、運行開始以来の累計乗客数が200万人を突破した[5]。
2025年3月にバス運転手の不足や車両の老朽化により、西日本JRバスが運行業務から撤退予定[6]。
運行日・運行時間・運賃
[編集]- 土曜日・日曜日・祝日のみ運行。年末年始は1月1日(元日)のみ運休。
- 9時40分から17時40分までは20分間隔[7]、18時00分から20時00分までは30分間隔[7]で運行(始発停留所基準、いずれも運行開始時点)。
- 2020年の新型コロナウイルス感染症に伴う運休からの運行再開後は40分間隔に変更[1]、運行時刻を10時から18時までに短縮していた[1]が、令和4年7月1日からは通常運行に戻っている[8]。
- 一周35分[9]
- 中乗り前降りで運賃は後払い。1乗車大人100円、小人50円[9]。
運行経路
[編集]金沢駅を起点とした概ねラケット状の運行経路となっている。バス停の名称は2021年4月時点。また各バス停の数字は停留所のナンバリングを示す。
- 金沢駅兼六園口(東口)・金沢フォーラス
- 金沢駅バスターミナル東口5番のりばから発車する。
- 多客期は仮設の案内ブースが設けられる。
- 武蔵ヶ辻・近江町市場
- 北鉄バスの武蔵ヶ辻・近江町市場2(いちば館前)、JRバスの武蔵ヶ辻・近江町市場バス停と同じ位置である[14]。
- 南町・尾山神社
- 香林坊大和・アトリオ
- 北鉄バスの香林坊4(アトリオ前)、JRバスの香林坊バス停と同じ位置である[15]。
- 片町・タテマチ
- タテマチ広場
- 本多町・歌劇座・鈴木大拙館
- 北鉄バスの本多町(金沢歌劇座前)バス停と同じ位置である[16]。
- 金沢21世紀美術館・兼六園(真弓坂口)
- 香林坊東急スクエア・日銀前
- 北鉄バスの香林坊7(日銀前)バス停と同じ位置である[15]。
- 南町・尾山神社
- 武蔵ヶ辻・金沢エムザ
- 北鉄バスの武蔵ヶ辻・近江町市場5(エムザ黒門小路前)バス停と同じ位置である[14]。
- リファーレ
- 北鉄バスのリファーレ前バス停と同じ位置である。
- 金沢駅兼六園口(東口)・金沢フォーラス
- 金沢駅東口バスターミナルの降車場に到着する。
脚注
[編集]- ^ a b c d “金沢周遊の「まちバス」が運行再開 23日から”. 日本経済新聞. (2020年5月22日) 2021年12月12日閲覧。
- ^ 『永久保存版JRバス30年の軌跡』グラフィス、2019年3月27日、21頁。ISBN 978-4-86493-214-1。
- ^ a b “運賃100円でも「まちバス」黒字 金沢市と商店街、損失補填取りやめ”. 北國新聞 (2009年3月7日). 2009年3月11日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “まちバス利用、4割が県外客 金沢TMO調査 富山は6割が買い物目的”. 富山新聞 (2009年8月16日). 2009年8月16日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “100円まちバス200万人突破 金沢駅と中心部結ぶ”. 北國新聞 (2016年1月31日). 2016年1月31日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “金沢周辺、縮むバス網JR・まちバス撤退、北鉄・8路線廃止検討 来年3月”. 北國新聞. (2024年11月26日) 2024年11月27日閲覧。
- ^ a b c “100円の金沢周遊「まちバス」利用者、新幹線開業で前年比150%に”. 金沢経済新聞 (2015年8月28日). 2019年4月20日閲覧。
- ^ “運行時間について(令和4年7月1日~)”. 金沢商業活性化センター (2022年6月29日). 2022年10月18日閲覧。
- ^ a b “時刻表”. 金沢商業活性化センター. 2022年10月18日閲覧。
- ^ “北陸新幹線開業にあわせ平成27年3月14日より金沢地区の路線バスで交通系ICカードサービスPitapaがご利用いただけます。小銭いらずでスムーズな降車が可能に。” (PDF). 西日本ジェイアールバス (2015年3月14日). 2015年4月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月12日閲覧。
- ^ 「金沢の『まちバス』スマホ決済導入 春節へ中国の2サービス」2019年2月1日付北國新聞朝刊5面
- ^ “ICカードが利用できる”. 金沢商業活性化センター. 2022年10月18日閲覧。
- ^ “金沢市内1日フリー乗車券”. 北陸鉄道. 2022年10月18日閲覧。
- ^ a b [1]
- ^ a b c [2]
- ^ a b [3]
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 金沢駅から金沢市内を巡るまちバス【公式】
- TMO 株式会社金沢商業活性化センター
- 一般路線 金沢周辺 - 西日本ジェイアールバス