にこまる
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にこまる | |
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属 | イネ属 Oryza |
種 | イネ O. sativa |
交配 | きぬむすめ×北陸174号 |
亜種 | ジャポニカ O. s. subsp. japonica |
品種 | にこまる |
開発 | 農研機構 |
にこまるは、日本のイネの品種名および銘柄名。「にこまる」の名は、笑みがこぼれるほどおいしい品種で、丸々とした粒張りのよさを表現した名称である[1]。
概要
[編集]登熟期に高温であると品質が低下する「ヒノヒカリ」に代わりうる品種として開発された[2]。夏場の気温が高くなる地域で栽培されている[1]。高温による品質低下が少なく多収で品質も良好な暖地向きの中生種。いもち病抵抗性は「ヒノヒカリ」並、耐倒伏性は「ヒノヒカリ」並かやや強である。高温年でも白未熟粒の発生が少なく、玄米は粒張りが特に良い。
食味は「ヒノヒカリ」並かそれ以上[2]。粒が大きく、炊飯米は弾力があって粘りが強く、艶がある[2]。味覚センサーによる分析では、「コシヒカリ」との比較で、コクや甘みとうまみに特徴があるとする結果が出ている[3]。様々な料理と相性が良いが、粒感がしっかりとあるため炊き込みごはんや丼、寿司にも向く[2]。
2002年(平成14年)に長崎県で奨励品種となったのを皮切りに[4]、高知県や[5]愛媛県でも奨励品種となっている[6]。愛媛県では、2013年(平成25年)に奨励品種となり[6]、イメージキャラクターの「みきゃん」を用いたパッケージやテレビCMで幅広く浸透している[1]。
育成経過
[編集]普及
[編集]- 2006年(平成18年)- 長崎県において、「にこまる」本格生産を開始。
- 8月、長崎県において「ながさきにこまる」のキャラクター決定。
- 11月、長崎県での「ながさきにこまる」を新発売。
- 2009年(平成21年)- 2月、(財)日本穀物検定協会平成20年産米の食味ランキング「長崎県・県南」が特A取得。 5年連続で最高ランクの「特A評価」を獲得[7]。
- 2010年(平成22年)11月21日、第12回 米・食味分析鑑定コンクール:国際大会(島根県松江市)で金賞を受賞。
- 2011年(平成23年)- 11月23日、第13回 米・食味分析鑑定コンクール:国際大会(群馬県川場村)で金賞を受賞。
- 2012年(平成24年)- 11月23日、第14回 米・食味分析鑑定コンクール:国際大会(長野県木島村)で金賞を受賞。
- 2013年(平成25年)- 11月24日、第15回 米・食味分析鑑定コンクール:国際大会(宮城県七ヶ宿町)で金賞を受賞。
- 2014年(平成26年)- 11月24日、第16回 米・食味分析鑑定コンクール:国際大会(青森県田舎館村)で金賞を受賞。
脚注
[編集]- ^ a b c 日本食糧新聞社 編 2018, p. 129.
- ^ a b c d 日本食糧新聞社 編 2018, p. 142.
- ^ 日本食糧新聞社 編 2018, p. 133.
- ^ 日本食糧新聞社 編 2018, p. 140.
- ^ 日本食糧新聞社 編 2018, p. 130.
- ^ a b 日本食糧新聞社 編 2018, p. 128.
- ^ “(参考)平成元年からの特Aランク一覧表”. 一般財団法人 日本穀物検定協会. 2015年3月26日閲覧。
- ^ “米・食味分析鑑定コンクール:国際大会”. 2015年3月27日閲覧。
- ^ “米・食味分析鑑定コンクール:国際大会”. 2013年1月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年3月27日閲覧。
- ^ “米・食味分析鑑定コンクール:国際大会”. 2015年3月27日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “米・食味分析鑑定コンクール:国際大会”. 2012年11月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年3月27日閲覧。
- ^ “米・食味分析鑑定コンクール:国際大会”. 2016年9月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年3月27日閲覧。
- ^ “米・食味分析鑑定コンクール:国際大会”. 2015年3月27日閲覧。
参考文献
[編集]- 日本食糧新聞社 編『全国お米のこだわり銘柄事典』日本食糧新聞社、2018年4月18日。ISBN 9784889272666。
- 「にこまる」の育成 九州沖縄農業研究センター
- 暑い九州に適した高品質でおいしい中生品種「にこまる」九州沖縄農業研究センター
- 温暖化にも強い米を九州で開発された「にこまる」の特徴 農林水産省